表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日から学校と仕事、始まります。①莞

とりあえず、平和守った

作者: 孤独

「うぇ~ん。アシズムさ~ん」

「ど、どうしたんだいミムラちゃん。傷だらけじゃないか!」


泣いている女の子が、とある喫茶店にやって来た。


「広嶋くんと一緒に異世界行ったのに、ボロボロにされました~!も~、せっかくの旅行が~」

「彼がいたのに!?何があったの!?」


とんでもない事を簡単に説明してくれてありがとう。

手間が省ける。



◇      ◇



忍びの世界。ここに2人はやってきた。

ミムラは世界観に合わせて可愛い着物でやってきたのに、相方の広嶋ときたら


「カジュアルな格好でバットケース背負ってるのはどうかと思うよ。世界観に合わないよ!」

「うっせーな。旅行に来たんじゃねぇーんだぞ。なんだその、トランクケースは?」

「旅行するために買ったから使った」


旅行気分の沖ミムラと、任務を遂行するための広嶋健吾。こんな楽しい事を楽しんでくれない。けど、めげないね。ミムラはちょっとでも楽しくしようと努力はしたい。


「暗殺だの殺人だの。積極的にやるのは良くないよ、広嶋くん」

「それは敵に言え。俺もお前もアシズムに変わって、こーんなちっさい世界が終わりそうなところを止める役目だ。危険な種が芽吹く前に親玉を潰しに行く。そんだけだ」

「自分の身が危なくなるのに?」

「俺が危ない?んなことあるわけないだろ」

「そっか!じゃあ、のんびりしよう。今のこの世界はのどかなんだから」

「俺はさっさと地球に戻りたい。バッセンすらねぇーんだ」

「いいからいいから!」


そー言われるがまま、広嶋はしぶしぶミムラの異世界旅行に付き合う羽目になった。

まぁ、広嶋だってミムラを付き合わせているわけだから。多少の気持ちがあるのかもしれない。



◇        ◇



今回のターゲットは忍びである。

この異世界に忍びという怪物を表に解き放ち、まさに戦乱の世へと変えようとする。

それを未然に防ぐため、広嶋は親玉の首を獲りに来た。親玉さえ死ねば、そんな世にはならない。



ガキイィッ


野球のバット。その一振りで部下の忍者共を一掃。


「どーした?こんなんで世界を獲れると思ってんのか?忍者共」

「くっ。異国の分際で!我が思想、夢に歯向かうとは!」



とてつもない余力を見せられ、勝ち目がない事は分かっていた。



「お、覚えていろ!」


親玉は撒き微視を地面にばら撒き、わずかでも広嶋の足を止め、逃げる戦略をとる。


「無駄なこった。時間の問題だぜ」

「待って広嶋くん!!」

「あ?なんだ、ミムラ」


ばら撒かれた撒き微視には毒がある。そう言いたいのか?気付いているんだけど?



「”撒き微視”を撒かれたよ!”ま~キビシー”。……どー!?即興にして、渾身の駄洒落!!」

「………………」

「笑っちゃう!?笑っちゃうよね!」


広嶋は笑わずに、満面な笑みのミムラの横に立って、打つ構えをとった。



バゴオオォォッ



「お前をゴロそうとしたら、ゴロになっちまったわ~」

「ぎゃあああぁぁぁっ!!」



言葉通り、ミムラをバットで打って強いゴロとなる。ミムラは転がりながら、撒き微視に突き刺さり、ターゲットへと向かっていく。


「うあああぁぁっ」

「ああああっっ」



ドーーーーンッ


ゴロでも当たりはホームランってところ。100点満点の当たりである。

見事に広嶋とミムラは親玉を討ち取り、この世界の平和を維持したのであった。



◇      ◇


というわけで、ミムラはボロボロな体になって、地球へ帰還したのである。




「ねっ!酷いでしょ!広嶋くん!私をバットで打つ意味あった!?広嶋くんの駄洒落の方がつまらないのに!!私が広嶋くんを蹴飛ばしたかった!」

「話しを3分聞いたけど、絶対に君が悪いよ。殺されなくて良かったね」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