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裏表のある勇者と旅してます  作者: 玉川露二


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そんなものを覚えろって?

リンカはしばらくカタカタと青い顔で震えていたけど、私たちが紅茶を用意したり優しい声をかけたりしていたら段々と震えも止まって顔色も普通に戻ってきた。


そして落ち着いてきたら見たことがない人がいるのに気づいたのかチラチラとヒズを見ていて、ヒズは親しげに声をかける。


「私はヒズ・ジョーエスですう。あなたのお名前は?勇者御一行とはお知り合いなんです?」


ヒズのほんわかした声と雰囲気で完全にリンカの表情は緩んだけど、それでも知り合いとも頷けなくて微妙な微笑みを浮かべている。


「ええと…私はリンカです。勇者一行とは前に何度か会った程度で知り合いってわけじゃ…」


モゴモゴと話をおわらせ、リンカはそろそろとサードに視線を移す。


「それで、話って…?」


サードはニッコリ微笑んだ。


「少々ここでは話にくいことですので、夜にホテルでゆっくり話しましょう」


夜に、ホテルで、ゆっくりと!?こいつリンカに何する気!?


私はリンカの前に腕を伸ばした。


「あなた何考えてるの、魔族の女の人は相手にしないんじゃなかったの!?」


「魔族?え?」


キョトンと聞き返すヒズの声にハッとする。


しまったわ、普通にリンカが魔族だってこと言っちゃった…!


慌てて自分の口をふさぐとアレンも慌てて私のフォローに回る。


「大丈夫!リンカは悪い魔族じゃないしいい子だから!」


違う、違うそうじゃない。フォローするのそこじゃない。


するとヒズはまん丸の目を更に丸くして、


「ええ!本当に魔族さんなんですかあ?殺す?なあ殺す?殺す?こいつ殺す?」


驚くヒズの顔がニタニタとしたリビウスの顔に瞬間的に変わるとリンカは「ひっ」と脅えた。それでもすぐさまガウリスがリビウスの腕を抑える。


「いけません、彼女に戦う意思はないでしょう?」


リビウスは少し考えこむ顔をしたけど、目の前の脅えているリンカを見て戦う気も無くなったのか、すぐさまヒュッとヒズの顔に戻る。ヒズはリンカをマジマジと見ていて、


「魔族さんって思ったより可愛いんですねえ」


と小首を傾げた。でもヒズの表情と態度の激しい変化にリンカは脅えている。


「あのねこの子色々と事情があって、一つの体に他の人の魂が出入りしているような状態なのよ」


「あ、ああ…そう、なの…」


心臓を押さえているリンカは私の言葉に軽く頷く。サードは微笑みを崩さないまま、


「エリーが何か勘違いしておられるようですが、ただお聞きたいことがあるだけです。ホテル代は私たちの方で出しますので、話し合いに参加していただけますね?」


参加していただけますねって相手に猶予は与えてるけど、ホテル代まで出すって言ってるんだからそれってもう断れないじゃないの。


リンカも私に何を聞きたいんだろうと不安そうではあるけど、それでも、


「他の皆さんも一緒なら…」


と頷いた。するとアレンがリンカに質問する。


「そういやリンカってサンシラ国の神様と一緒にどっか行ったんじゃなかった?何でこんな所で一人歩いてたの?」


「神様!?」


ヒズが反応してまた目を見開く。


「ああ、俺らサンシラ国で神様に会っててさぁ。リンカは神様が好きで神様の所にいったわけ。な?」


…サードが「ペラペラ喋りやがってこの野郎…」って顔でアレンを睨んでいる…。


アレンはサードに睨まれているのに気づいて「え?」と驚いた顔をした。


「だってサムラと一緒の時にもこういう話とか普通にしてたじゃん、え?駄目だった?」


「サムラは道中で神々に会うような流れにあったからです」


どうやらヒズ相手に神様とも親しいのは隠しておきたかったみたい、サードは。

うーん、でもそうね、サムラは素直だったけど言っていいこと悪いことの区別は自然とつけていたもの。


それでもヒズは色々と聞かれたら、


「勇者御一行は神様や魔族とお知り合いで~」


って全部言っちゃいそう…。神様はともかく魔族の皆とも知り合いだって広まるのはちょっと後々面倒事が起きそう。…いや私がバラしちゃったんだけど…。


それでももうバレてしまったのならしょうがないって顔でサードはヒズを見る。


「今言った通り、私たちは冒険の途中で様々な存在と出会い知り合いになっています。しかし魔族の知り合いについては人間に親しい感情を持っている者のみ、人間に敵対心しか持っていない者は討伐してきています。

