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第1話

初投稿です

自分の妄想のままに書いてます

一応考えてる最後までは書きたい

「叔父さん、どうして……」


 崖から落ちそうになりながらその原因となった叔父を見上げる。叔父は冷たい目で僕を見て言った。


「すまないな、フレイ。おまえがいるとセリシャは笑わないからな。それに……」


 セリシャは僕を生んでくれた母だ。そして母が奴隷であったときに身籠もり生まれたのが僕なのだ。


「お前は10歳になれば村から出て行けると思っていたようだが、そういうわけにはいかないのだ。我々ハイエルフの村の位置を知るお前に、生きて村の外に行き、そこでハイエルフ村のことを知られれば我々は欲深い人間達に蹂躙されるだろう。それだけは何としてでも防がねばならない。だからお前はここで死んでくれ」


「叔父さん僕はこの村の事を誰にも言わないよ。絶対に言わないよ。だから助けてよ」


 僕は叔父に必死に声をかけるが、叔父からの返答は冷たいものだった


「これはすでに決まったことだ。これは村の総意でもある」


「そんな……」


 叔父の右手に闇色の魔力が集まっていく、その右手を僕の方に向けると……。


「せめて苦しまずには死なせてやろう。《闇魔法マインドクラッシュ》」


 精神を壊すという≪闇魔法マインドクラッシュ≫が僕に向けて放たれる。崖から落ちないようにと捕まっていた僕にはその魔法から避ける事も出来ず直撃する。

 

 魔法が当たった衝撃で崖から手が離れ崖下に落ちていく僕は背を向け去って行く叔父の姿を最後に意識が消えいった。




 僕が暮らしていた村は小さな村だった。その村はハイエルフ達の村でその住人の数は50人ほどしかいない。その中でも僕ことフレイは異質だった。何故なら僕はハイエルフの村の中ではただ一人の人族だったからだ。


 ハイエルフは長命で排他的な種族だった。閉鎖的で森の奥深くに住み他者を寄せ付けない生活をしていた。ただ、その中で僕の母セリシャは変わり者だったらしい。退屈な村の生活に飽き人族の住む町にマントを着け種族を隠したびたび遊びに行っていたらしいのだ。


 こういうハイエルフはたびたび現れる。それは大昔、ハイエルフが人と共にあった時代があったのだ。そのときにハイエルフと人族と混血が生まれている。ただ、混血と言っても生まれるのは人族かハイエルフというどちらかの親の種族に決まっている。


 人族の血の影響なのか退屈な村を出て人族の町に遊びに行くハイエルフが出てきてしまう。そして、母は人族の町に遊びに行っているときに運悪くハイエルフであることが周りに知られてしまう。ハイエルフは容姿端麗だ。そのため母は奴隷とされてしまったのだ。


 母を奴隷として買ったのは森の近くに領地を持つ伯爵であった。ハイエルフと人族は子供が出来にくいそのため母は伯爵に性奴隷として飼われていた。


 あるとき、伯爵の領地に皇帝が視察にやって来た。そして伯爵は皇帝への接待として奴隷であった母を付けたのだ。


 皇帝が伯爵の領地を出てから10日ほど経ったときに母に転機が起きる。伯爵が領地の地方に母を連れて視察に出たのだ。


 屋敷を出てから数日してから伯爵の乗った馬車が伯爵に恨みを持つものに襲撃される。そこで伯爵はあっけなく殺されてしまった。そして、母はそのときに自由になった。奴隷は主が死ぬと自由になるように決まっている。


 襲撃者達は伯爵を殺すとすぐにその場を離れていて、馬車の中にいた母に気づかなかったようだ。そして、母は自分の元いた村へと帰っていった。


 村へと帰って数ヶ月経ったとき、母は自分の身体の異変に気づく、妊娠していたのだ。


 そして、僕が生まれた。ハイエルフと人族の子供はどちらかの種族になる、そして、僕は人族だった。


 母は僕の姿を見てその場で殺そうとしたらしい。その姿が自分を慰み者にした皇帝にそっくりだったからだ。ただ、ハイエルフの村の掟に村で生まれた子供は10歳までは育てなければならないというものがある。

 

 これは昔、神がハイエルフに課した決まり事らしい。昔、これを破りハイエルフに災いが起きたことで信じられていた。


 そのため、その場では他の女性のハイエルフの人が助けてくれた。その後、何度も母は隙を見ては僕を殺そうとしたが、掟を信じるハイエルフの人達がそれを止めてくれた。このままではいけないと叔父が僕を引き取って育ててくれたのだ。


 叔父は10歳になったら村を出て行った方が良いと様々な事を教えてくれた。森に生える薬草類や香辛料、それ以外にも料理や狩りの仕方、そして、魔法の使い方と生きるための方法を教えてくれたのだ。


 本来人族は魔法を使うには才能がいる。才能のないものがいくら頑張っても使えない。そして、才能があっても人族は魔力が低いため威力が弱い。まれに魔力の多いものもいるらしいが、しかし、人族とハイエルフの間に生まれた僕は生まれつき才能も魔力も高く(それでも一般的なハイエルフよりも魔力は低いが)魔法を使うのには苦労しなかった。


 そうして、叔父に生きる方法を教えてもらって8年(2歳ぐらいの時から少しずつ教わっていた)がたち10歳の誕生日の時に最後にと僕の成長を見るためにと狩りに出かけたのだ。


 ハイエルフの村の北側の森の先には断崖絶壁といっていいほどの崖がある。崖の下には森が広がっておりそこに落ちたら誰も生きていけないとハイエルフの村では言われていた。そのため崖下の森は死の森と言われていた。


 僕と叔父さんが狩りに出かけたときちょうど良くワイルドボアを見つけて崖の方に追い込んでいく。


「フレイ、今日はお前の成長を見るための狩りだ。だから最後はお前が仕留めて解体をするんだ、いいな」


「うん、わかったよ、叔父さん」


 叔父のことを信じていた僕はワイルドボアを叔父と共に追い詰めていく。そして、崖まで追い込んだ時に矢に魔法をかける。


「《風魔法エンチャントウインド》」


 風の力が乗った矢をワイルドボアに向けて放つ。矢はワイルドボアの眼を正確に射貫いた。しかも風の力が乗った矢は眼から脳までを射貫いていく。そして脳を射貫かれたワイルドボアは横倒しになって息絶えた。風の力を宿すと矢の速度が上がるだけではなくその矢が風の剣のように飛んでいくのである。これによって1本の矢でも殺傷出来るだけの威力が出たのである。


「よし」


 僕は右手でガッツポーズをする。それを見た叔父が


「ちゃんと出来ている。もう少し魔力量は抑えても良かったかもな。さて、村での最後の獲物だ、解体までやってみろ」


 僕は叔父に言われワイルドボアへと近寄る。そして、叔父に崖の方に突き飛ばされたのだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 皇帝の息子という本来なら凄い勝ち組の生まれになるのに…出生の仕方があれだったせいで故郷からつまはじきにされてしまった主人公…、これからどうやって生きていくのか、親との関係の行方は、故郷とは…
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