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第98話

 13階層で野営をしてさらに進んで行く。13階層では11階層と12階層で出てきた魔物が一緒になって出てくるらしい。僕達は12階層で出てきたスピードアリゲーターやウイングスネークのような魔物が奇襲してくることも考えられたために慎重に進んで行く。


 13階層でも先に来ている冒険者達が倒していたためか余り魔物に出会わなかった。13階層の中間付近と思われる場所で魔物の集団と遭遇する。しかも、今回も複数の魔物のグループが合流しているみたいだった。その魔物達は1組の冒険者パーティーの死体を弄んでいた。スピードアリゲーターはその身体を食していたし、ハイオーガやリザードマンは冒険者達が持っていただろう武器をその死体に向けて何度も突き刺していた。その行為に夢中になっていたためにこちらにはまだ気づいていなかった。僕達は柱の陰に隠れてその様子を見る。


「どうやら、予想以上に大きな魔物の群れになっていたから倒しきれずにやられたんだろうね。この辺は部屋は無かっただろうから逃げる場所も無かっただろうからね。それなりに、倒しているみたいだけど数も多くて対処できなくなって駄目だったんだろうね」


 冒険者の死体の周りには倒したであろうスピードアリゲーターやオーガ、リザードマン達の死体も散乱していた。普通ならそこまでの魔物の集団にはならないのが大きくなってしまったために対処でき無くなったのだろう。


「それでも、僕達はこの先に進まないといけないからね。さて、どうしようか」


「お兄ちゃん、上!」


 僕がどうしようかと考えているときにフィーナがいきなり声をかけてくる。それにカルラが上に向けて盾を構える。カルラの構えたその盾に何かがぶつかった。


「ウイングスネークが見えなかったから、何故かと思ったけど、まさかウイングスネークが風魔法で姿を隠していたなんてね」


 カルラが悔しそうに言う。


「ウイングスネークはその風魔法で周りから見えないように出来るんだよ。ただ、攻撃する時には解除されるし、動いても解除されるから使うことはほとんど無いんだけどね。まさか、壁に刺さっている槍を利用して隠れていたなんてね」


「流石に今ので知られたから土壁作るよ《地魔法アースウォール》」


 僕はこちらに気づいた魔物達が動き出す前に魔法を唱える。そうして、11階層で作ったように出入り口が1つだけ出来た土の壁を作り出した。


 魔物達はそれを見て入り口へスピードアリゲーターを突進させる。


「やっぱり、スピードアリゲーターが向かってくるよね。リザードマンとかなら楽だったのに」


 僕はそう愚痴るがそれも想定内である。


「《水魔法アイスメイク》」


 僕は出入り口の地面から僕達の後方にある曲がり角まで凍らせる。スピードアリゲーターものすごい速さで走って来ていたがその凍った地面で滑りその足の速さも相まって僕達をものすごい速さで追い越して行き曲がり角の壁にぶつかって染みなった。


(想像以上に速さがあったね。っていうか、これが一番楽にスピードアリゲーターを倒す方法じゃ無い?まあ、都合良く壁があることが条件だけどね)


 染みになったスピードアリゲーターを見て僕はそんな事を思ってしまう。カルラ達は染みになったスピードアリゲーターを見て呆然としている。まあ、あんな倒し方を見ればそうなるだろう。


 スピードアリゲーターの最後を見ていたハイオーガとリザードマンは出入り口には来ないで壁を壊そうとする。僕達はそれを見て出入り口の氷を解除してから壁を壊そうとしているリザードマンとウイングスネークのを魔法で倒す。


 その間にカルラとフィーナはハイオーガ達の相手をしていたが苦戦をしていたがリザードマン達を倒して合流した後は問題なく倒すことが出来た。


「まあ、何とかなったね。ただ、流石にあれだけの魔法を使うと流石にしんどいから13階層の終わりぐらいになったら野営をしよう」


「ご主人様はやっぱりおかしいですよね。私でもあそこまでの土の壁は作れませんよ」


 セシリアがエルフで魔力的にも普通の人よりも多い自分でもあれだけの魔法は無理だと言う。


「セシリアでも出来ると思うけどね。だって、壁の端の方はかなり薄いよ。リザードマンが殴っただけで

壊れるぐらいの強度しかない。土の壁を作るときは出入り口とその周辺はそれなりに強度を高くして作るけど端に向かって行くにつれて強度は弱くなっていくように作っているからね。セシリアの魔力でも作る事は出来ると思うよ」


「強いところと弱いところを作って魔力の調整をしているのは分かりましたがその直後に出入り口から曲がり角の壁の所まで氷の道を作るのにもそれなりの魔力を使うと思うのですが」


「まあ、それなりに使うけどね。それでも、まだ余裕はあるよ。慣れてくればセシリアだって僕と同じ事は出来ると思うけどね。今はまだ慣れていないだろうから土の壁を作るのにも必要以上に強く作ったりするだろうし、氷の道も表面だけでいいのに厚みのある氷を作りそうだよね」


「実際しようとするとそうなりそうなので何も言えませんけどもね。別に今、言わなくても良いと思います」


 セシリアはふて腐れたように言う。


「あの氷の道は私でも出来るのでしょうか?」


 マリアが自分にも出来るようになるかと聞いてくる。


「それは大丈夫だよ。水魔法のアイスメイクは基本的な魔法の一つだからね。使用する魔力量はそこまで多くない。ただ、距離が長くなれば使用する魔力量は多くなるからそこは練習して慣れてきたら少ない魔力量で使えるようになるよ。セシリアもだからね」


「ありがとうございます。頑張ってみます」


 マリアがこれからも頑張ると言うとセシリアも自分も頑張りますと言う。


「お兄ちゃんもマリア達も速く魔石を集めて先に行こうよ」


 フィーナが喋っていた僕達に速く魔石を集めて先に進もうと言ってくる。


「フィーナごめんよ。じゃあ、魔石を集めて先に行こうか。14階層に行く前に今日は野営をするからその予定でね」


 そして、皆で手分けして魔石を集めて先に進んでいく。途中でフレイムウルフ等と出会ったが、魔法でさっくりと倒して14階層に降りる前にあった部屋でその日は野営をしたのだった。

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