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あなたの想像エンド

作者: Chan茶菓



それは突然やってきた。


「いらっしゃい。」

私は笑って出迎える。



「どうも…。気付いたらここに…。」

自分でも訳が分からないのだろう。当たりをキョロキョロと見渡している。



「それはそれは。怪我をしていますね、こちらにどうぞ。」

私は促す。



「あぁ、いやぁ、すいません。」

申し訳なさそうに、しかしやっと休めるという安堵も混じった声だった。



「さぁ、怪我を見せて。手当をしましょう。」

私は座って手当をする。



「ありがとうございます。ここは暖かいですね…。」

身体が冷えているようだった。



「これでよし。暖かいもの持ってきますね。」

2つ持ってきた1つを渡す。



「どうも。ふぅ、少し落ち着きました。」

落ち着きを取り戻して気が抜けたようだ。



「それは良かった。お風呂も湧いてますから。ゆっくり入りましょう。」

夕飯の準備をしながら促す。



「お風呂ですか…。」

急に困ったように俯いた。



「どうしました?」

様子を伺うと



「水が少し怖くて。」

怯えているようだ。



「大丈夫。ゆっくりでいいので、入りましょう。」

大丈夫。と私は優しくうながした。






「お湯加減はどうですか?」 そう聞くと、



「ええとっても、気持ちがいいです。」

「それは何より。」と返しながらバスタオルの準備をする。



「さ、よく乾かしましょう。」

タオルを持って手招きをする。



「そんな、子供じゃないんですから!」

とタオルを持って逃げようとするので



「いいからいいから。」

と強引に拭き始める。



「なんだか恥ずかしいなぁ。」

と、終始バツが悪そうにしていた。





しっかり乾かしたので、夕食を出す。

「さ、どうぞ召し上がれ。」



「わぁ、すごく美味しい!」

気に入って頂けたようだ。



「お口に合って何より。」

そう言って、私も夕食を口にする。




「さぁ、寝ましょう。」

灯りを消して、私のベッドに促した。



「ありがとう。……あの。」

またバツが悪そうにして、今度は顔を伺ってくる。



「えぇ、どうしました?」

返事を促すと、



「いえ、あの、明日にはここを出ますから…。」

なるほど、人の家にずっと居続けるのも良くないと思ってだろう。



「焦らなくて大丈夫。傷が治っても気が済むまでここに居もいい。」

ニコッと笑って返した。



「ありがとう、手を握っていてもいいかな。」

私の言葉を聞いてホッとしたようだ。



「ええ、もちろん。おやすみなさい。」



「おやすみなさい。」



そうして朝は一緒に起きて食事をした。

幾度も会話を重ね、幾夜を過ごした。



「今までありがとう、おかげで元気になった。それじゃあ!」



「それは何より。えぇ、それじゃあ。」



そう挨拶を交わして、笑って出ていった。

私は手を振って見送った。



もうここに来ることはないだろう。

次に訪れるのはなんだろう。




さて、あなたが想像したこのお話ではどんな結末に動きましたか?


ちなみに私の考える「それ」は主人公が果たすべき役目が訪れた瞬間でした。

「私」は喫茶店と一体になった一軒家に住む20代後半の女性です。

果たすべき役目とは、「傷ついてさまよっている霊を癒し、あの世へ送り出すこと。」です

今回の霊は、「雨の日に事故で川に溺れた男性」でした。「秋」が雨がよく降るのでそれで「寒がって」いたのでしょう。「暖かい」ココアを「私」は男性に渡しました。

男性なので「お風呂」は一緒には入れませんね!(笑)水が怖かった様子でしたが腹を括って入ったみたいですね。なんだか少し気弱そうな男性を想像したので「一か月」くらい一緒に過ごしたかもしれませんね。最後は元気に笑ってあの世に見送れたようで何よりです。

見送った「私」はまた次の機会が来るまでは小説を読んだり、お花に水をやったり、近所のノア猫と会話したり、のんびりと過ごしていそうです。


キーワード、ハッシュタグは『あなたの想像エンド』。

あなたなりの結末をコメントに書いてもよし、漫画にして投稿してもよし、あなたなりの解釈をプラスして、自由に付け加えて小説を書いてみてもよし。私によろしければ教えてください。

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― 新着の感想 ―
[一言] Chan茶菓様、はじめまして。 感想を失礼致します。 なるほど! そういうことだったのですね! 私は、ベタかもしれませんですが、 「それ」とは、何かがあって愛や未来、希望を失ってしまった…
[一言] 成る程、あとがきを読んで作品の仕組みを理解しました。 私は何だかメルヘンなイメージでしたね。 迷い込んできたねこ(人間大……えっ)が申し訳なさそうに森の中の家におじゃましてくるような。それを…
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