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第5話

 丘まで後少しのところまで来た。これまでに出てきたのはグリフォンや蛇、大きなカバぐらいだった。ボアは崖の近くに住んでいたときぐらいしか見ていない。森の中心部にはボアはいないみたいだった。


森の中心部に近づいていく。そこで、大きいトカゲを見つけた。全長は五十メートルぐらいはあるだろう

。大きいカバよりも大きく、これで翼でもあればドラゴンと呼べるだろう。僕がトカゲを見つけたとき食事中だった。食べているのは山羊っぽい何か。


(山羊にしては大きくない? と言うか、山羊の頭と何かもう一つ頭がついてるような形なんですど)


 山羊の頭にはもう一つ頭が着いていたような後がある。もしかしたらすでに食べられた後なのかもしれない。


 僕はゆっくりとその場を離れていき、遠回りで中心部を目指していく。その後は、何にも会わずに中心部の丘が見える位置にたどり着いた。そこで見たのは大きな扉だった。大きな洞窟に扉が付いている。僕は周りに何もいないのを確認して扉へと近づいていく。


 扉にはすんなりとたどり着いた。番人みたいな魔物はいないらしい。そして、扉を開ける。扉はそれ程力を入れなくても開けることが出来た。


 洞窟の中に入る。


 そこで、景色が変わる。そこの通路は洞窟のような物ではなく、建物の通路のような大理石の壁が続いていた。そして、入ってすぐ多数の人骨が落ちている。二,三十人分ぐらいはあるだろうかそれだけの人が過去にここで無くなっているのだ。


(何か手がかりになりそうな物はないだろうか)


 人骨の周辺には何故か袋だけが転がっている。


(明らかに不自然だよね。服とかは切れ端ぐらいしか残っていないのに袋はきれいなままで残っているなんて) 


そして、袋を開けて中を覗いてみる。しかし、その中は暗く中を覗くことは出来なかった。


(これって魔法袋じゃない。大昔のマジックアイテムで今は存在しないって言われてるのに)


 袋の中に手を入れてみる。そうすると頭の中に袋に入っている物の情報が流れ込んできた。何故、そうなるのか分からないが昔の人はすごい物を作っていたらしい。


 そして、肝心の中身だが本が数冊と後はミスリルで作られた武器が少しだけあった。本の中に日記があったので申し訳ないという思いと何故ここに人骨があるかの秘密を知るために見てみることにした。

 

 日記の人物はどうやら武器屋の人らしいそして年代が書かれていた。それによるとこれを書いた人は三千六百年前の人みたいだ。三千六百年前と言えば古代文明の時代だ。その時代は今の時代より魔法が発達した時代で三千五百年前ぐらいに一番栄えていた都が滅びて衰えたと言われている。


 その日記によるとこの洞窟は『神の試練のダンジョン』と言われているらしい。そして、このダンジョンを攻略すると神の力が手に入ると言われていた。


 では、何故その神の力を手に入れようとしたのかというと、その時の王が四人の王子達にこの『神の試練のダンジョン』を攻略し、神の力を手に入れた物に王位を譲ると言ってしまったためである。四人の王子はそれを聞きこのダンジョンに挑戦したのだ。


 このダンジョンやその周りの死の森では良質な魔物の魔石や素材が取れる事から王子は大勢の冒険者や兵を連れてそのダンジョンに向かったのだ。そんな王子や冒険者、兵を相手に商売するために商人達も自ら護衛を連れてダンジョンに向かったのだ。日記の所有者もその時やって来た商人らしい。


 魔法が発達していた古代文明の人達にとってもここは危険な所だったらしい。ダンジョンに着くまではとても慎重に行動していてたどり着くまでに3ヶ月もの日数をかけていた。


 ダンジョンの入り口のフロアは魔物が出てこない安全地帯らしい。そのためこの場所で日記の所有者は商売をしていたのだ。そして、護衛と一緒にこの場所で王子達がこのダンジョンのボスを倒すのを待っていた。


 状況が変わったのはこのダンジョンに到着してから半年が経とうとしたときだ。最初の二ヶ月でボスまでの部屋まではたどり着いていたみたいである。その後にダンジョンのボスに挑戦しているが四ヶ月経っても倒せなかったのだ。後少しと言うところで王子達の兵や冒険者はほぼ全滅、それを報告してきた冒険者はあと少しで倒せると商人達の護衛を連れてダンジョンのボスの所に行ってしまった。護衛もどうやら倒したときに得られる神の力が欲しかったらしく商人達が止めるのを聞かずに向かってしまった。そして、護衛も冒険者も帰ってこず、残されたのは戦えない商人達だけだった。


 商人達では死の森を抜けて都市まで帰れない。商人達は途方に暮れてしまう。これまでは護衛達が魔物や動物を狩ってきたため食料には困らなかった。物資が不足してきても護衛と一緒なら都市までは帰ることが出来た。しかし、護衛達はダンジョンのボスの所に行き帰ってこない。


 残った商人達の中で数人は都市に何とか帰ろうとして出て行った。誰か都市にたどり着けば迎えが来るだろうと思われたが結局一ヶ月経っても誰も来なかった。そして、また一人また一人と人が死んでいく。日記を書いた商人も死を覚悟したのか最後の方は家族に対しての謝罪が書かれていた。


(まあ、そんな状況じゃあ誰も助からないよね。進んでも戻っても死ぬならどうしようもない。さて、僕もこのままじゃ危険なので申し訳ないけど商人達の荷物を少し分けてもらいますか)


 そして、商人達が残していた魔法袋を漁っていく。商人達の魔法袋からはミスリルの剣とナイフ、後は着れそうな服(どうやら魔法袋の中では時間の流れが極端に遅いか停まっているかしているらしい)、そして、塩や砂糖、胡椒などの調味料をもらって行く。ついでに魔法袋もいくつか貰って行く。他にもミスリルの槍や斧もあったがそれらは何となく使いにくそうだったのでそちらは置いていった。


(でも、このままダンジョンの奥に行ってもダンジョンのボスには勝てないよね。とりあえず、森で剣の修行かな~)


 そして、また森へと戻って行く。

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