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6話  帰宅後の2人 ーー龍弥sideーー

今回は龍弥sideです!明日、由紀の回想から入りたいため分けました.

ーー辻 龍弥sideーー


 あの出来事の後、10分ほど立ち尽くしたままだった、龍弥はボーとした様子のまま自宅に帰宅していった.


 (ウォーーー.つい、女子のことを名前で呼んでしまったーーー.今まで、苗字でしか呼んだことなかったし.てか、あの雰囲気では誰でもなるだろ.ていうかその後...)


 そして、つい10分前にされたキスの感触を思い出し、頬に手を当てていた.


(まさか、こんな俺が女の子からキスされる日が来るとは.しかも、あんな美少女に.てゆうか、素敵なご褒美って言っても、まさかキスだとは、思わんだろ.普通、手を握るとかじゃないか.というか、高野って男なれしてんのか?してても、おかしくないか.あの外見だしな.あっでも、確か男に恐怖心があるみたいなこと言ってたな.じゃあ、もしかして俺が初めてなのか?)


 そうして、初めての経験に浸っていると、スマートフォンの画面が開き、メッセージ画面が出てきた.それには、高校に入っていまだに友達どころか、ろくに話をする人もいない俺を心配した、妹の静からのメッセージであった.


「おにぃ、もう1ヶ月経つけど誰かと話せた?友達できた?」


 妹は俺のことを心配して3日に1回は連絡をくれていた.家族に強がる必要もないためこれまでは、「いや、まだ誰とも話してない.」と、兄としては情けないことを言い続けていたのだが、今日はついに、いい報告ができるので、龍弥はとても自慢げな感じで返信をした.


「聞いて、驚け!ついに、兄ちゃんに彼女ができたぞ.しかも、ちょー美少女だ!」


 そう、送るとすぐさま既読がつき、返信が表示された.


「はぁ?おにぃ、急に何言ってるの?友達できなさすぎてついに頭がおかしくなったんじゃない?」

「ねぇ、寂しいの?私、来週の週末予定ないから会いに行こっか?慰めてあげようか?」


と、とてもじゃないが実の兄に対するような態度ではなく、まるで母親のような感じで心配された.普段は、俺に甘えてくるような態度である静だが、たまにこうやって、母親や姉のような態度を取ることがあった.それが、また出たようだ.しかし、今回に限っては真実であり、ぼっちすぎて頭がおかしくなったわけでもないため、反論することにした.



「そんなんじゃねぇよ.俺、本当にできたから、彼女.」


「嘘だぁー.あのおにぃに彼女ができるわけないじゃん.それに、今まで友達がゼロの人に彼女なんて普通ありえないから.罰ゲームなんじゃないの?」


「そんなわけあるか!多分、きっと、おそらく」


「ほら、自信なさげじゃん.そもそも、おにぃがそんなに簡単に人を信用するはずないでしょ.中学の頃あんなことがあったのに...」


 そう言われて、俺は考え込んでしまった.確かに、俺は中学の頃の出来事のせいで、簡単に人を信じられ無くなってしまった.さらに、今回の件に関しては、俺は高野と友達になろうとしたが、告白したわけではないのだ.それなのに、流されるようなことになってしまっている.


(高野は確かに、魅力的な人だ.ある程度が好意があるのも確かだろう.しかし、それが恋愛感情であるかどうかは別だ.俺は、もしかしたらあの先輩と同じくらいクズなことをしているんじゃないか?)


と悩んでしまい、いまだに多くの妹からのメッセージが来ていたが、「すまんが、今日は疲れた.もう寝るわ.」と、返信も待たずに画面をとじ、冷蔵庫に入っている、スーパーで買った惣菜とご飯をレンジで温め、食べて、風呂に入って、上がった後、すぐに布団に入って目を閉じたのであった.



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