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第57話

 カルラとセシリアがハイオークとオークと先頭に入っているところに僕はオークジェネラルとの戦闘のために駆ける。


「そこの二人、危なそうだったこっち側に走って来て!」


 僕達が来る前からオークジェネラルと戦っていた二人に声をかける。その二人がこちらを見ると怯えていた表情が安堵に変わり僕の方に走ってくる。オークジェネラルには飛び道具や魔法は無いために逃げて行く二人には攻撃手段が無いために遅い足で追いかけるしか無かった。


「《地魔法アーススパイク》」


 僕は逃げてきた二人がすれ違ってから魔法を唱える。土の槍がオークジェネラルの足を貫き、オークジェネラルはたまらずに転けたのだ。


「これで、頭が切りやすいところに来たね」


 僕はそのまま走って剣を一閃しオークジェネラルの頭を切り落とした。


「うん、まあ、こんなものかな。ベへモスとかと比べると全然だよね。オークキングは少しは楽しめるのかな?さて、二人の方は大丈夫かな?」


 振り返ると二人が何故か釈然としない顔で近づいて来た。


「ご主人様、ちょっと強すぎじゃないですか?」


「ご主人、強かったんだな。あたいでもオークジェネラルはそんなにすぐには倒せないのに」


「そうかな?単純に魔法の習熟度の違いだと思うけどね。というか、オークジェネラルくらいは簡単に倒せるようになってもらわないと困るんだけどね」


 二人が何故か文句を言ってくるが、ダンジョンを攻略するつもりなのに4階層ぐらいで躓いてはいられない。これくらいは二人共に出来るようになって欲しい。 


「あの、ちょっといいかな」


 恐る恐るという感じに先にオークジェネラルと戦っていたパーティーのリーダーらしき人が声をかけてきた。他のメンバーはハイオークに攻撃を受けて気絶しているスカウトの治療をしている。


「本当に有り難う。君たちが助けてくれなかったら、全員オークジェネラル達に倒されていたよ」


「いえいえ、間に合って良かった。ところで、一人攻撃を受けているみたいだけど大丈夫ですか?」


「ああ、気絶してはいるが大丈夫だと思う」


「ここから地上に帰れますか?何なら一緒に戻りましょうか?」


 リーダーの男の人が悩んでいた。


「申し訳ない。そうして貰えると嬉しいのだがいいのか?そちらは潜っている最中だと思うのだが」


「まあ、攻略を急いでいるわけでも無いですから大丈夫ですよ」


「ありがとう。俺はこのパーティーのリーダーをしているトーマと言う」


「僕はフレイと言います。では、戻るまでよろしくお願いします」


 そうして、トーマがパーティーメンバーの方に行き、話をするとパーティーは安堵した顔をしていた。


「流石に見捨てるのもどうかと思うからね。今日は戻ろうか。とりあえず、協力して解体をしちゃおう」


 協力してオークジェネラル達を解体して地上に向けて出発するのだった。


 地上までは1.2度戦闘があったぐらいで無事に地上へと戻ってきた。スカウトは1階層まで戻ってきたぐらいで意識を回復させていたが流石に体中が痛いらしく戦闘は出来なかった。


 地上に戻ってきてからはお礼に食事でもと言われたがそれを断り家へと帰る。


 食事を取りながら今日の反省点を出していく。


「ご主人の強さが際立っていて連携も何も無かったって事かな。正直、私達っているのかなって思ったくらい」


「私はそれは前から思っていますけどね・・・」


 カルラの言葉にセシリアも頷く。


「魔物によっては相性があるから僕でもすんなり勝てるわけでは無いんだけどね」


「それでも、神剣を使えば負けない気はしますけどね」


「まあ、神剣に頼りすぎるのも良くないとは思っているよ」


「神剣はいざというときと再生魔法を使うときだけにしとくよ。ただ、魔法袋に入れておいても神剣の魔力が回復しないから常に見つけておかないといけないんだけどね」


 4階層ぐらいまでしか行けていないために危険なことも少なかったために反省会はすぐに終わる。


「そういえば、5階層のボスはオークキングだよね。それまでの道中では何が出てくるのかな?」


「5階層の回廊はオークジェネラルが2体とかそれにハイオークが取り巻きで出てきたりするね。普通のオークは出てくることは無くなるね」


「ボスの部屋はどんな感じなのかな?」


「ボスの部屋はオークキングとオークジェネラルが2体後はハイオークが5体出てくるよ。後、先に他のパーティーがいればその扉は開かない。部屋から出る分には出来るみたいだけどね。そのパーティーが次の階層か、まあ逃げるか、その・・・死ぬかしたらその部屋に入れるんだけど、その時には新しいオークキング達が準備しているみたい」


 その言葉に僕は眉をひそめる。


「おかしくない?倒されてすぐにオークキングが現れるなんて」


「そこは聖霊様が用意しているって言われているね。ま、ダンジョンの不思議の1つだよ」


「オークキングは毎回行く度に倒さないと行けないのかな?」


「それは、毎回だね。毎回その階層を降りる度に戦わないと行けないよ」


 それを聞いて少し考える。


「なら、何度もオークキングで練習できるって事だね。数も出てくるから良い練習になるだろうね。よし、明日からは5階層迄行ってオークキングを倒す。で、6階層もちょっと囓ろうかな。それから戻ってまた1階層から五階層迄行ってオークキングを倒そう。体力も付くし良い練習になるよ」


 二人が苦笑いを浮かべる。


(うわ、凄い面倒・・・)


 セシリアは本気で思った。


(良い訓練にはなるとは思うけど面倒だね。まあ、あたいも身体が鈍っているから訓練はしないといけないかな)


 カルラも今日のダンジョンで自分の身体が鈍っているのが分ったのでそれに反対はしないが面倒だなとは思ったのだった。

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