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第117話

 マルンのダンジョンを行くようになってから3ヶ月が経った。その3ヶ月の間に行った階層は30階層迄だった。出てきた魔物は聖霊のダンジョンと殆ど同じだった。最初の10階層ではゴブリンやオークといった魔物達で10階層のボスはオークキングとオークジェネラル達と聖霊のダンジョンの5階層と一緒だったのである。ただ、その数だけが違いオークキングは3体、オークジェネラルは9体という構成であった。


 20階層はも聖霊のダンジョンの6階層から10階層の魔物と一緒であった。ただ、シーフモンキーもいたのだがこのマルンのダンジョンは整えられた通路で、聖霊のダンジョンの様な草原で木があるといったことは無い為に隠れるような所は曲がり角くらいしか無い。魔法で周囲の確認もしていた為に奇襲される前には感知することも出来た。他の魔物と一緒に来ても来る方向が分かっていたので対処も出来た。20階層のボスもエビルジャガーの数が増えた位で《地魔法アースウォール》で壁を作り複数と戦わない事で、対処が出来た。


 21階層から30階層では、リザードマンが他の魔物を引き連れて出てくる事が多かった。中にはリザードマンの上位種に当たるリザードマンファイター等といった物も出て来た。それでも、地魔法で壁を作りながら戦えば倒すことが出来た。最後のボスもキングリザードマンが複数のリザードマンを率いていたが個々ではこちらの方が勝っていたのでサクッと倒す。そこまで行くだけでも1ヶ月程掛かった。3ヶ月間は30階層迄を数回往復したぐらいでその先へは行かなかった。


「さて、とりあえず30階層迄なら往復して1ヶ月ぐらいでいけることが分かったね」


「聖霊のダンジョンでは頑張れば1週間もあれば往復できましたので、それに比べればここのダンジョンは長く感じますね」


「しかも、40階層からは1つ1つの階層がさらに広くなるというから、降りるのは準備をちゃんとしないといけないだろうね」


 マルンの階層は深くなるほどに広くなってくるので食事の為の準備などをしなければならない。肉類に関しては現地調達が出来るが人はそれだけではいけないので準備に時間が掛かるのである。


「あの、旦那様一つよろしいでしょうか?」


 マリアが手を挙げて聞いてくる。


「どうしたの?」


「私は明日以降のダンジョンへの参加は見送ろうと思っているのですが、よろしいですか?」


「えっ、マリアはダンジョンに行かないの?」


 マリアの申し出にフィーナが驚く。


「何か理由があるんだよね?」


「はい、聖霊のダンジョンに行っている時の家は借家でしたから構わなかったのですが、この家はご主人様の持ち家になります」


「そうだね、僕がお金を出したから僕の持ち物になるね。それが、マリアの残る理由なの?」


 僕の質問にマリアが頷く。


「家というのは管理する者がいないとすぐにボロボロに成ってきます。ギルドが持っていたときは定期的にしていたでしょうが、今はそれをする者はいません。旦那様はダンジョンに行っている間に管理をしてくれる様な方を雇うおつもりですか?」


「あー、いや、雇うつもりは無いね」


 僕は頬をかきながら言う。


「でしたら、誰かが残って管理をしなければせっかく買った家もすぐにボロボロに成ります。なので、私がそれをやろうと思います。元々、私はメイドをしていましたから管理するのも得意ですから」


 マリアが微笑んでそんな事を言ってくる。そんなマリアを見て僕は少し考える。


「この1ヶ月の間、ダンジョン攻略はやめようか。せっかく買った家なのに今のところ禄に住んでいないからね」


「それは、あたいも思ってたな。せっかく良い家があるのに家のベットで寝た日は少ないよね」


 カルラが僕の意見に賛成する。それにセシリアも頷いている。


「私も家のベッドでしばらくは寝たいかな。あ、後、新しい魔法を私は覚えたいかも」


 フィーナは新しい魔法を教えて欲しいと僕に言う。


「分かったよ、ただし、戦うことばかりじゃ無くて家のことをマリアに教えて貰うこと。カルラもマリアに教えて貰ってね」


 僕の言葉にフィーナとカルラは嫌そうな顔をする。セシリアはマリアと一緒に料理をしたりする関係かすでに色々教え合っていることを知ってはいたのでフィーナとカルラに言ったのだ。


「それじゃあ、僕はゴーレム作成をするかな。因みに、気付いていたと思うけど、ゴーレムが作動していたみたいなんだよね。どうやら、かなり留守にしているのをみて誰かが入ろうとしていたみたいだね」


「まあ、皆気付いているかと思います。庭が穴だらけになっていましたから」


 最初にダンジョンから帰って来た時は庭は何も無かったのでが最後に帰って来た時に庭に沢山の穴が出来ていたのだ。その理由としてはゴーレムが起動したときに庭の土を巻き込んで身体を作るためにその分の土がごっそり無くなるために穴になる。ゴーレムが指示を終えて土に戻る場合は()()()で戻るためにその場所に土の山が出来てしまうのである。


「誰もいないから泥棒でも入ろうとしたんだろうね。ゴーレムもオークなどの魔石のはすでに無くなっていたね。唯一残っていたのがリザードマンの魔石のゴーレムだけだったね」


「では、ご主人様はゴーレムの制作が中心ですね」


「そうだね。最低でもリザードマンの魔石から作ろうかな」


 そうして、1ヶ月間の方針を決める。セシリア達はマリアから料理などの生活技術を教わり、その合間に魔法等の練習をすることになった。僕はゴーレムの制作とフィーナとカルラに魔法を教えることなった。


「マリアは家に残ることになるから、リザードマンじゃなくて他の強力な魔物で作りたいかな」


 僕は家の庭を地魔法で綺麗に平らにしてからゴーレムの制作を開始する。魔法袋の中にある魔石を今一度確認する。


 オーク等の魔石はその殆どを売っているし聖霊のダンジョンで手にいれたグリフォン等の魔石はこの街に付いてからオークションにかけて貰ってお金に換えていた。


 死の森や試練のダンジョンの魔物の魔石は殆ど残っているのだがこちらは魔法等やブレスを使うのも多いのでゴーレムには向かない物が多い。そんな中である魔石を見つけた。


「トロールの魔石か……」


 試練のダンジョンの上層の所で出て来た魔物である。身体が大きく力が強い。速さはそれなりにあったのでゴーレムの素材としては良いのではないか?


「とりあえず、作って見ようかな」


 トロールの魔石だけでは無く、レッドドラゴンの魔石等でもゴーレムを作って見たりと色々と試して見るのだった。そして、屋敷は周りの人達からは恐れられるようになるのだった。何せ、屋敷に忍び込んだ泥棒達をゴーレムは殴って屋敷から追い払う。ゴーレムの力は強いために泥棒達は周りの家の庭まで吹っ飛んでしまうのだ。そんな吹っ飛ぶ泥棒達を見て周りの人は屋敷には近づかない様にしようと思うのだった。

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