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日記──5 『魂』
これに記すのはいつぶりだろうか。
いや。兎も角、三日後がサリーの命日だ。
ついに私はここまできた。
かかった年月は約三年。
とても長かった。
私は常に貧血気味だが、この際、気にすることではない。
悪魔の召喚についても、問題はないだろう。
髪と爪。これも既に必要な量は揃っている。
捧げ物も十分である。
そして後は、血縁者──ミリアの魂。
今の時刻は午後十時。
十一時二十三分まで、もう少しある。
その時間が近付いたら、ミリアの部屋に向かおうか。
あの子は、もう寝ているだろう。
三日後発動の時限魔法。
起きていたら、また明日に二日後発動の時限魔法だ。
いや。恐らくは寝ているから大丈夫だろう。
魂を抜き出す呪いの魔法。
例の時間になったら、それを仕掛ける。
死者の魂が最も世に近付くとされているのは、死んだ日時。
三日後が待ち遠しくて仕方ない。




