第6話
森へと戻ってきてまずは剣の素振りからしていく。剣を初めて振ってみたのだが何となくだがよく剣が振れているような気がする。
(何だろうね、何か身体が剣の振り方を知っている感じだね。だからといって慢心したらだめだろうけど)
そういえば、商人の魔法袋に入ってた本に魔物の図鑑が入ってたな。
それによると、大きなカバの魔物はベヘモスで蛇はデススネーク、大きなトカゲはアースドラゴン、そのドラゴンが食べていたのはツインヘッドビーストというらしい。
(あのトカゲはドラゴンであってたのか。ドラゴンって空を飛ぶ物だと思ってたけど空を飛ばないドラゴンもいるんだね。ドラゴンは無理でもせめてグリフォンぐらいは楽に勝てるぐらいにはなりたいな)
剣を一心不乱に振っていく。そして、疲れたら薪を拾いダンジョンの中でご飯を食べるという生活を三日ほど続けた。そして、食料が心許なくなってきたので森に狩りに出かける。
デススネークは気配にさえ気づけば何とかなった。そのために《風魔法ウインドフィールド》を周囲に巡らせていち早く気配に気づくようにしていた。この魔法はそよ風を半径五メートルぐらいの範囲で吹かせる効果ぐらいしか無いが風が何か障害物や動いている物にぶつかると使用者に分かるようになっていた。
森を歩いていると何かが近づいているのに気づく。
警戒しているとツインヘッドビーストが走りながらこちらに向かってきている。その頭は獅子と山羊の頭が付いていた。僕は急いで剣を構え、《地魔法ストレングスアップ》をかける。
ツインヘッドビーストが獅子の口を大きく開けて僕に噛み付こうとする。僕はそれを横にかわし剣でその身体を切りつける。剣はツインヘッドビーストの腹を切り裂いていた。さすがはミスリルの剣というところだ。流石に致命傷ではあろうがノロノロとツインヘッドビーストが起き上がる。僕はすかさずその獅子の頭と山羊の頭を切り落とす。そして、ツインヘッドビーストは横倒しに倒れ絶命する。
(ミスリルの剣の切れ味が凄すぎる。確かに魔力を込めたけどここまで簡単に斬れるとは思わなかった。まあ、それでもあのカバいや、ベヘモスやアースドラゴンには通用しなさそうだな~)
ここで思案するこのままダンジョンに向かうか、それともこの森の魔物で剣と魔法の訓練してからダンジョンに向かうかである。少し考えた後、このままこの森の魔物で剣と魔法の訓練をすることに決めた。
(流石にこの森よりダンジョンの魔物の方が弱いって事はないよね。なら、この森である程度は戦えないとダンジョンでは死ぬかもしれないよね。そうと決まれば、ツインヘッドビーストやグリフォンで剣や魔法の練習をしようかな。ベヘモスやアースドラゴンを目標に頑張りますか)
幸いにも安心して寝られる場所の確保も出来た。後はやるだけだと森の中に入っていくのだった。