第7話 秘密戦隊の青になることを決めた件
「とりあえず今度こそちゃんと話をしようや」
ずずず……………。
あー、お茶が旨い、
おっさんにその気がないようなので結局自分でお茶いれたぜ。
これでもかって位お茶っ葉いっぱい使ってやった。
…………あー、贅沢気分。
「で、俺は事故死したことはなんとなくわかった。いくつか質問がしたい。
まず一つ目。写真に撮るのもはばかられる悲惨な状態だったと言うのに傷一つ無い状態なのはなんでなんだ?」
「────未知のテクノロジーで治した」
未知のテクノロジー??
死んだ人間を生き返らすって確かにすげぇテクノロジーだ。
今までそんなの聞いたこと無いぞ?
クローンとかは聞いたことあるけど、俺、記憶もしっかりあるし、クローンじゃないよな。
でも、何で俺を生き返らしたんだ?
俺なんか生き返らして、どういうつもりだ??
「────誰が何のために?」
「────我々は悪の組織と戦っている組織───一般的に認知されている名称を使うなら、『秘密戦隊』だ。今回君はその戦闘に巻き込まれて命を落とした。それは我々としては不本意な、悲しい出来事であった。だから未知のテクノロジーを使って君の身体を元通りに戻した。しかし、この未知のテクノロジーはまだ世間一般には極秘事項だ。よって君を治す代わりに我々の組織の一員として迎え入れる事になった。君には"ブルー"となって一緒に悪の組織と戦って貰いたい!」
おっさんは息継ぎなしに一気にここまで説明した。
肩で息しながらチラチラこちらの反応をうかがっている。
まぁ、話しの内容はよくわかった。
でも、ここまで聞いて、どうしてもおっさんに言いたいことが再燃した。
「────最初から日本語でそう言えっての!」
案の定、怒ったらおっさん涙目。
おっさんちょっと打たれ弱いタイプだね。
「────今の説明、もしおっさんの英語の説明で聞いたとしても、絶対俺は理解できなかったぞ。絶対だぞ、これは自信がある!説明する気があったんか!!」
───おっさんの唇がわなわなし始めた。
あ、泣く寸前だ。
こりゃまいったぞ、流石に一応命の恩人と思われるおっさんをさっきから恫喝してる感じだよな。
………絶対俺が悪いよな。
────話題を変えようか
「そうそう、秘密戦隊で俺が青って事は、他に赤とか黄色とか居るんだろ?俺にも紹介してくれよ!」
「………う…ぅ……………ぅっ………」
おっさん今度は号泣!!
────こぼれ落ちる涙。
─────俺にどうしろと!?
途方にくれて俺はおっさんが泣き止むのをひたすら待った。
────俺が赤とか黄色とか紹介してくれって言ったとたんにおっさんが号泣し始めたよな……
もしかしたら、悪の組織と戦って殉職してしまったとか?
もしそうだとしたら、俺は本当にデリカシーの無い事を聞いてしまったかもしれない。
────でも、俺を生き返らすテクノロジーがあるのに、赤とか黄色は生き返らすことが出来なかったのか?
悪の組織は死体も残らないような残虐な方法を使ったのか?
それとも、生き返らすには回数とか、なにか条件があるのか??
そんな事を思い巡らしていたら、おっさんが口を開いた。
「…………みんな、裏切ったんです。
────みんな裏切って悪の組織と手を組んだんです!!!」
おっさんが瞼を腫らし、目を充血させ、汚ったなく鼻水をたらして俺を見つめる。
「とりあえず命を助けて貰ったみたいだし、しばらくはおっさんに協力するからさ。
──────────まずは鼻水拭けよ」
感極まったおっさんがハグしようと両手を広げたが、そうはいくか。
「ここは日本だ、ハグの文化はねーよ」
────まぁ、ただ単に鼻水付けられたくなかったんだけどね。
とりあえず、あらすじ部分は以上となります。
少しでも面白いと言って貰えたら嬉しいです。
そしたら次に進もうかと思います。
つまらない‼️なら、それはそれでまた次に……
………私、今凄く暇なので。