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裏表のある勇者と旅してます  作者: 玉川露二


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触らないで

「エリーお手柄じゃん!」


アレンがはしゃぎながら私の肩を叩く。


お昼になって女の子たちは一旦帰るみたいだったから私も拠点になっているこの家に戻ってきた。するとアレンだけがお昼ご飯を食べに戻っていたから今見てきたこと全部を伝えたところ。


アレンはまだはしゃぎながらも確認するように、


「それならケッリルのあのレイスになってる魂が体に戻ったら普通の状態になるってことだろ?そうなりゃケッリルもあんな幽霊みたいな感じじゃなくなるんだな!」


多分ね、と頷いてから私は続ける。


「できるならすぐに体をここに連れてきたいって思ったんだけれど…私一人じゃそんなの無理だし、それに帰ってくる途中で気づいたんだけど急にケッリルの体が無くなったらミセスが騒ぎ出すんじゃないかしら」


とりあえずケッリルはミセスに大事に扱われている。


そんな大事に扱っていた人が急に消えてしまったらミセスが誰が持っていったと騒いで村中を探し回るかもしれない。ミセスだってバファ村に居るんだから黒魔術を使えるだろうし、黒魔術であれこれと調べられて私たちに足がついてしまったらジルの協力者にこぎつけたことすらパァになって逆に追い込まれてしまうかも。


そんな私の考えを聞いたアレンは、確かにと頷く。


「黒魔術で色々調べられてバレたら色々計画も崩れるよな。この家にケッリル隠すったって屋根裏くらいしかないし、屋根裏なんてすぐ見つかる場所だし…」


そうそう、と私は頷く。


…でもできれば早めに助け出したいけど…ミセスに口をベロベロされているって聞いちゃったし…。


と、扉が開く音がした。


誰か帰ってきたとパッと振り向いて…ギョッとした。


玄関に立っていたのは金髪のボウズ頭にガラの悪い目付きで無駄にムキムキな…。


ジル…!?


目を見開いて玄関に立っているジルを見ていると、ジルは私の姿を発見するや否やズカズカと近づいてきて、腕をガッと掴み上げた。そのあまりの力強さで捕まれて、痛みで声が出そうになる。でも歯を食いしばって耐えた。


ジルは私の痛がる顔を楽しそうに覗き込むと、更に力をこめて腕をねじり上げて視線を合わせる。


「おい、デートしようぜ」


は!?誰があんたなんかとするものですか!


首を横にブンブンと動かして拒否するけど、ジルはケケ、と笑いながら力任せに私の肩を抱き寄せた。


「お前拒否できる立場なのか?え?」


そう言いながらジルは外に向かって私を引きずるように外へ連れて行こうとする…!


「エ…!」


アレンが声を出した。ジルはグルリと振り向いて、アレンはヤッベ、と顔を引きつらせる。それでも止めようとしてくれているのか手をワタワタと動かして、


「エ、エ、エエエ…」


と喋ろうか、いや喋っちゃいけないかと半分パニックになっている。


「あん?」


何だてめえ、とばかりにジルが(いぶか)し気な顔をしながら声をかけるとアレンはパニックの顔から何か決意した顔になって、ダッと駆け出すとジルの腕から私を引ったくってガッチリと抱えこむ。


「エ…、この子は俺んだぞ!手ぇ出すなよ!」


喋らないはずのアレンがしっかりハッキリ喋ったからかジルは一瞬目を見開いた。でもすぐに鼻でせせら笑う。


「お前の?嘘つくなよ、寄越せ」


ジルはすぐにアレンの嘘を見破って私を引き寄せようとするけれど、アレンは拒否してジルの手を避けながら後ろに下がって、同時に守るように私を後ろに隠す。


「ダメ!俺のだから!」

「嘘つくなつってんだろ」


「嘘じゃない!俺んだもん!絶対やんねーから!」


最初は楽しげだったジルだけれど、どこまでも拒否するアレンにイラッとした顔になって、その手からミラーニョを爆発させた時と同じようにボッボッと爆発がしそうな音が起きて腕に炎がチラチラ現れる。


「奴隷ふぜいが生意気に女を自分の物宣言してんじゃねーよ!」


「違う、俺パシリ!」


「同じだクソがーー!」


ジルが腕を振り上げ、危ないと私はアレンの着ている変装用のマントを思いっきり下に引っ張った。

これはケッリルから習った武術の一つ。後ろから相手の上着を真下に引いてバランスを崩し転ばせるもの。


アレンはいきなり私に引っ張られて床に転んで、ジルは爆発魔法を使いながらアレンを殴ろうとしていたけれど、アレンが急に目の前から消えて代わりに私が現れたのをみてか、無理やり手を横に向けて手を握る。


と、その手の内から大きなドォンッ!と爆発する音、熱風に炎が周囲に飛び散って家中の窓ガラスがビリビリと震えた。


…え、もしかして今のでジルの手が吹き飛んだんじゃない?まさかの自滅?


