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第55話

 三人でダンジョンに向かう前に家に戻り装備をダンジョン用に切り替える。


 ダンジョンの1階層でゴブリンを相手に連携の確認をする。


「一番前衛をカルラがして僕が遊撃、セシリアが後方から弓などで攻撃とバランスは悪くは無いね。カルラも今までダンジョンに潜っていた経験から安定感があるから安心して任せられるね」


 それにカルラが釈然としないまま言う。


「いや、ご主人が理不尽過ぎないかな。動きが速い上に剣の切れ味が凄すぎて、正直あたいが前で身体を張る意味が無いんですけどね」


「ご主人様って反則ですよね。その神剣のおかげか動きが速すぎて弓での攻撃を迷うんですけど」


 正直に言えばダンジョンに潜ってから戦っているのは僕だけだった。神剣を魔法袋に入れていたら魔力を回復しないことをフォルティナ様に聞いてから身につけているのため普段戦うのにも神剣を使う。そのため神剣効果で身体能力も上がりゴブリンを見つけると誰よりも早く動き出して、しかも簡単に倒してしまうために他の2人の出番は無かった。


「うん、ごめん、そうだよね。連携の練習しないといけないよね。振りにくいけど神剣じゃない剣を使うかな」


 魔法袋からミスリルの剣を取り出して使うことを決める。


「ミ、ミスリルの剣・・・冒険者に取っては憧れの武器じゃん」


 カルラがミスリルの剣を見て羨ましそうに言う。


「僕は神剣以外はこれしか無いから渡せないよ」


「いやいや、流石にあたいがそれを使うのはまだ早いと思うからもっと強くなってからでいいや」


「武器を使うのに早いも遅いもないとは思うけどね。ただ、ミスリルの剣は高いから流石に買えないね」


 中心都市セレティグトにいった際にどれくらいの値段がするのか見てみたが僕の持っているミスリルの剣よりも質が落ちるぐらいの剣で金貨一千枚を越えるのだ。流石にそう簡単に買える物では無かった。僕ぐらいの剣だと1.5倍はしただろう。


「ダンジョンで出るミスリルの剣も余り質が良いとは聞かないよね」


「本当に質が良い物は鍛冶の腕が良いドワーフが作った物になる、だけどそんな物は市場には出ないみたいだけどね」


 カルラが欲しそうに僕のミスリルの剣をチラチラ見ながら言う。


「まあ、僕のは古代文明時代の物だけどね。朝話したダンジョンにあった物だからね。まだ、残ってたと思うけど」


「あたいに死の森は無理だって」


 そんな会話をしながらダンジョンを歩いて行く。1階層は他の冒険者も通過はするために余り魔物も出てこなかったので早々に2階層に行くことに決める。


「2階層はゴブリンだけじゃなくてホブゴブリンやキングゴブリンも出てくるんだ。キングゴブリンは2階層を部下のゴブリンを10体ほど率いて徘徊している。冒険者からは徘徊ボスと言われているな」


 カルラが2階層の階段を降りながら説明してくれる。


「ただ、このキングゴブリンの魔石はそれなりに高値で売れるから小遣い稼ぎに上位のパーティーにしばかれるからいないことも多いんだけどなあ。キングゴブリンは1日に1体しか出ないから出会えないかも知れないよ」


「まあ、会えないのは別にいいや。流石にキングゴブリンのために1日潜るのも勿体ないからね。それならさっさと次の階層にいった方が良いかな」


 結局キングゴブリンには会えず、仕方ないので3階層に降りていく。


「3階層ではオークとハイオークの2種類が出てくるよ。まあ、オークが倒せるならハイオークも倒せるだろうね。ハイオーク1体のオーク2体っていう状態が多いかな。まあ、それぞれ1体で出てくることもあるけどあたい達はそれをはぐれって呼んでたね」


 3階層に下りオークとハイオークを狩っていく。ハイオークとオーク2体の時は僕とカルラがオークを1体ずつ倒しその間にセシリアが弓矢でハイオークを足止めをしてオークを倒した後に僕とカルラで仕留めるという戦いが出来上がっていく。ダンジョンの中にいつまでいるのか分らないためにセシリアには魔法を使わずに足止めをしてもらっていた。


「いやあ、やっぱり楽だね。ご主人が強いのもそうだけどセシリア姉も強いからハイオークを気にしないで戦えるのはありがたいよ」


 カルラが僕とセシリアを褒める。


「私なんてまだまだですけどね。ご主人様からはもっと強くなってもらうからといつも言われています」


「それだけ強ければ10階層ぐらいまでならいけそうだけどね」


「あ、このダンジョンは最後まで攻略する予定でいるから、カルラもそのつもりでいてね」


 カルラとセシリアが話しているところに口を挟む。因みに今はそれぞれオークを解体している最中である。


「このダンジョンを攻略するのかい。それは、きついんじゃ無いのかなぁ」


「ねえカルラ、このダンジョンは15階層迄なんだよね。で、カルラはその15階層に行ったことがあるよね」


「ああ、あるよ。それが?」


「15階層では魔物は何が出てきていたの?」


「15階層ではかなり強い魔物が出てくるね。あたい達が見たのはグリフォンだったね。流石にグリフォンは無理って思って14階層に逃げ帰ったよ」


 その時のことを思い出したのかカルラが大きな身体を震わせる。


「ふーん、他にどんな魔物が出るか聞いたことある?」


「後は、そうだね、2つの頭を持った獣や大きなカバみたいな魔物が出るって聞いたことあるけどね」


「それならツインヘッドビーストやベへモスかな?ベへモスが出てくるならかなりやっかいだね」


「そうなのか、カバっていうから動きが遅いんだろうしグリフォンよりは楽じゃないのかな?」


「何言ってるの!ベへモスは自分を中心に魔法を使えなくする魔法使ってくる上に、その首はめちゃくちゃ早く動いて獲物を捕食するよ!グリフォンではその皮膚ですら傷つけることが出来ずに捕食されるぐらいだよ!」


「お、おう。何でそんな事を知っているのか気になるんだけど」


「ん、別に、ただ死の森でそれを見たからね。それとベへモスは首が早く動くって言ったけど、さらに首は伸びるからね。気をつけないといきなり食べられるからね」


 それにセシリアとカルラが言葉を無くす。


「とりあえず、解体が終わったら行こうか。5階層迄は今日中に行きたいね。5階層迄行ったら今日は引き返すからね」


 セシリアとカルラが頷く。


(ご主人ってそんなベへモスと戦ったことあるのかな。話によると騎士団も何人か罪人を犠牲にしてこのダンジョンを攻略しているらしいけど)


 カルラは考えることをやめて解体に集中する。


 ハイオークとオークの解体を終わらせて4階層へと向かうのだった。

騎士団は定期的にこの聖霊のダンジョンを攻略しています。

そうしないと聖霊の加護が貰えずその聖霊の武具を使用出来る人がいなくなるためです。

現在、聖霊の武具は騎士団の団長が使っています。

そのために攻略しても聖霊の加護ぐらいしか恩恵は無かったり・・・

精霊の加護は、ちょっと身体能力が上がったかな?ぐらいの効果しか無いです。

聖霊の武具はその聖霊のダンジョンで1つしか生み出しません。

騎士団団長は引退するときに次の団長に引き継ぎしていくのでダンジョンに聖霊の武具が戻ってくることはほとんど無いです。

攻略の旨味は無いですが素材や魔石は良いのでダンジョンに行く冒険者は沢山います。

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