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9話  登校前の出来事

昨日、明日からは学校生活から始めると言ったにもかかわらず、まだ登校もしていません.申し訳ないですが、作者的に是非とも書きたい場面なので、しばらく付き合ってもらいたいです.

 また今回は、以前よりも気合を入れて、誤字などの確認を行なったため、誤字はないはずです!

 以前のものも、できるだけ修正を行なっております..

 高野 由紀と付き合い始めた翌日の朝、俺は普段起きる時間より30分ほど早く目が覚めていた.なぜかというと、急に自宅のチャイムが部屋中に響き渡ったからである.当然、ぼっちな龍弥には自宅を教えるような友人はいないため、こんな朝早くから宅配便でも届いたのかと思い、少し不機嫌な様子でインターホンにでた.


「...はい、辻ですけど.要件はなんですか?」


 龍弥の住むマンションのインターホンには画面がなく音声のみであるため、どうせ郵便か宅配便を親が送ってきたのだと思ったのだが、聞こえてきた声は予想だにもしない人の声であった.


『あなたの彼女の由紀です!龍弥くんと一緒に登校するためにお誘いに来ました!私と一緒に登校しませんか?』


 そう、声の正体は様々な事情により昨日から龍弥の彼女になった高野 由紀であった.確かに昨日マンションと部屋番号を教えはしたが、まさかその翌日のしかも朝に訪ねてくるとは思わなかった.あまりに驚いてしまったために、


「た、高野さん.急にどうしたの!」


と慌てて答えた.すると、


『私の彼氏くんと一緒に登校したくて迎えにきたんだよ〜.もしかして嫌だった?』


「い、いや全然そんなことないよ.でも、俺今起きたばっかりで何も準備できないんだけど...」


「えーと、それじゃあ家の中で待たしてもらえないかな?」


と大胆な発言が飛び出した.


(な、なんだと.俺の家に入りたいだって⁉︎これまで、親ですら来たことのない俺の部屋にお、女の子が⁉︎付き合って1日で⁉︎やっぱり、高野さんって男慣れしてるのか?でも、いつまでも外で待たすわけにもいかないしな.どうする.どうすれば!)


と頭を悩ましているとインターホンから


『あの〜ダメ、かな?』


と聞かれてしまったからには断ったら男が廃ると思い.


「どうぞ、お入りください.」


と言ってフロアの自動ドアのロックを解除した.


 それと同時に、龍弥は未だに寝巻きを着たままであったために制服に着替え、すでに手遅れであるが少しでもと思い散らかっている部屋を片付け始めた.


 しばらくすると、部屋の玄関のドアがノックされた.緊張して龍弥が玄関に行きドアを開けると、かなり緊張した様子の高野さんがいた.


「お、おはよう高野さん」


『う、うん.おはよう龍弥くん』


と挨拶をしあった.


「と、とりあえず中に入ってよ.まだ、全然準備できてないんだ」


『う、うん.それじゃあお邪魔します.』


 そうして中に招き入れたのだが、龍弥のかなり散らかってしまっている部屋を見られてしまうことに気づき、恥ずかしくも、申し訳なさそうに


「ごめん、かなり散らかっていて.整理整頓はかなり苦手で...」


と言うと、


「い、いや.男の子の一人暮らしならこれくらいなんじゃないかな?と、とりあえずソファに座っていていい?』


「う、うん、もちろん」


と気を遣ったように言われたため、居た堪れなくなり龍弥は洗面所に向かい洗顔をしに行った.



 そして、洗面所からリビングに帰ってきた龍弥に、


『そういえば、龍弥くんって朝ご飯食べてないよね.料理とかできるの?』


と、聞かれた.


「恥ずかしながら、ご飯を炊くことしかできないです.」


『え〜〜.じゃあいつも、ご飯どうしてるの⁉︎』


「いつもは近くのコンビニとかスーパーで買った弁当とか惣菜とかを食べてます.あと、たまに近くのファミレスとかで食べてます.」


『ダメだよ!そんな食生活じゃ!食べごろの高校生がそんな食事しかしてなかったら体壊しちゃうよ!』


「言い返す言葉もないです...」


というと高野さんが何やら言いたげな表情をしていた.気になって彼女に聞いてみると、


「どうかした?高野さん.」


『え〜と、龍弥くん!』


「は、はい!」


と急に大きな声で名前を呼ばれてしまって、驚いて返事をすると、


『その、よかったら何だけど、龍弥くんの食事を私に作らせてもらえませんか?』


と提案された.


「それって、今の朝食のことですか?」


『い〜え.2人に用事がない限りずっとです.私が龍弥くんのご飯を作りにきます.いいですね!』


と、強く言われた.どうやら、自身の彼氏の体調が不安で仕方がないらしい.


 まあ心配されても仕方ないか.龍弥も自身の食生活の悪さは分かっていたが、結局料理ができないためどうしようもないことであった.だから、この提案は龍弥にとって大変ありがたいものであった.可能な限り毎日手料理が食べられるのである.それも、こんな美少女のである.普通のからしたら、お金をいくら払ってでもしてもらいたいシチュエーションである.だから、龍弥はしっかりと高野の方を向き、


「よろしくお願いします.」


と、深々と頭を下げた.


『はい、任されました!』


と、笑顔で言われその笑顔に見惚れていると、


『あ、でも今は我慢してもらえる?今、冷蔵庫の中身を見たけど、食材が何もなかったから.調理道具や調味料はしっかり揃っているから、食材は今日一緒に買いに行こうね!』


と、いつの間にかキッチンに移動し、冷蔵庫の中身を見ていた高野にそう言われた上に、ナチュラルに今日も一緒に帰る約束をされた.


『それよりも、そろそろ準備しないと、遅刻しちゃうよ?』


 と言われ時計をみるとすでに7時50分をまわっていた.学校は8時半から朝礼が始まり、家からは約20分ほどかかるため、そろそろ出ないとギリギリになってしまう.そのため、急いで出るための支度に取り掛かった.


 準備が終わり、学校に行く準備ができた時にはすでに8時をまわってしまっていた.


 準備ができたことを伝え、高野に行こうと伝えに行き、


「準備できたよ.それじゃ行こうか、高野さん」


と言って、高野をみるといかにも『私、不機嫌です.』と言っているかのように頬を膨らませていた.そんな様子であったために理由を聞こうとした時、高野の口が開いて、


『...由紀』


「えっ」


『だから、由紀って呼んで!』


と言われた.その瞬間、昨日自分が彼女のことを名前で呼び、そのご褒美で頬にキスをされたことを思い出し、顔が真っ赤になってしまった.だが、それは彼女も同じのようで顔が真っ赤になっていた.


 しばらく、沈黙が続いたが高野よりも早く意識が戻り時計を見た龍弥は本当に遅刻してしまうかもしれないと思い、


「じゃあ、行こうか.由紀さん」


と、いうとまだダメなのか少し膨れたまま、


『さんはなくていいよ.呼び捨てでお願いします.』


と言われたため、改めて勇気を出して、


「行こう、由紀」


と言うと、満面の笑みで


「うん!行こう龍弥」


と言ってきた.自身の名前が呼び捨てで呼ばれたことに感動を覚えつつ、2人は玄関を飛び出した.

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