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第54話

 起きてきてから朝食を食べる。


「一晩経ってみたけど手足に違和感は無いかな?」


 僕が声をかけるとカルラは慌てたように答える。


「いえ、そ、その大丈夫だ・・・いえ、です」


 それからセシリアが話しかけてくる。


「その、昨日の事ですけど、ご主人様は大地母神フォルティナ様の加護を持っていらっしゃるんですよね?」


「昨日も言ったけど持ってるよ」


「ご主人様はフォルティナ様の使徒なのですか?」


 僕は首をかしげる。


「使徒って何?」


「えと、使徒とは神様の使いという意味です。昔見た書物に神様の使徒を名乗っていた神殿の信者等がいたみたいです」


「そんなのがあるんだね。でも、僕はそんな使徒みたいな者じゃないよ。加護を持っているのはフォルティナ様の神具を持っているからだし、フォルティナ様も自由に生きなさいって言ってたからね」


「フォルティナ様の神具もそうですが、フォルティナ様と話したことがあるんですか?」


「神具を受け取ったときにあるよ。因みに、その時に他の五大神の方達とも話したけどね」


「それって、とても凄いことでは無いですか?」


「そうだね」


 あっさり答える僕にセシリアがあきれる。


「ところで、その神具は何処で手に入るんだ」


 先程まで黙々とご飯を食べていたカルラが話しかけてくる。


「あ、それは私も聞きたいです。私も神具が手に入るなら戦力アップになりますよね」


 セシリアも手に入るなら戦力アップになると思ったのか身体を乗り出して聞いてくる。


「無理じゃ無いかな。場所は死の森の中心にあるダンジョンだよ。出てくる魔物も強いし最後のダンジョンはドラゴンとか出てくるからね」


「えっ・・・」


「死の森・・・」


 セシリアとカルラがそれを聞いて驚く。


「後、そのダンジョンのボスは僕が倒したから強くなっているだろうからね」


「そのダンジョンのボスは倒すたびに強くなるって?そんなダンジョン聞いたこと無い」


「ああ、そのダンジョンは特別なんだよ。ダンジョンのボスは付けられた傷が癒えることは無いんだよ。僕の時にはもうほとんど死に体だったんだよ。だから、僕一人でも倒すことが出来たんだけど、今は新しいボスが傷も無い状態で待ち構えてると思うよ」


「・・・」


「・・・」


 二人は絶句する。


「あの、それで、そんなダンジョンのボスに誰がそこまで傷をつけたんでしょうか?」


「ああ、それは古代文明の人達だよ。三千年以上前の人達だね。実はダンジョンに古代文明の人達の白骨化した死体と魔法袋が沢山あってね。その中に日記があって何があったのか知ったんだよ」


「日記あるんですか。見せてもらっても良いですか?」


「良いよ」


 僕は魔法袋にしまってあった日記をセシリアに見せる。受け取ったセシリアが日記をペラペラと開くが


「これ、読めないですね。昔の言葉なんでしょうか?」


「ああ、読めないのか。それは古代ハイエルフ語だね。昔はそれが普通だったらしいね。僕の生まれた村にあった書物にその古代ハイエルフ語の本などがあって僕は教わったから読めるけどね。そういえば、今の共通語になったのは一千年ぐらい前らしいからね」


「そうなんですね。これって覚えた方が良いですか?」


「今さらそれを覚えたって仕方なくない?別に無理に覚える必要は無いよ」


「ご主人は神具をそのダンジョンを攻略して手に入れたって事で良いのかな?」


「そうだよ。その時にフォルティナ様から直接加護をもらったんだよ」


「だから、ご主人様は聖霊の加護を受けられ無いんですね」


「そうなるね。流石に2つも加護はいらないかな。ご飯を食べたらカルラの装備を買いに行くからね

。そして、昼からはダンジョンに行こうか」


 それに二人が頷きご飯を食べて武器屋に向かう。


「おや、カルラじゃないか。久しぶりだな、最近見なかったから魔物にやられて死んだのかと思ったぜ」


 武器屋の主人がカルラを見てそんな事を言ってくる。カルラはこの町でダンジョンに行っていたので顔見知りらしい。


「おやっさん、久しぶりだね。ちょっと、色々あってね来れなかったんだ。それで、剣を無くしてしまっているからそれを買いに来たんだ」


「ふーん、武器をね。分ったちょっと待ってな。前に買った奴と同じので良いのかい」


「ああ、それでお願い。あ、お金は」


「もちろん僕が払うよ」


「あ、すまないご主人」


 そして、主人が奥から長剣を持って出てくる。


「いつもの魔鉄のロングソードだ。盾の方は良いのかい?」


「盾の方は壊れてないから大丈夫」


「なら、金額は金貨60枚だな。払えるか?」


 僕は頷くと金貨60枚をカウンターに置く。


「また、必要になれば来いよ」


 そして、武器屋を出てダンジョンに向かう。


「そういえば、カルラの戦闘スタイルって?」


「あたいは、長剣と盾持って戦う完全前衛だな。鎧はフルプレートじゃなくてレザーアーマーだけど」


 すると、カルラが持っていた袋から大きな盾を取り出す。


「それって、魔法袋なんだ」


「ああ、このダンジョンの13階層以上に潜ったら極まれに宝箱から出てくるんだよ。あたいの前のパーティーメンバーは全員持ってたよ」


「ああ、それなら結構稼げるね。だから魔鉄の剣なんて使っていたんだ」


「ああ、ただ、あの大暴走で剣を利き腕を食われたときに無くしてしまってたからね。ご主人ありがとうな」


「そこは気にしなくて良いよ。装備を用意するのは僕の役目だと思うからね。じゃあ、ダンジョンで連携の訓練をしようか」


 そして、3人でダンジョンに入って行った。



三千年前の言葉は実際は古代ハイエルフ語では無く古代共通語です。その後、古代文明が滅んでから

各種族で言語が出来ていましたが一千年前にある出来事があり言語が統一されたと言う歴史があったりします。

ハイエルフは長寿なためか古代共通語も伝えていました。普段使っているのは普通の共通語ですが・・・

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