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第20話

 村に帰って来て早速ボアを解体する。ボアは皮と肉が税の対象になっているので骨は細かく砕いてから村から少し離れたところにある骨置き場に置いておく事になっていた。内臓は綺麗に処理をすれば焼いて食べられるが基本的に村から離れたところで土を掘ってその中に捨てることになっていた。


僕が取ったボアは三匹でそれを解体し不要な物は捨て場へと持っていく。


「おや、フレイちゃんじゃ無いのかい。あんたも今日から狩りに出たのかい?」


 ステラおばさんが不要な物を捨てに行く僕を見て声をかけてくる。


「はい、今日からアンソニーと一緒にボア狩りに行ってきました」


「おや、まあ、それはお疲れ様でねえ。そういえば、フレイちゃんは何歳なんだい?」


「僕は今度13歳になります。僕の村では10歳で一人の大人とされて親と一緒に仕事をしていました」


 ステラおばさんが驚いていたように


「そんな村があるんだね。でも、この国じゃあ、15歳からが大人と決まっているんだよ。フレイちゃんはこの先どうするんだい」


「僕は冒険者になってダンジョンに行きたいんですよ。僕の父が冒険者だったので」


「あらま、でも、冒険者登録は町に行ってギルドに登録しないといけないし、この国だと15歳になるまでは登録も出来ないしねえ」


「そうなんですね。村長には二年ほど滞在させてもらえる用には言いましたので15歳になったら町に出て冒険者登録をしたいと思います。それでは、ボアの骨等を捨ててこないと行けませんので、失礼します」


(危なかったなあ、もう。まさか15歳にならないと冒険者登録も出来ないとは、村長に二年ぐらいいさせて欲しいと言ったのは正解だった)


 そんな心の中の事は表に出さずにステラおばさんに頭を下げて村の外に出て行く。


 村の外では畑仕事をしている村人が見える。この村では村の外で畑を作っているらしい。捨て場に歩いて行くと途中にはゴブリンの死体が時々落ちていた。どうやら、ここの村人はゴブリンくらいであれば普通に倒せるらしい。


 ゴブリンの死体は魔石だけしか価値が無く、その死体は焼いて処理することを推奨されていた。ゴブリンの死体は最後に一塊にして焼くのだろう。


 捨て場にボアの骨と内臓を捨ててから家に帰る。そうすると何人かの村人がやって来た。野菜とボアの肉とを交換するのだ。僕は税としての1頭を除いて一匹と半分の肉を交換する。ここでは村人同士で物々交換するのが当たり前のようだ。


 ただ、昨日のようなオーク肉のような大物の肉は皆で分けるようにしているらしい。


 そして、次の日の朝、家の前で素振りをしているとアンソニーさんと村長が僕の家へとやって来た。


「おお、今日も頑張っているな。それはそうとちょっといいかな、フレイ」


 そうアンソニーさんが言うと村長が


「実はのう。昨日で今年分の税が集まったので町の代官所に納めに行こうと思っておってな。アンソニーに聞くとお前さん魔法袋を持っているそうじゃないか。それは、ボア10頭分の肉と村の野菜を詰める事は出来るのかのう?」


「野菜の量にもよりますけど大丈夫だと思いますよ」


 ボア10頭分でもベへモス程の大きさもないので余裕はあると思う。


「ふむ、それでは荷物も少なくて良いし、それならアンソニーと二人でも良いだろう。本来は荷馬車に乗せてなので大がかりになっておったがこれからは楽になりそうじゃな。ではアンソニー、明日にでもフレイと一緒に町に行って納めて来てくれんかのう」


「分かりました。ということでフレイ行くのは明日からになるがどうしても町に行くのに2日はかかるからな。今日の狩りは無しにして身体を休めておいてくれ」


「分かりました。」


 僕は言われたようにその日は狩りには出ずに家でボアの肉を干し肉にする作業を開始する。流石に生肉のままでは腐るので干し肉にして保存しなければいけなかった。まあ、魔法袋の一つにはまだドラゴンの肉が入っているのだが、そちらは新鮮なままで保存できている。魔法袋様々である。ボアの干し肉は町から帰る頃にはましになっているだろう。


 そうして、次の日にアンソニーさんと一緒に町へと向かって出発するのだった。

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