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第43話

 セシリアが板に開けられるようになってから1日訓練するためにボアの狩りを二人でこなした。


 明日の朝には泉の所を出発することを言ったその日の夜にセシリアが疑問に持っていたことを聞いてくる。


「どうして、ご主人様はエルフでも無いのに魔力量が私より多いのですか? 普通、人族とエルフ族の混血でもそこまで魔力が多くなることは無かったと思いますけど」


「まあ、別に隠している事では無いけど、聞きたいの?」


「言いたくなければ聞きません。ただ、不思議に思ったので聞いてみたのです」


 僕は少し考えたがセシリアなら別にいいかと話すことにした。


「誰にも言わないでね」


 セシリアが黙って頷く。


「まあ、単純なんだけどね。僕の母親はハイエルフだからだよ。僕は人族とハイエルフの混血だから」


 セシリアが目を見開いて驚く。


「ハイエルフの方はまだ存在していたのですか?すでに全滅していると思っていましたが」


「ハイエルフは排他的だからね。僕の父親の事とかは知らないから話せないからね。まあ、だから魔力量は多いよ。使い方も叔父さんに教わったからね。それなりに使えるよ」


 実はフレイは気づいていないことだが試練のダンジョンで創造神ソルテール様の加護が与えられた。その効果は魔力量が少し増えるというものだったが、神にとっては少しだがフレイの魔力は元々持っていた魔力量の2倍になっていた。そのため、すでにフレイの魔力はハイエルフですら超えていたのである。


「そうだったのですね。ハイエルフの方は魔法が得意と聞きますので、そのハイエルフの方に習ったからご主人様は魔法が得意なのですね」


「セシリアも同じくらいにはなって貰うつもりだけどね。魔力量はどうしようも無いとしても魔力の操作は訓練次第だからこれからも寝る前には訓練だからね」


「分かりました。私に何処まで出来るのか分かりませんが頑張ります」


「明日はここを出発してゼイル侯爵領を目指すからね。その間は歩いて行くから、体力も付けないといけないからね」


 そして、食事をして魔法の訓練をして早めに睡眠を取る。


 朝、目を覚まして食事を取ってからテントを片づけて出発する。森の中を通って荷車の置いていたところに戻ったが荷車は無かった。誰かが持っていったのだろう。


「あの、荷車が無くなっているのですがよろしかったのですか?」


「ん、まあ、2,3日放置してたから仕方無いよ。荷物は魔法袋に入れられるから必要も無かったしね」


「ご主人様が良いのなら構わないのです」


 そして、二人で街道を歩いて行き一つの町についた。僕は冒険者証を門番の人に見せる。


「冒険者か、そっちも冒険者なのか? 身分証は持っているか?」


「ああ、こっちの子は僕の奴隷です。奴隷も身分証必要でしたっけ?」


「奴隷か、なら身分証は主人である君だけで良い。だが、もし奴隷が問題を起こしたらそれは主人である君の責任だからな。気をつけろよ」


「分かりました」


 僕とセシリアは町の中に入っていく。


「この町で一泊だけするから宿に向かおう」


 セシリアは黙って僕の後ろをついてくる。セシリアはフード付きのマントで全身をすっぽりと覆い顔を余り見せないようにしていた。


「いらっしゃい、泊まりかい?それとも食事かい?」


 宿屋兼食堂をしている女将が聞いてくる。


「1泊お願いします。部屋は二人部屋でお願いします」


「あいよ、なら夕食付きで大銀貨2枚だよ」


 僕は大銀貨2枚を渡す。


「これが部屋の鍵だよ。夕食は日が落ちてから取りに来るか食堂で食べなよ。はい、これが食事券だよ。夕食を食べるときにこれを出したら交換するからね」


「ありがとうございます。よし、じゃあ行こう」


 荷物を置いてベットに座りセシリアに話しかける。


「じゃあ、これから冒険者ギルドに行って魔石の換金してこようか。それから、君の服を買いに行こうか。流石に同じ服をずっと着るわけには行かないからね」


 セシリアが頷く。町に入ってからどうも落ち着いていなかった。


「何か気になることでもあるの?宿に来るまでにも周りを見てたみたいだけど?」


「あ、その、私は今まで生まれた村で生活した事しかありません。町を歩いたことが無かったので珍しくて、つい……。ご主人様と出会ったあの町でも私は子爵の屋敷から出たことが無かったので……」


「ああ、なるほど、珍しかったのか。見て回るのも良いかもね。この町に着いたのが昼前でまだ昼食を取ってないから何処かで食べようか。で、その後買い物ついでに見て回ろう。ま、それもギルドに行ってからだけどね」


「はい」


 そして、冒険者ギルドへと向かった。ギルドは昼前のためか人がいなかった。僕は空いているカウンターに行く。


「ようこそ冒険者ギルドへ本日はどういったご用件になりますか?」


「魔石の買い取りをお願いしたいのですけど、グリフォンの魔石って買い取り出来ますか?」


「え、グリフォンの魔石ですか? え、本物ですか? ちょっと、待ってもらっても良いですかね。魔石鑑定板を持ってきますので」


 僕が黙って頷くと、受け付けのお姉さんがカウンターの奥に入っていく。魔石鑑定板とは古代文明時代に作られた物で魔石がどの魔物から取れた物なのか分かる魔法アイテムである。一応、錬金術大全に作り方が載っているので今も作る事は出来る。


「お待たせしました」


 受け付けのお姉さんが持ってきた板の窪みに死の森で取れたグリフォンの魔石を置く。最近は魔物を狩っていないので残っている魔石が死の森で取れた物しか無いのだ。


「ま、間違いありません。グリフォンの魔石になります。あの、これを売られるのですか?オークションに出された方が良いと思いますけど」


「オークションはこの町で開催しているのですか?」


「オークションは王都と自由都市マルンぐらいでしか開催されていないですね。一応、ギルドが代行してオークションに出品は出来ます。手数料は頂く事になりますけども、いかがされますか?」


「今すぐお金が欲しいのでギルドで買い取りお願いできますか?」


「分かりました。少々お待ちいただけますか? ギルド長に確認を取ってまいりますので」


 そして、受け付けのお姉さんが奥に入って行った。そして、待つこと5分程してお姉さんが戻ってきた。


「大変長らくお待たせしました。こちらの方は申し訳ないのですが当ギルドで買い取る場合は金貨300枚での買い取りになってしまいますがよろしいですか?」


「それって、安いのですか?」


「オークションに出品すれば手数料を差し引いても金貨500枚ぐらいになると思います。ですが、ギルドで買い取る場合はグリフォンの魔石は金貨300枚ぐらいが普通らしいです。ただ、基本的に皆さんオークションに出品されてしまいますのでギルドに買い取りをお願いする人っていないんですよね」


「なるほど、では、その値段で良いので買い取りの方をお願いできますか?」


 僕としてはお金がすぐにでも欲しかったので迷わずギルドでの買い取りをお願いする。


「ありがとうございます。それでは、すぐにお金をお持ちいたしますので少々お待ちください」


 そうして、僕は受け付けのお姉さんからお金を受け取ってギルドを後にした。

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