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戦隊モノの青にされたけど俺以外は敵に寝返った件  作者: 観音寺 和
たった一人の戦隊ヒーローの冒険
102/208

第102話 ヒミツの共有の件

────結果はすぐに出た。


「────あ、またあの絵です!」

────五分も走らずにおっさんの落書き付のガードレールが霧の中から現れた。


「う~ん、これは…………」

─────憎たらしいおっさんの絵が更に憎たらしく見えるぜ。

────あ、そう言うことではないな。

────あまりのおっさんの小憎らしさに、理性を失うところだった。


やはり堂々巡りしているようだな………

───ここまで分岐は無い。

だが、俺達は何処かから入って来たのだから入り口はあるはずなのだ。

────その入り口を見つければそこから出られるはずだ。

「────よし、逆走してみるか」

────俺はハンドルを切って来た方向に戻る選択をした。


────だが、結果は同じだった。

方向を変えて小憎らしいあの絵に再会しただけだった。


「………一体私達になにが起こっているんでしょうか?」

「────迷宮(ラビリンス)というよりは閉鎖回路(サーキット)に入り込んでしまった感じかな?」

「────私達はこれから一体どうしたら良いんでしょう………」

「────俺にいくつか脱出方法には心当たりと言うか、案がある。────でも、それを実行するには、またいくつか君に約束してもらわなければならないんだ」


「────良いですよ。約束は守ります。」

「────まだ何も言ってないぞ」

「────貴方は私の事を悪いようにはしないと思いますから。」

「────俺はそんなに信用に価する人間じゃないよ」

「────でも、信じます。」


「────もしかしたら、『チューしたら戻れるはずだ!』とか嘘いうかもしれないぞ」

「────でも、信じます。」


…………………。

────こんなに信用されたんじゃ裏切れないよなぁ。

………まぁ、元より裏切る気はないけどな。


─────もしここでなんかとんでもない事やらかしてみ?

後で寝る前一人になった時に、枕に顔を埋めて後悔でうめき声を上げる奴だ。

─────もしくは走馬灯に登録されて、死ぬ一歩手前でも後悔する奴だ。

────俺は今までの経験を将来にちゃんと生かす男だぜ?


それでは久眠にカミングアウトするか。

「────実は僕は変態です」

─────いやいや、カミングアウトってそう言うことではないな。

「────?」

久眠が聞き取れなかったから小首を傾げている。

────まぁ、わざと聞こえないように言ったけどさ。

これまで同様、俺は紳士としての行動を続けていくからな。

それに、今回のカミングアウトはアオマルの件だ。

今俺が考えている事をやるには、アオマルに久眠をエスコートしてもらう必要がある。

だから、アオマルを久眠に知ってもらわなければならない。


「────まず、もう一人協力者を紹介するから驚かないで欲しい」

「────え?協力者?」

久眠がキョロキョロする。

「────協力者と言っても周りを見回しても見つけられないよ。────視界には入っているけどね。」


「────え?それってどういう事ですか?」


「────アオマル、我慢しないで話して良いぞ!」


『………ハジメマシテ、ボク、アオマルデス』

スピーカーからアオマルの声がした。


「────は、はい、初めまして。ご丁寧に。こちらこそ。」

久眠はちょっと驚いたが挨拶を返した。


「───アオマル……さんは今どちらに?」


「───アオマルはこの車に搭載されたAIなんだ。────いや、この車その物なんだ」


「────AIって?」

久眠が首をかしげる。

────あ、AIって言っても通じなかったか。

「アオマルは車だけど、人間みたいに人格をもっているって思ってくれたら良いよ。ちなみに、アオマルは生まれたばかりだから、まだ学習レベルが低いらしいけど、幼稚園児位の知能はあるよ」


「────わかりました!やっと理解できました。私はこのアオマルちゃんと友達になれば良いんですね!」


「────そ、そうだね、そんな感じで。あと、アオマルはみんなには秘密だから!」


「────わかりました!私達だけの秘密ですね!」

久眠がニコニコ笑う。


『────オトウサン、ボク喋ってイイノ?』


「────このお姉さんはアオマルの味方だから、お話ししても驚かないぞ!」


『────ワーイワーイ!ボク、オハナシ我慢シテタカラ、ウレシい!』


「────まぁそれはまた後でにしておいて、まずは作戦の案の説明をするぞ」


「はい!」

『ワカッタ!』


「────で、一つ目の方法は俺が車を降りて道路をアオマルと別の方向に歩いた時に、この閉鎖空間がどうなるか確認する方法」


「別行動した時にターゲットじゃない方は脱出の可能性が出来るということですね!」


「────そう、別行動がキーだ。………もしそれで脱出できたら、脱出した方が助けを呼ぶ。」


「────わかりました!」

『ワカッタ!』


「────次の案は、俺が車を降りるのまでは同じで、俺はそのまま道路じゃなく、脇に藪を掻き分けて閉鎖回路からの強引な脱出を試みる………」


「とりあえず、まだ案はあるけど、今はまずこの辺りを試してみないか?」


「────はい、やりましょう!」

『ワカッタ!』


「────よし、それじゃあ、まずはお互いに別々の方向に向かうとしよう。」

────俺は車を降りた。

────久眠も車を降りた。


「………………久眠さん?何故に降りたんです?」

「────私も貴方と歩きます!」

「────あ、え~と、アオマルの運転が………」

「アオマルちゃん、一人で動けるよね?」

『デキル!』

「────アオマルが助けを呼ぶにはちょっと無理が………」

「アオマルちゃんのお父さんの知ってる人を見つけたらここに連れてこれるよね!」

『デキル!』

「────アオマルに乗ってた方が安全だと………」

「────私、"わかった"んです。今は貴方と行動すべきって。」


───あ、例の特殊能力でわかっちゃったってこと?

───ま、まぁそう言うなら、そうしようか。

というか、全く揺るがない意思を感じたから俺には言い返すことが出来なかった。


「────とりあえず俺達はこっちに進むから、アオマルは来た方向に向かって走ってくれ。───それで脱出出来た方は助けを呼ぶって方向で!」


───そう言って俺と久眠は先へ進む方向へ歩き、アオマルは来た方向に戻る事にした。


『バイバ~イ』

「いってらっしゃ~い!」

「無理するなよ────!」


────よしとりあえず歩くか!



これから冒険です。

ですが、実はこの章の冒険は当初、初めてのお使いよりも簡単な冒険の予定でしたが、しょっぼい冒険は後回しにしてちょっと謎や不思議のあるストーリーを先に持ってきました。

まぁ、そっちの方も冒険には違いありませんので。

なんかこの章長くなりすぎましたし、もしかすると章の構成を再構築するかもです。

「内容が無いよう」でなおかつ、「内容に偽りアリ」なので。

大人の汚い後出しじゃんけんで真骨頂を見せますぜ!

(後でこの小説を読み直した時に、これまでの後書きと内容がつじつま合わなくなっていたら、「あ、コイツやりやがったな」と思っていただければ幸いです。今のうちに謝っておきます。────メンゴ!)



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