神については魔族と関わる中で相対する存在として何度か出会ってきました。しかしあまり他言しないようにしていただけるとありがたいですね」


「何でですう?すごいじゃないですかあ」


ヒズは素直にそう言うけど、サードはそういうんじゃねえんだよ、と言いたげに続けた。


「世の中には口うるさい者も多いのです。神や魔族と知り合いだとなれば妙な好奇心を持って近づく者もいれば、(おとし)めようとする者もいます。そうなると冒険する中で我々が苦労するのですよ」


「そうなんですかあ…。分かりました。皆さんが大変になるならお口チャックしておきますう」


ヒズは「お口チャック~」と口をチャックでとめる動きをしている。

サードはこいつ本当に大丈夫か?とかなり警戒の顔をしているけど…そんなサードの雰囲気に気づかないままヒズはリンカに声をかける。


「ところで魔族さんは神様になれるんですかあ?」


リンカはかすかに頷く。


「ファリア様っていう女神様なんだけど、その方が言うには別の世界の東では私みたいな魔族とかモンスターに近い存在が神様の元で人を守護する存在になることがあったみたいなの。それで私、神様を信仰する人を守る存在になりたくて…」


「やりたいことが見つかったのですね、おめでとうございます」


ガウリスが微笑みながら声をかけると、リンカは嬉しそうにパッと顔をほころばせて、


「はい…!」


と頷いている。


「すごいですう、魔族さんなのに神様になろうとするなんて…それじゃあこれから皆を守ってくれるんですねえ?」


興奮状態のヒズがすごいすごいと声をかけると、リンカは両手と顔を横に振った。


「あ、そんな…まだ修行してるので人を守る力も何もなくて…」


「修行?修行って、何すんの」


アレンが聞くとリンカは少し微妙な顔でボソボソッと、


「…私自分に自信ないし、魔界の人たちは怖くて自分をどうしてもさらけ出せないっていうか、私って弱いから何に対しても自分は全部ダメって思うことが多くて…」


まあ自信なさげでオドオドしてるのは分かるって頷くと、リンカは続ける。


「ファリア様から自分を満たしなさいって言われたの。自分が確立してない人が他の人を助けられるかって。

でも自分を満たすってどうすればいいのかよく分らなくてヘルィス様っていう女神に相談してみたら、人間界を歩いて色んな経験をしてきなさい、それが最初の修行よって言われて…とりあえず人間界を歩いていたの」


リンカの話を聞いたヒズは目を大きく見開いて、嬉しそうにリンカの手を握る。


「そうなんですか?同じですう、私も色んな経験をしなさいって言われて家から出て勇者御一行と一緒にいるんですう」


そうなるとリンカの顔が親しみを覚えたようにわずかに微笑んだけど、それでも少し落ち込んだ顔をする。


「でも旅をしていると疲れて…」


「魔族は人より体力があるのでは?」


サードの言葉にリンカは首を横に振る。


「人と関わるのが疲れちゃって…。人間って魔族のこと嫌ってるから神様みたいな人が多いのかと思ってたけど、自分勝手に振る舞って傷つける人も多いのね。

話しかけても知らん顔する人は多いし、声が小さくて何言ってるのか分からないとか言われるし、よそから来たってだけで石を投げてくる人もいたし…」


そう言われると…ぐうの音も出ない…。確かに魔族のことを嫌っててもイヤな性格の人が多いのは事実だもの。…サードを含めて。


リンカはため息をついて更に落ち込んでいく。


「守護する存在になったらあんな嫌な人たちも守らないといけないんだって気づいたら嫌だなって思っちゃって。やっぱり私は魔族だから、神様みたいにそれでも守りたいって優しい気持ちには一生なれないのかも…」


でもよそ者ってだけで石を投げてくる人も守らないといけないって言われたら私だって嫌よ。まあ勇者一行の立場上、そういう人たちもいざとなれば守らないといけないのだけれど。


するとヒズはまだ握っている手を更に大きく揺すった。


「いいんですよそれでえ」


「え」


リンカが驚いてヒズを見る。ヒズはニコニコと、


「私も前に嫌だなあって思ったことがあったんですう。そうしたらエリーさんがそれも大事だって言ってくれたんですよお。そういう嫌なことを嫌って思うのもすごく大事なんだよって。ね、エリーさん」


