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第27話

 アンソニーさんとザイルの町に向けて出発する。何故かアンソニーさんの顔は暗かった。それは、僕が冒険者となってもう帰ってこないことを分かっているからと勝手に解釈してい一緒に歩いて行く。


 ザイルの町にはいつも通り二日ほどで着いた。そうして、代官所で税を納めていると知らないおじさんが声をかけてきた。


「その者がフレイという者かオークを一人で狩れるらしいな」


 いきなり、声をかけられて戸惑っていると


「ああ、すまんな。私はこの町の代官のドルグという。これから、冒険者になるという話を聞いた。これからも、民のためにも冒険者業を頑張って貰いたい。それではな」


 そう言って、奥へと下がっていった。


「あ、はい、頑張ります」


 僕は急いで頭を下げてそう言う。


 その隣でアンソニーさんが難しい顔をしている。


(フレイに問答するという話じゃなかったのか? いや、あれは領主様が直々にされるという話だったか。代官様の言葉は激励しているみたいだったが)


「アンソニーさん、終わりましたよ。宿に行きませんか?」


「えっ、ああ、そうだな。宿に向かおうか」


 僕が声をかけると驚いていた。何か考え事があったらしい。


 そして、宿に行ってから冒険者ギルドに向かう。オーク等の魔石を売るのと冒険者登録をするために。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドにようこそ本日はどういったご用件でしょうか?」


 受け付けのお姉さんが笑顔で対応してくれる。僕とアンソニーさんが魔石の売買をして本題に入る。


「冒険者登録をお願いしたいんですが」


「はい、かしこまりました。それでは、こちらの書類にお名前と年齢を記入して貰いたいんですが文字は書けますか?書けなければ代筆もいたしますよ」


 この世界では識字率は半分もないので代筆も多いのだろう。僕は生まれた村で叔父に文字を教わっていたので書くことは問題なかった。


「大丈夫です。自分で書けます」


「では、こちらにお名前と年齢をお願いします」


 そう言われて書類に名前と年齢を書いていく。


「では、フレイさんですね。年齢は15歳とそれでは、冒険者ギルド証を作ってきますのでしばらくお待ちください。すぐに出来ますので」


 そうして、受け付けのお姉さんが奥へと入っていく。


「フレイさんお待たせしました。こちらのプレートが冒険者ギルド証になります。こちらは全国共通のギルド証になりますので何処の町でも入るのにお金を払う必要も無くなりますし。他の国に行くのにも確かな身分証となりますので忘れずにお持ちくださいね」


 そうして、受け付けのお姉さんから銀色のプレートを受け取る。


「それから、冒険者ギルドのランク分けの説明をしますね。最初はFランクから始まり、一定の功績が認められればランクが上がっていきます。ただし、Cランクからは功績に加えて試験もあります。ランクが無ければ受けられない依頼もあります。最初のFランクの時は討伐依頼などは受けられず町の中での依頼か町の近くでの薬草採取等くらいしかありません。ですが、フレイさんはすでにオークの魔石等を売られたりと実績がありますので最初からDランク相当と認められました。なので、フレイさんはDランクからスタートになります。ただ、Cランクへはまだ功績が十分ではないため試験はまだ受けることは出来ませんのでそこはご了承ください。それでは、何か質問等はありますか?」


「今のところは特にありません」


「そうですか、それでは何か分からないことなどがありましたらいつでも聞いてくださいね」


「分かりました。ありがとうございます」


 そうして、僕は頭を下げて冒険者ギルドを後にして、宿に戻った。冒険者登録をしているときに村の買い物をしていたアンソニーさんはすでに宿に戻ってきていた。


「おお、戻ってきたか。どうだ、無事に冒険者になれたか?」


「はい、無事に冒険者ギルドに登録出来ました」


「まあ、冒険者は誰でもなれるらしいからな。危険な仕事も多いから亡くなる奴も多いらしいしな。まあ、フレイは強いから大丈夫だとは思うがな」


「まあ、それでもどうなるか分かりません。とりあえず、僕は明日にでもどんな依頼があるか見てきます」


「そうか、儂は明日には村に向けて帰るからな。それにしても、たった2年程だったが寂しくなるな。フレイには助けられてばかりだったかな」


 アンソニーさんがしみじみと言う。


「そうですね。でも、たまには村に行くようにはしますよ」


「ああ、たまには顔を見せてくれよな。よし、ならご飯でも食べに行こうか」


「はい!」


 そうして、アンソニーさんと一緒にご飯を食べて部屋で眠りにつくのだった。


 ドルグ代官は執務室にある椅子に腰掛けて考えていた。


「ベルン伯爵の到着は明日か。フレイとやらの監視はさせているから大丈夫だとは思うが、もし明日にでも町を出て行くとなるとすれ違いになるかもしれんな。何とか到着するまでは引き留めておきたいものだが・・・」


 ドルグ代官は椅子に深く座り深く思考する。


冒険者ギルドのランクはF、E、D、C、B、A、S、SSとなっています。FEランクは銅のプレート、DCは銀のプレート、BAは金のプレートとなり、S、SSは虹色のプレートとなっています。


FからEへはゴブリンが倒せればなれます。

EからDはオークが倒せればなれます。


オークの魔石を一定数売ったためにフレイはDランクスタートとなりました。

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