第11話
「あ、こんにちは」
目が合った赤い色のドラゴンに挨拶をしてみる。
すると、赤い色のドラゴンが息を吸い込んだ。
「失礼しました!」
急いで部屋を出て扉を閉じて、扉から離れる。離れた直後に扉が壊れ炎があふれ出す。赤いドラゴンがブレスを吐いたらしい。流石にダンジョンの壁は壊れなかったが扉は壊れたので扉から離れたのは正解だったみたいだ。
(あれって、赤いからレッドドラゴンでいいのかな?こんなのが途中で出るって事はボスはレッドドラゴンより強いって事だよね。なら、倒さないとダンジョンの攻略は難しいかな~)
壊れた扉の側から部屋の中を覗いてみる。レッドドラゴンはじっと扉のあった場所を見ている。
(これは、しばらくはこちらの注目しているよね。まあ、それでも、戦うのは決まりだけど)
大きく深呼吸をする。
「《水魔法アイスメイク》」
レッドドラゴンの上に氷の刃を作り出し落とす。
しかし、氷の刃はレッドドラゴンの鱗に当たったと思ったらパリンと簡単に壊れたのだ。レッドドラゴンは何事かと上を見る。
僕はその隙に部屋の中に入り魔法を唱える。
「《水魔法ウォーターウォール》」
レッドドラゴンを囲むように水の壁を作り出す。レッドドラゴンは尻尾を振り回してその水の壁を壊そうとする。しかし、水の壁は切れたように消えるがすぐに魔力を込めて水の壁を維持する。
「《地魔法アースウォール》」
今度は土の壁を水の壁の外側に作り出す。レッドドラゴンが息を吸い込む音が聞こえる。どうやら、水の壁を蒸発させようとしているらしい。そして、レッドドラゴンが炎のブレスを吐く。
ブレスは水の壁を蒸発させ土の壁を削っていく。少しの間土の壁は耐えたが結局は壊れてしまった。しかし、レッドドラゴンは僕の姿を見失っている。
僕はレッドドラゴンの上にいた。そして、レッドドラゴンの首に剣を突き立てる。剣は鱗を壊しレッドドラゴンの首を半分ぐらい突き刺さった。しかし、レッドドラゴンが暴れたため僕は剣から手が離れてしまいレッドドラゴンからも振り落とされてしまった。
僕はミスリルの剣を魔法袋から取り出した。(こんなこともあるかとミスリルの剣は後四本ほどストックがあるのだ)レッドドラゴンは怒りに燃える目で僕の方をにらんでいる。
「さてさて、何とか奇襲は成功したけどこれは手が足りるのかな?」
レッドドラゴンは僕の方に向けて走って来た。そして、右手の腕を振り上げて僕を殴ろうとする。
僕はそれをジャンプして躱すとレッドドラゴンがブレスを吐こうと息を吸い込む。
「《地魔法アースウォール》」
僕は足元に土の壁を作りそれを蹴ってさらに上空にジャンプする。
レッドドラゴンのブレスが土の壁を壊す。僕は上空から剣を構える。
「《風魔法フォールウインド≫」
上から下に向けて風の流れを作る。僕はその風に乗ってレッドドラゴンの頭を切ろうとする。しかし、レッドドラゴンの頭は少しだけ傷が付いただけだった。レッドドラゴンは頭を大きく振り僕を振り落とそうとする。僕は振り落とされる前に自分から飛んで地面に着地する。
僕は地面に着地するとレッドドラゴンに向かって走り出す。レッドドラゴンは腕を振り上げてでたらめに何度も振り下ろす。それを、冷静に見ながら避けていく。そして、相手の側面に回り込んで行く。
レッドドラゴンが横に来た僕に尻尾を振り回し叩き付けようとする。僕はその尻尾を避けてから踏みつけてジャンプする。そして、レッドドラゴンの背中に着地すると首の方に向かって走りだす。
レッドドラゴンは何とか振り落とそうとするが、僕はしがみついてそれに耐える。レッドドラゴンは飛んで振り落とそうとするが飛ぶ前にレッドドラゴンの羽を切り裂きた。片羽がなくなって飛べなくなったレッドドラゴンの背中をかけていく。そして、刺さっている剣を持っている剣で全力で殴り付けてもっと深くまで刺していく。
レッドドラゴンが一際大きく咆哮すると大きな音を立てて倒れ込んだ。
「さすがに、ドラゴンはきついね。今回は最初の奇襲で首に傷を付けられたのがよかったかな。もしかして、これからもドラゴンが出るのかな?それはやっぱりつらいんですけど。って文句を言っても仕方ないか、さて、解体しよう」
通路で倒したアースドラゴンの肉を焼きながらレッドドラゴンを解体していく。レッドドラゴンの鱗や肉、魔石等を回収して食事をしてから部屋で休むことにした。
ちなみに、部屋にいれば魔物は出てくることはありません。
なので、部屋の魔物さえ倒してしまえばその部屋は安全地帯になります。