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第51話

 住むための道具を買って、荷物を家に置いてからギルドへと向かう。


「あ、フレイさんお待ちしておりました。こちらが家の借用書になりますのでこちらの方にお名前をお願いします。もし、自分のお名前が書けない場合はこちらで代筆も出来ますよ」


 僕は自分で名前を書いて受け付けのお姉さんに渡す。


「はい、これで、あの家はフレイさんの借家となりました。とりあえず、2ヶ月分は頂きましたので、次の月からはその月の1日か前月までにギルドへお支払いください。そして、こちらが最初の月の日割りして引いた金額になりますのでお受け取りください」


「ありがとうございます。それと、魔石の買い取りもお願いできますか」


 僕は魔法袋からツインヘッドビーストの魔石をカウンターに置く。


「分りました。それでは、確認してきますので少々お待ちください」


 受け付けのお姉さんが奥に入ってから少ししてから受け付けのお姉さんが急いで戻ってきた。


「フレイさん、この魔石って何処で手に入れたんですか?」


「死の森ですよ」


「え!!・・・本当ですか?」


 受け付けのお姉さんがこれでもかと目を見開いて驚いている。


「ええ、本当ですよ」


 後ろではセシリアが僕の言ったことに対して絶句していた。


「やっぱり、これってツインヘッドビーストの魔石ですよね?」


「ええ、そうですね。一応、グリフォンの魔石もありますけどそちらも買い取れますか?」


「え・・・と、確認させて貰っても良いですか?


「はい」


 僕が袋から魔石を取り出し受け付けのお姉さんに渡す。お姉さんがその魔石を大事そうに抱えて奥に入って行く。しばらくして戻ってきたときには放心していた。


「えっと、本物でした。それでは、ツインヘッドビーストの魔石とグリフォンの魔石で金貨500枚になります。あの、オークションには出品されないのですか?」


 僕はお金を受け取って、言われてからオークションの事を思い出した。


「そうですね、しばらくはこの町に滞在しますのでオークションにも出品しようかな。グリフォンの魔石が後1つぐらいしか無いですがこれをオークションに出品して貰えますか?」


「分りました。オークションは王都で3ヶ月に1度開催されていますのでその時に出品させて貰いますね」


 僕はグリフォンの魔石を渡してギルドを出る。


「あ、あの・・・」


 ギルドを出てからセシリアが声をかけてくる。


「どうしたの?」


「ご主人様は死の森に行って事があるのですか?」


「うん、あるよ」


 セシリアが驚いた顔をする。


「そろそろ、お昼だから昼食を食べながらその辺の話も教えてあげるよ」


 食材を露天で買って家に戻る。肉は魔法袋から出して料理をしようとするとセシリアが自分が料理をすると言ったので任せることにした。


 出来た料理を囲みセシリアに何故死の森にいたのかの説明をする。


「まあ、たいしたことは無いんだよ。ただ、親類に捨てられて死の森に捨てられただけなんだよね」


「しかし、普通は死の森に入ったら生き残るだけでも困難だと思いますけど」


「まあ、魔法があったのと後は死の森の中心地にダンジョンがあったことが大きいかな」


「死の森にダンジョンがあるんですか!そんなこと誰も知らないと事ですよ」


「昔の人がその事を後世に残さなかったのが原因じゃないかな」


 僕はセシリアが作ってくれた料理を口に運ぶ。


「あ、これ美味しいね。セシリアって料理出来たんだね」


「そこは母に教わりましたから、ただ、今までは宿暮らしや野営がメインで調理道具が限られていたのでちゃんと料理出来るか不安だったので言い出せなかったのです」


「なら、これからはセシリアに料理は頼むかな。ああ、魔法袋にある肉類は今夜にでも纏めて明日にでも渡すね」


「分りました。・・・それって、グリフォンやドラゴンの肉とかでは無いですか?」


「そうだよ。普通に料理に使えば良いからね。珍味として売るとしてもどこから取ってきたのか言われると面倒事が増えそうだからしたくないしね。まあ、ただの美味しいお肉と思って料理してよ」


「分りました。そうじゃなくてですね、死の森の事なんですけど、ご主人様は死の森でどうやって生き残ったのですか?」


「死の森のダンジョンって入ったところが安全地帯になっていてね。そこに昔の人が置いていった武器やら調味料やらがあったし、野草で食べられる物は知っていたから生き残るのはたいしたことは無かったね。流石に森の魔物は強かったから訓練と戦うのも1対1を心がけてたから何とかなったね」


 死の森での事は話したがダンジョンをその時に攻略までしたことは言わなかった。


 それから、2人して黙々と食事を取る。食事を終えて食後のコーヒーを飲んでいる途中にセシリアが思い出したように聞いてくる。


「そういえば、新しい奴隷を買われるんですよね」


「そうだね。この後にでも見に行ってみようか」


「あの、女性の奴隷ですか?」


 セシリアが不安そうに聞いてくる。


「どうだろうな。ダンジョンに詳しい人が良いかな。だから、性別はどっちでも良いけどね。ただ、女性の方が良いかな」


 セシリアを見つつ僕は言う。セシリアは何処か不満そうではあるが食器の片付けをするために席を立つ。


(まあ、男よりは女性の方が良いよね。セシリアは綺麗だから間違いを起こされたら困るからね)


 片付けを終わった後に二人で奴隷商へと向かうのだった。

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