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第44話

 ギルドを出て出ていた屋台でお昼ご飯を食べてから服飾店へと向かった。


「いらっしゃいませ。本日はどういった服をお望みですか?当店は全て手作りのためにお値段が高いですが、きっとお客様が満足されると思いますよ」


 僕はセシリアにフードを取るように言う。


「すいません、彼女の服と下着類を数点買いたいんですが」


「あらあら、まあまあ、綺麗なお嬢さんね。しかも、エルフなんて珍しい。分かりました。彼女に似合う服を選ばせて頂きます。因みに、予算的にはいくらぐらいまでなら大丈夫ですか?」


「そうですね。金貨100枚ぐらい迄でお願いします」


 セシリアが目を見開いて驚いていた。


「それだけご予算があるのでしたらきっと満足していただけると思います。それでは、彼女を借りて行ってもよろしいですか?お客様はあちらの壁の近くにあるテーブルでお待ちください。すぐに飲み物をお持ちいたします」


 セシリアと店員が奥に入って行ったのを見て僕は言われたテーブルの椅子に座り、待っていると先程と違う女性が紅茶を持って来た。


「しばらくかかると思いますのでゆっくりお待ちください。こういう服を選ぶ女性は時間が掛かることが多いですから」


 そう言って、紅茶を置いて奥に入って行った。


 それから、()()()程待ってやっとセシリアと最初に応対してくれた女性がやって来た。


「ずいぶん長くお待たせしました。色々と選んで頂きました。そこで、お値段的には金貨80枚になりますが大丈夫ですか?」


 セシリアが後ろで申し訳なさそうにしている。


「ええ、構いませんよ。ありがとうございます」


 そうして、僕はお金を払って店を出る。


「あの、ご主人様ありがとうございます」


「服は数着は無いとこの先つらいからね。ちゃんと動きやすい服も買った?」


「は、はい、動きやすさを基準に選んで頂きました」


「なら、良いよ。なら、次は武器屋に行こうか。といっても矢の補充をするぐらいだけど」


 そうして、武器屋で訓練や狩りで消費した矢を補充して宿に戻る。


 夕食まで魔法の講義をする。


「確かセシリアは水魔法は普段から使っていたんだよね?」


「いえ、普段からは使っていないです。いざというときに使えないと困るというので時々使っていました。といっても、水を生み出すだけでしたけど」


「《水魔法ウォーター》かな?これって、本当に水を生み出すだけだったよね?」


「えっと、はい、そうです。私が使っていたのはそれだけですね」


 セシリアが申し訳なそうに言う。


「氷は作れる?」


「氷ですか?あ、はいそれは大丈夫です」


「ならこれに氷を出して」


 僕は魔法袋からスープに使うお椀を出して言う。


「《水魔法アイスメイク》」


 セシリアが魔法を唱えると小さな氷の塊が数個現れる。


「次は数を出すのじゃ無くて一つだけ出して、大きさはその氷の塊の3倍ぐらいでお願い」


「わかりました。《水魔法アイスメイク》」


 今後は先程のより大きい塊が一つ現れる。僕は頷くと一つ注文をする。


「次に氷を薄く作って、大きさはさっきの塊と同じくらいで」


 セシリアが額の汗を拭い言われたとおりに作ろうとする。


 しかし、出来た氷は平べったいスライスされたような氷だった。


「ねえ、どんなイメージをして氷を作ったの?」


「一応、イメージ的には水の上に張った氷をイメージしてみました」


「そっかあ、イメージが違ったか。次は氷にナイフのイメージを持って作ってみて」


「ナイフですか?分かりました」


 そうして出来た氷は正しくナイフだった。


 僕はその出来た氷のナイフを持ってみる。柄まで氷で出来たナイフだ。アイスメイクで出来た氷は自分の意思で自由自在に動かすことが出来ない。本当に氷を生み出すだけの魔法だからである。しかし、生み出したらそれはもう魔法では無く物として持つことも出来ればそれを持って武器にすることも出来る。


「まあ、こんな物かな。後は遠くの位置で氷を使えるようになれば良いんだけどね。これも、イメージが強くないと魔力をかなり使うからなー、要練習だね」


「あ、あの、これも魔力操作の練習ですか?」


「ん、それもあるけど戦える戦法の一つを教えておこうかと思ってね。僕はアイスメイクでグリフォンを倒したからね」


「ただのアイスメイクでグリフォンは普通無理です。他の魔物でも無理だと思いますけど」


 セシリアがそんなことは無理だと抗議をする。


「それは使い方を知らないせいだね。アイスメイクで生み出した氷は触れるんだよ。君が今作ったこの氷のナイフでだって倒せる。無理だって最初から決めつけたら駄目だよ。使い方とそのイメージがちゃんと出来れば君にだって魔物を倒せるさ」


 僕がそう言っても何処か納得出来ないような顔をしていた。


「よし、なら明日は出発する予定だったけどそれはやめよう。この町のギルドで討伐依頼を受けよう。君に一度僕のアイスメイクでの戦い方を見せてあげるよ。そしたら、イメージもしやすいだろうからね」


「分かりました」


「何かまだ納得出来ないようだけど僕の戦いを見れば自分でも出来るかもって思うよ。何も難しいことをするわけじゃ無いからね。さて、じゃあ、夕食を食べに食堂に行こうか」


「はい・・・」


 そして、夕食を取ってから明日に備えて少し訓練をしてから休むことにした。

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