…寝てしまったと思ったけれど、覚えててくれてたの。


私は微笑みながら頷いた。


「…嫌なことは嫌でいいってこと?」


リンカが私に振り向き聞いてきて、私はまた頷く。


「当たり前じゃない。だって嫌なものはどう頑張っても嫌だもの」


「…」


そっか、いいんだ、と目をパチクリさせながらリンカは小さく頷き続けた。


* * *


ホテルに入ってヒズが寝静まった夜九時過ぎ、皆が私の部屋に集まっている中、私はサードの宣言に驚いて目を見開いた。


「ええ!?私がリンカに忠誠を誓って黒魔術を覚えるの!?」


「そうだ」


サードは軽く頷くけど、私はちょっと待ってよ、と首を横に振る。


「だって今でも黒魔術って名前を聞くだけで皆が眉をしかめる状態なのよ?そんなのを勇者一行の私が覚えて、それを一般の人が見たら…」


「誰が人前で黒魔術を使えだなんて言った?とにかくゾルゲに対抗するために覚えとけ」


「でも…!」


「でもじゃねえ。単純な力だとエリーのほうが強いかもしれねえが、あのクソエルフは知識がある分やり方がせこい。少なからず覚えられるもんは何でも覚えておいて損はねえ、覚えろ」


するとサードは私の荷物入れから黒魔術の本を取り出してリンカの目の前に放り投げた。


「それは人間界に唯一存在する黒魔術の本だ。お前読めるか?」


リンカは驚きながらも黒魔術の本を広げる。でもすぐさま困った顔になった。


「読めない…」


「使えねえ…」


サードの一言にビクッとリンカは震えたけれど「でも、でも」と続ける。


「私が言うのもなんだけど…やっぱり勇者の一人が黒魔術を覚えるのはやめたほうがいいと思う。もし人間たちにバレたら後が大変になるでしょう?」


「さっきも言った通り、覚えられるものは覚えて損はねえ。それに一族関連の奴らから一番被害に遭ってんのはエリーだからな。…魔族の血が入ってるくせに…」


最後に取ってつけたようにボソリと言われた言葉にイラッとして、


「嫌よ、私覚えないから」


とプイッと視線を逸らす。


「黒魔術がそんなに悪いもんか?」


「悪いでしょ、魔族のリンカだってやめたほうがいいって言うんだから」


人に対して親しい感情を持っている魔族もいる。


でも黒魔術士の魔法がビルファにかけられたことでミレル一家の人生は大きく変わってしまったんだもの。

いくら私たちが魔族にも良い人はいるって分かっていても、世間的にはそれぐらい悪影響を与える存在。仮に私が黒魔術を覚えているのがバレたら大問題だわ。


するとサードは続けた。


「確かに黒魔術は人を殺す魔法が多い。だが考えてみろ。ケッリルん家のヤリャナが難産で親子もろとも死にそうだったが二人とも無事に助かった。それは何でだ?」


「難産をどうにかされたから」


「誰の手でそうなった?」


「…通りすがりの黒魔術士…」


「それに体と魂が分離したケッリルの蘇生が成功したのはミラーニョが何をしたからだ?」


「…黒魔術で…魂を繋ぎとめて…」


サードに誘導されるように私は答えていく。

…誘導されてサードの考えた通りに言わされてるから何かムカつくけど、それでも心の奥底では何となく思ってしまう。


そう考えたら、黒魔術って使い方次第では人助けもできる…?


私の考えがわずかに変わったのに気づいたのかサードは頷きながら、


「悪いことばっかりでもねえだろ。カーミだってヲコに間近で火を吹かれても覚えてた黒魔術で回避して生き延びた。俺が解読できた部分だけでも危険を回避できる項目もかなりあるぜ。

まずゾルゲに対抗できるかどうかは分からねえが、黒魔術を使える状態にしておけば後々役に立つこともあるかもしれねえ」


「毒の知識が無いと解毒ができないってやつだな」


「まあそうだな」


アレンの言葉にサードは簡単に頷いた。


毒の知識がないと、解毒ができない…。


黒魔術の本をチラと見る。


その薄茶色の本を見てカリータの顔が浮かんだ。それと黒魔術の本を渡す前にカリータが私に問いかけてきた言葉も。


『失礼ですけど確認させてください。エリーさんは黒魔術の知識を、毒にするのではなく薬にするために知りたいと言っているのですよね?』


それに対して私は黒魔術で苦しんでいる人を助けたいって返した。

カリータはその言葉を聞いてあなた達が私たちの待ち望んでいた人だったと涙を流して、ハグをしてから消えた…。


あの時のことを思い出すと腹が決まった。私はリンカを見る。


「それなら私、リンカに忠誠を誓うわ」


「へっ」


リンカは顔を上げて驚いた顔をするとあわあわと手を動かし、


「で、でももしバレたらどうするの?勇者一行の一人が黒魔術を使うなんて…」


フッ、と鼻で笑う声が聞こえて、リンカも私も鼻でせせら笑った人に視線を動かす。

するとマイレージがおかしそうにニヤニヤしている。


「大丈夫、覚えておけよ」


リンカは心配の表情で首を横に振り、


「それでも世間にバレてしまった時大変になるのはエリーさん…」


「バレねえよ、絶対にバレねえ」


マイレージは、ないない、と手を横に振る。するとマイレージの顔がヒュッと変化して、くりくりとした目になって首を傾げた。


「どうしてですう?」


「え、ヒズ!?」


九時過ぎだからおねむの時間に入っているはずのヒズが…まさか起きてた…!?


