木漏れ日の焦げ
今回も読んで頂きありがとうございます.
インスタントフィクションです。
気が付いた時、芝生の上にいた。どうやら眠っていたようだ。
大きな木。サラサラと葉は揺れて摩擦を楽しんでいる。
体を起こしてペットボトルの水を飲む。
上を向いた時、抜けてくる光がチカチカした。
まだらな光りを浴びていればヒョウ柄の日焼けか、
それとも揺れる木漏れ日だからあまり焼けてないトーストみたいな和かさか。
落ちている枝は乾燥していて、高い音で折れる。
3本まとめても簡単に折れる。
蟻が巣を作っている。餌を探す蟻もいる。
小さな蟻と大きな砂粒。流動的な営みが行われている。
この枝は不要だろうか。営みの助けにはならないだろうか。
蟻に渡しても歩くスピードを上げてしまうだろう。
餌も砂粒も置いてしまうだろう。
太陽がもっと明るい光りを送るなら人間は惑う。
黒焦げのトーストのように閉じ込められて。
死んだ葉はパリパリと別れを告げ、サラサラと落ちた。
木漏れ日の焦げが表面を覆った。
まだ間に合う。もういいかい。まあだだよ。
読んで頂きありがとうございました。
蒸し暑いです。
次もまた宜しくお願いします!