2話 ぼっち陰キャとシリアス現場
結果から言うと俺の誤った告白は失敗?に終わった.
なぜ疑問系なのかというと,一応の形としては保留の形で終わったからである.それも
『えっ、ごめんなさい、私あなたのことよく知らなくて、しばらく待ってもらっていいですか?』
と、まるで狼を見ているようなおびえた目で返事を返されたからである.
そしてそのことがあった次の休み時間は、俺の高校生活の休み時間に俺の周りに集まる人の量で1番ではないかというくらいの量の人に詰め寄られ、一方的な会話を強いられていた.しかし、その会話の内容としては、
「お前、すげー奴だな!無謀な勇気すぎるだろ!」
「高野さん、怖がってんじゃん.そういうのやめてくれる?」
「てか、お前誰だよ.お前みたいなやついたっけ?」
と、失礼なものや、高野さんが普段一緒にいるグループの女子からの注意などであった.
(死にたい…)
まさか、友達申請のつもりが告白になるなんて思ってもおらず、悲壮感に陥り早く自宅に帰りたいという、昼休みの考えとは真逆のような考えになっていた.
それから、しばらくたち7時間目の授業が終わり、担任の桂井先生が教室にきて終礼が始まりやっと帰れると最後の挨拶を待ち遠しく待っていた.
そしてやっと明日の出来事の説明が終わり、学級委員より号令が告げられた.その号令が終わった途端に龍弥は教科書をいつもの登下校用のリュックにつめ、まだ文句やからかいがしたそうなクラスメイトを振り切って、そそくさと教室を出て行った.
この高校は5階建てであり、高校1年生は3階の教室である.そして1学年クラスは6クラスありその中でも1番端にあるA組に龍弥は属していた.そのこともあって1階に降りるための階段に向かう途中の廊下では、通りかかる人のほとんどが龍弥に好奇心をむけ、何かを言っているようでいた堪れない感じになっていた.
(あ〜早く帰らないと! これは耐えきれん)
そう思い歩く足をはやめようとした時、
「うぉっ」
「⁉︎」
下を向いたまま歩いていたために、おそらくC組で先程まで授業をしていたのであろう世界史の教師にぶつかってしまった.
「イタタ。 どこを向いて歩いているんだ!」
「すみません… 考え事をしていて.」
「そんなことは知らん! お前いつも授業で寝ているA組の生徒だな!罰として社会科準備室の掃除だ.それとこの荷物も運んでおくように.」
そう言い残し先生は怒りながら職員室に向かっていった.
(マジで今日はついてねえ)
周りでその様子を見ていた生徒たちにクスクス笑われながら、そう思った龍弥は無視して帰るわけにもいかず仕方なく先生が残していった荷物を抱え上げ、5階にある社会科準備室に荷物を運んでいった.
それから1時間後、
「この教室汚すぎるだろ.何年放置してるんだよ」
まさか掃除に1時間もかかると思わず、ほんとについてないなぁと思いながら改めてリュックを背負い帰ろうとしたのだが、5階に教室がある3年生たちにもどうやら噂が広まっていたようで、名前は知れ渡っていないようだが、顔はなぜか広まっているようで、こちらでも好奇の目を向けられていた.
(高野さん上級生にも知られているのかよ.これじゃ学年じゃなくて学園のマドンナじゃねーか)
そう思いながら、このままじゃ視線にやられると思い、普段あまり人が使わない非常階段を降りて帰ることに決めた.
そして、非常階段を使って下に降り、3階についた時1階の方から、
「なんで俺じゃダメなんだよ‼︎」
と怒声が聞こえてきた..
(一体誰と誰が怒鳴っているんだ?)
と、人に言えないなと思いながらも好奇心に勝てず下に向かって静かに降りていった.
音を全く立てず、1階に辿り着き、俺には忍者の才能があるようだなと自画自賛しながら、問題の場所に辿り着き、近くの換気扇に身を隠して様子を覗いてみた.
そこで龍弥の目に入ってきたのは、練習着をきた体つきの良い先輩が、今日俺が告白をし好奇心の目を向けられる原因にもなった、学園のマドンナ 高野 由紀の腕を掴み壁に押し付けている様子だった.
誤字があり、修正しました.申し訳ありません.