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戦隊モノの青にされたけど俺以外は敵に寝返った件  作者: 観音寺 和
たった一人の戦隊ヒーロー見参!
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第13話 指令室の件

 認証通った後の通路は、さっきのコンクリート打ち出しの造りと違ってテカテカの金属質の壁にグレーの艶消しの床でかなりすごいぞ。


 SFだよ、SF映画の世界だよ。


 いや、この場合は戦隊ヒーローの秘密基地そのものって言った方がいいのかな。


 比べちゃいけないけど、俺の住んでるアパートなんかエレベーターなんかないし、階段が錆びかけてるからね、この差は悲しくなっちゃうぜ。


 しばらくするとエレベーターホールに着いた。

「この階は司令塔の一番最下層になるよ。ちなみに普段出入りするエントランスはもっと上になるよ」


 ………あぁ、なんか俺が思ってたよりスケールデカいな。

 ────正直言って、ちょっと圧倒されてる。


「指令室自体は一応地上にも一部あるけど、基本的には全て地下にあると思ってもらって構わない」


「ちなみに、おっさんってここではどんな立場なの?」

 今まで聞くタイミング無かったというか、聞く気が起きなかった質問をしてみた。


「一応私はここの管理者………司令官だ」


 ………マジか!

 ………ただの変質者じゃなかっなんだな。

 なんかちょっとおっさんをみる目が変わってきたかもしれないぞ。


 おっさんをチラッとみると、あからさまに得意げになっている。

 またニョキニョキとピノキオの鼻が伸びてるぜ。


 ────おっさん、そういうところが良くないと俺は思うぜ。


「ちなみにここは今何人位の人が働いているんだ?」


「そうだなぁ、司令塔自体はほとんど人は働いていないよ。このくらいの施設でも、常駐では10人は居ないはずだよ。ほとんどがロボットやAIがやってくれるからね」


 うぉお!ロボットにAIと来たか!

 やっぱすげぇ!!


「この間まではレッド・イエロー・グリーン・ピンクも居たのだけどね………」

 ────あ、またおっさんが泣きそうだ。


「おっさん、指令室見せてくれよ!」

 ────話題を変えなきゃな。時間が勿体ない。


「じゃあエレベーターに乗ろうか」

 おっさんについてエレベーターに乗り込んだ。

 エレベーターのボタンを見ると10階までしかないな。

「司令塔は10階って事は、そんなに高さないのか?」

「いやいや、一階あたりの高さが通常よりも高いからね。マシンの倉庫なんかもあるから」


 そうか、そういうことか。

 確かに住宅と倉庫や工場なんかはフロアの高さ違うもんな。

 ホントの戦隊ヒーローみたいに巨大ロボットって事はないだろうけど、なんかここには色々なマシンが有りそうな気配だ。

 やべぇ、またちょっとテンション上がりそうだ。


「ここが地下二階の第2指令室だ」

 エレベーターが開くと、もうそこが指令室になっていた。

 前面の壁に超大型のモニターがあって、色々分割されて情報が表示されている。

 うわぁ、もうこれは俺の常識の範囲外だわ。


「司令、お待ちしてました。そちらが例のブルーですか?」

 スーツを着ているいかにも出来るっぽい女性と、テカテカ素材のツナギを着たエンジニアっぽいメガネ君がおっさんに敬礼する。

 声をかけてきたのはスーツの女性の方だ。


 フロアにはこの二人だけしか居ないみたいだな。

 でも、なんか色んな機械が動いているし、ロボット掃除機の上に円筒形のデカいゴミ箱が乗ったようなものが何台か行ったり来たり動いてる。

 うぉー、SFだSF!サイエンスフィクション!


「紹介しよう、彼が新しく仲間になったブルーだ」

 テンションがぶち上がってる俺の事を、おっさんが紹介してくれた。


「よ、よろしくお願いします!」

 おっさんと違ってこの二人はまともそうだから、ちゃんと仲良くならなきゃな。

 ────最初が肝心。

 見たか!俺もちゃんと挨拶出来るんだぜ。


「こちらのスーツの彼女が管制担当のK子君、こちらのメガネをかけた彼がメカニックエンジニアのマナ・B君だ。仲良く頼むよ!」


「───アルファベットでK子よ。よろしく!」

「マナ・Bっていうんだ。指令と同じく僕も海外からの移住者さ」

 二人はハグではなくて手を差し出してきたので、二人とがっちり握手する。


 ふ~ん、K子さんにマナ・B君ね。

 ………ケイ子にマナB………けいことま……

 ────お前ら全員、絶対俺をからかってんだろ?


 そんな時だ

『──人の名前で遊んじゃいけません!』

 俺の頭の中に、小学生の頃に聞いた母さんの教えが響いた。

 ───ああ、そうだ、小学生の時に瀬戸くんと大橋さんの名字いじった事を先生に連絡帳に書かれて、母さんに怒られたんだ。


 まともや甦る小学生の頃の記憶。


 ───母さん、またダメだった。













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