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第22話

 この町に来たときはいつも利用しているという宿に入る。声の大きいおばちゃんが声をかけてきた。


「毎度、泊まりかい?」


「ああ、1泊だけ泊まれるかい。部屋は一緒でいいから」


「あいよ。部屋は三階の303号室を使ってね。水なら裏手にある井戸から自分で汲んできてね。食事はどうするんだい」


「ああ、食事は夜と明日の朝の分をお願いするよ」


「あいよ。なら一泊銀貨10枚で食事は夜と朝とで二人分で銀貨6枚になるよ」


「ああ、ならこれで頼む」


 そう言って、アンソニーさんが銀貨16枚をカウンターの上に置く。


 ここで、貨幣について、基本的に貨幣は銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白金貨、純金貨とある。銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で大銀貨1枚、大銀貨10枚で金貨1枚、金貨10枚で大金貨1枚、大金貨10枚で白金貨1枚、白金貨10枚で純金貨1枚となる。


 そして、僕とアンソニーさんが部屋に入ってからこれからのことを話す。


「さて、とりあえず、税は納めたのでこれから持ってきたボアの肉やゴブリンの魔石、後はオークの魔石だったかな。それらを売りに行こうか。ああ、それと荷車を先に仕入れないとな。ボアの肉等が売りにくいな」


「そうですね。では、最初は魔石を売りに行きますか?」


「うむ、そうだな」


 そうして、僕とアンソニーさんが冒険者ギルドに向かう。どうやら、魔石に関しては冒険者ギルドが一手に買い取りを行っているようだった。


 僕とアンソニーさんが冒険者ギルドの扉を開ける。中は酒場のようになっていて沢山のテーブルと椅子が並べられていた。その中は数人の冒険者らしき人がいるぐらいだった。


「これが朝とか夕方になると沢山の冒険者であふれるからな。今の時間が一番混んでいなくていい」


 そう言って、アンソニーさんが僕を連れて受付の所に行く。


「ようこそ、冒険者ギルドへ本日は仕事の斡旋ですか? それとも、魔石の買い取りになりますか?」


 受付のお姉さんが笑顔で対応してくれる。


「魔石の買い取りをお願いしたい。ゴブリンの魔石を三十個と……お~い、フレイお前のも売るんだろう?」


「あ、はい、オークの魔石を3つお願いします」


 周りを見ていた僕は慌ててオークの魔石を取り出す。


「これは、凄いですね。ゴブリンの魔石だけでは無くてオークの魔石もですか?」


「ああ、このフレイが一人で倒したんだよ」


 アンソニーさんの言葉に受付のお姉さんが驚く。


「その子が倒したんですか? オークを倒せるなら冒険者としても活動できますよ」


「この子は冒険者になりたいそうなんだ。ただ、まだ13歳だからなれないけどな」


 僕は何か恥ずかしくて顔を伏せる。


「そうなんですね。では、15歳になるのが楽しみですね。その年齢でオークを倒せるなら将来が期待できます」


「しかも、この子は魔法も使えるからな~」


 アンソニーさんが誇らしげに言う。


「魔法まで使えるんですか? そこまで有望なら冒険者に是非なって貰いたいですね。魔法まで使えるとなると貴族の方が高い報酬を出して自分の私兵にするというのもありますから」


 受付のお姉さんの顔が曇る。どうやら、貴族は優秀な人を高いお金を払って雇っているらしい。


「え~と、僕は冒険者にしかなりませんから大丈夫ですよ」


 それを聞き受付のお姉さんの顔が明るくなる。


「本当ですか。では、フレイ君でしたね。15歳になったら是非この町で冒険者登録をお願いしますね」

 

 それから、魔石を売り僕とアンソニーさんは荷車を買い。それにボアの肉をのせて肉を取り扱う商店に売りに行った。


「ほう、これは鮮度がいいですな。これなら、全部で銀貨、いや、金貨1枚にはなりますよ」


「そんなになるのか。なら、大銀貨10枚でもらえないかな」


「かしこまりました。では、こちらの方が代金となります。どうしても運搬中に鮮度が落ちてしまいますからな。また、これぐらいの鮮度でしたら同じ値段を出させて頂きますよ」


 そうして、大銀貨10枚を受け取り店を出る。


「いや~、予想以上の金になったな。魔法袋のおかげだな。よし、今日はここまでにして、明日塩等を買って村に帰るか」


「分かりました」


 そうして、僕とアンソニーさんは宿に戻り、夕飯を食べると早々に部屋へと戻り眠りにつくのだった。



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