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第41話

 朝起きて朝食を取ってからセシリアの実力を見ることにする。


「まずは戦い方で出来ることは何がある?」


 僕の質問に彼女が少し考える。


「えっと、弓なら倣いました。エルフなら使えないと駄目だと父に言われましたので、後は水魔法と火魔法は使えます。そのほかの魔法は必要では無かったので教えては貰っていません」


「エルフの場合は全ての属性の魔法は使えるのに教えて貰ったのがその2種類なのは生活に使うことがあるからなの?」


「は、はい、水と火は生活には必要でしたから」


 僕は少し考える。火魔法があれば攻撃にも使える。水魔法は氷が作れれば物理攻撃にも使えて攻撃にも使える。ただ、風魔法があれば魔物がいる場所を把握出来るし、地魔法はとっさの壁などを作るのにも役に立つ使えれば戦略の幅も広がる物だ。僕がよく使うストレングスアップは地魔法になるのでこれも魔物との戦闘には役に立つ光魔法は傷を治すのに役に立つしとっさの目くらましをすることも出来る。


「これからは魔物との戦いもして貰うし、一緒にダンジョンに行って貰うつもりだから他の属性の魔法も教えるから頑張って使いこなせるようになってね。エルフだから使えるだろうけど出来れば使いこなせる所まで行って欲しい」


「わ、分かりました。まだ、一度も魔物と戦ったこともないので出来るかは分からないですが頑張ります。しかし、ご主人様は凄いですね。普通人はそんなに沢山の属性魔法は使えないはずだと聞いていたのですけど」


 そう、本来人は魔法を使える種族では無かったらしい。しかし、エルフやドワーフといった他種族との子供が出来ればその子供は人として生まれたとしても魔法を使えるのだ。人で魔法が使える者がいるのはエルフやドワーフの血を少なからず引いているからである。ちなみに、僕の場合はエルフより魔法が使うのが上手いハイエルフとの子供であるために全ての属性の魔法が使えるのである。


「まあ、その辺は今度話すよ。とりあえず、弓矢はあるから君の実力を少し見せてね。まずはちょっと、森の中に入ってボアでも狩ってみよう。まあ、ゴブリンでもいればそっちでもいいや」


 僕は魔法袋から弓矢を彼女に渡す。


「その袋って魔法袋ですよね?そんな物まで持っているなんて本当にご主人様って何者なんですか?」


「ん?ただの冒険者だけど、この魔法袋はあるダンジョンで見つけた物だし。ああ、数があるからいずれは渡すから」


「はぁ、ありがとうございます」


(ご主人様って本当に何者なんだろう。私ついて行けるのかな?)


 セシリアが弓矢を受け取り弦の張り具合を確認する。


 そして、二人で森の奥へと入っていく。


 森に入って30分程して僕は停まるようにセシリアに合図する。それに彼女も停まり僕の側に近寄ってくる。木陰からそっと覗くとボアが1匹で草を食べていた。


「じゃあ、あのボアを一人で仕留めてみて、危なくなったら一応行くけど当てにしないように」


 セシリアが緊張したように頷く。


 セシリアが木に隠れながら近づいていく、そして、十分と思ったのか木から出て弓を引き絞って矢を放つ。矢はボアの肩に当たった。ボアは悲鳴を上げるがまだまだ元気そうだ。そして、彼女の方を見て突進するために地面を蹴り始めた。慌てて矢を番えて放つが矢はボアを外れて後ろの木に当たる。それに突進の準備が出来たボアが突進してくる。慌てて木の裏に隠れる。ボアはそのまま大きな木にぶつかったが頭を少し振りあたりを見渡す。


 セシリアは木の上に急いで登り木の上からボアに向けて矢を放つ。いくつか矢を放ちその中の一つが上を向いていたボアの目に当たりその矢がそのまま脳に達したのかボアがゆっくりと倒れていった。


 ボアが起きてこないことを確認し、安心したように目を閉じて肩で大きく呼吸していた。


 僕はボアに近づいて木にぶら下げて血抜きをする。セシリアが木からゆっくりと降りてきた。


「手際が悪くてすいません」


「ん、まあ、それは構わないけどね。ところで、魔法は使わなかったけどどうして?」


「魔法も使って良かったのですか?」


「僕は一人で仕留めてみてとは言ったけど、別に魔法の使用の事は言わなかったと思うけど・・・」


「そういえば、言っていませんでした・・・すいません」


「さて、じゃあ解体しようか。解体の仕方は分かる?」


「すいません、一度も狩り等に参加したことないので解体の仕方は分からないです」


「よし、なら一緒にやろうか。これは生きていく上でも必要だから覚えてね」


 そうして、血抜きしたボアを手順を教えながら解体していく。途中、気分が悪くなっていたようだがこれには流石に慣れて貰わないといけないので頑張って貰う。


 解体が終わった頃には彼女の顔は真っ青になっていた。流石にこの状態ではボアも狩るのも解体するのも難しいだろうと思い泉の所に戻ることにした。


(森で生きていく上で獲物解体とか必要だと思うんだけどその辺はどうしてたんだろう。狩りや解体は男の仕事として決められていたのかな)


 狩りも解体もしたことがなさそうな彼女見てそんなことを思いながら泉の所に戻り、早速狩ったボアを調理する。


(昼からは弓矢の練習もしないといけないかな。後は魔法の練習もか、教えなきゃいけないことが多そうだな)


 僕は自分の狩ったボアを調理している彼女を見ながらこれからの訓練をどうしようかと思案するのだった。

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