驚いて声をあげる私にヒズは微笑んで両手をグッとにぎり、


「大事な話だと思って頑張って起きてましたあ」


思わずサードにバッと視線を動かす。今までサードは何でもペラペラと喋ってしまいそうなヒズの前ではずっと表向きの顔しかしていない、でも今はずっとヒズの前でいつも通りの裏の悪い表情と口調をして…!


「おま、寝て…なかったのですか?」


話してる最中でサードは表向きの顔に切り替わったけど、その笑顔はかなりぎこちない。

するとヒズの顔つきがマイレージにヒュッと変わって、クックックッと笑いだした。


「もう神とも魔族とも知り合いだってバレてんだ、ヒズもそれについて喋らねえって言ってんだからもうどうなったっていいだろ。お前の本当の性格がそんなのでもヒズも気にしねえよ」


「…てめえ…」


サードの表向きの顔が崩れてマイレージを睨み胸倉を掴んだ。


「おっと、殴るか?女に暴行働く気か?御高名な勇者様が?」


マイレージはケケケ、と笑いながら引っ込んで、その顔はヒズに戻る。


「殴るんですかあ?」


「…殴んねえよ」


サードは手を離して、イラついたように長々とため息を吐きながら片手で頭を押さえ、片手を腰に当ててからヒズを横目で見た。


「…今までの話、全部聞いてたな?黒魔術を覚えるってのも」


「聞きましたあ。でもそれも冒険する中で必要なことだって今サードさんから聞きましたから大丈夫ですう。けどどうしていつも今みたいな喋り方じゃないんですかあ?」


サードは明らかにイライラしながら、ヒズに詰め寄っていく。


「俺がこんな性格だったら世間に通ってる完璧な勇者像が壊れて変に不信感を持たれるだろ、そうなったらその先が面倒になるからだよ。お前も変に素直だから他の奴らに俺らとの旅はどうだったって聞かれたら何でもペラペラ話ちまうだろ、ああ?」


もう何も隠すことなく悪態をつくサードにヒズは慌てて首を横に振った。


「言いませんよお」


「てめえみてえな奴は言わねえつってても無意識にポロッと言っちまうだろうよ」


「本当に言いませんよお、信じてくださあい」


「信用できねえんだよ!てめえのそのフワッフワした脳みそが!」


指を突きつけながら怒鳴るサードにヒズは「ヒャッ」と肩をすくめて、シュン、と落ち込んでしまった。私はサードを睨みあげる。


「そんな言い方ないじゃないの。ヒズだって本当に言うつもりもないのは分かるでしょ、自分のイライラで当たり散らさないでよ」


「…」


サードはチラと私を見下ろす。


「リンカは魔族だってポロッと言っちまうような奴が何言ってんだか…」


ウッと私も思わず黙り込む。


するとヒズの表情がリビウスに切り替わった。でもどこかオドオドとした顔で私を見てくる。


「エリー、黒魔術覚えんの?」


「ええ。この黒魔術の本をずっと守っていた女の人が言っていたの。もし黒魔術の毒がはびこったその時、誰もその毒の知識を知らなかったらまた黒魔術狩りの惨劇が繰り返されるかもしれない、それを食い止めて、黒魔術を毒じゃなくて薬として使ってくれる人を待っていたって」


カリータの言葉を思い出しながら私は黒魔術の本に触れて、リビウスを真っすぐ見る、


「だから私は人を傷つけるためじゃない、救うために黒魔術を覚えるわ」


私の言葉にリビウスからオドオドとした表情が消えて、パッと明るくなった。


「そっか!人を助けるためか!なら良かった!」


リビウスはアハハ!と笑いながら私に抱きついてくる。


「インラスも黒魔術使えてな、人をいっぱい怖がらせて苦しめてたから…エリーがそうなんないなら良かった」


…。そう、インラスは本当に自由に動いていたのね…。それよりインラスって黒魔術使えたんだ?やっぱりインラスが魔族…?


するとインラスの本当の性格を知らない皆は「えっ?」て驚いた顔になっていて、アレンが何か言おうとするよりも先にリビウスが続けた。


「ナディム!黒魔術覚えるならナディムに色々聞けばいいと思う!ナディム魔族で頭いいから!」

テレビ番組内で自衛隊は要らねえ云々言っている人がいて、その話を聞いてどうですかと振られた自衛隊の人が、

「それでも守るのが私たちの仕事です」

と返して散々自衛隊要らない言ってた人が黙ったって話、カッコ良すぎて痺れる。惚れてまうやろ。

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