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日記──3 『禁忌』
善は急げと、私はありとあらゆる文献を取り寄せ、読み漁った。
結果、理解したことだが。
悪魔の力を借りて儀式を行わなければならないようだ。
悪魔召喚の手順は毎日確認し、極めておこう。
降霊術も必要らしいが、私ならば大丈夫だろう。
墓から持ってきたサリーの身体についてだが。
応急処置的ではあるが、冷凍保存して鮮度は充分に保てている。
早めにこうしていて、本当に良かった。
でないと、棺桶の中のサリーが腐るところだった。
とりあえず、地下室を作り、そこに移そう。
万一ミリアに見られるのもよろしく無い。
地下室があった方が作業もしやすいだろう。
それにしても、だ。早く、サリーに会いたい。
サリーも、私のことを必要としているはずだ。
早く、私がお前を幸せにしてやらないといけない。
死者の魂が現世に最も近付くのは、その人の命日。
命日に実行する。それは既に決まっている。
しかし、それは何年後の命日になるのだろうか。
蘇生術というものは、中々どうして大変な物らしい。