首を動かすけれど、ジルの手はしっかりある。ただ指の隙間から黒い煙が立ち上っているだけ…。

ジルはわずかに手を二回振って自分の服に手の平をこすりつけると、私をジロリと見て指をクイクイと動かした。


「いいから来い」


私は首を横に大きく振って床に転げたアレンをかばうように後ろから肩を支えながらジルを睨んだ。

こんな躊躇(ちゅうちょ)もなく仲間に向かって爆発魔法を使おうとした奴と…それも敵対する魔族と誰が出かけるものですか。


そんな態度の私にジルは余計に苛立った顔になって、ズカズカと近づいてアレンを蹴飛ばすと私の胸ぐらを掴んだ。


「俺に逆らうってえのか?あ?てめえ何様だ?」


「やめ…」


アレンがジルを掴もうするのと同時にアレンの姿が見えなくなって、気づくと町中にジルと二人立っていた。


…転移魔法…!?どうしよう、こんな凶暴な男と二人きりに…!まさかまた襲われる?でも神様に祝福されたのを聞いてやる気がなくなったんだし、とりあえずその心配はないかしら。

でも、それでもこの男と二人きりは危険すぎる。逃げなきゃ…!


逃げようと後ろを振り向きかけると、ジルは私の肩に力任せに腕を回した。


「逃げようとしてんじゃねえよ」


そのまま私のあごを力任せにすくい上げて、目が合う。その瞳の色はミラーニョと同じ黒に近い灰色…。こんな状況だけどやっぱり兄弟なんだと思わず考えていると、ジルはどこかゾクゾクとした顔になって息を荒げる。


「たまんねえ…怯えながらも反抗的に睨むその目…」


ウッ。


ジルの胸に手を突っ張って離れようとするけれど、ジルはガッチリと私を捕まえたまま頬をビタビタと叩き、腕を突っぱねる私の手を取る。


「ほらみろ、寒いんだろ?冷えてるじゃねえか。てめえのことは特別気に気に入ったから暖かい服でもくれてやるつってんだ。あの黒髪の詐欺師はケチな男みてえだからな、こんないい顔なのに貧乏くせえ服しか着せやしねえ」


ジルは逃げようとする私の肩を抱えながら引きずるように連れていく。

それでもケッリルから習った護身術でジルからわずかに離れたからそのままダッシュで逃げようとすると、素早く腰を掴まれ引き寄せられた。


ウッ…!肩より腰に手を回される方がやだ…!


必死に腰からジルの手を剥がそうとグイグイと引っ張ると、ジルはゾクゾクとした顔のまま私を見下ろしている。


「おいおい、肩と腰が駄目なら…ここか?」


腰を伝ってお尻の方に手が伸び始めたから、ゾワッと鳥肌が立って思わずジルの手をビシッと力任せに叩いた。

でも同時にわざわざ怒らせるようなことをしてしまったと息を飲みながらジルを見上げると…予想外にジルは全然怒ってなくて、むしろ嬉しそうっていうか…興奮の顔つきで舌なめずりをしている。


「いい曲線の腰だな…たまんねえ、舐め回してえ」


その表情と言葉に心の底から嫌悪感が湧いて眉間にしわを寄せてからジルを睨んで、逸らした。


「反抗的な態度だなおい」


ジルはそれでも楽しげで、私の耳元に顔を寄せる。


「それでもクソ神が手ぇ出したのが無しになればもう俺の思うがままだからな…その時にその反抗的な態度がどうなるか…楽しみじゃねえか…なあ?」


ケッリルに耳元で話されるのとはタイプの違うゾワッとした感覚が押し寄せた。


やっぱりイヤ、こんな好きでもない男に嫌いな話題しか振られず馴れ馴れしく密着されるなんて…!

…魔法で攻撃して逃げようかしら、どうであれジルより私の方が強いんだもの…。ああでもそんなことをしたらあれこれと動いてジルに接触して協力者の立場までこぎつけたサードの努力が無駄になる。


むしろサードなら…サードならこういう時どうやって逃げる…?


想像してみる。

でも頭の中でジルに肩を抱かれたサードが内臓をえぐるようにジルの横腹に肘をねじり込んで沈めている姿しか想像できない。まあサード相手にジルは肩に手を回しやしないでしょうし、魔族相手じゃ人間の肘鉄程度の攻撃は効かないでしょうけど。


…でもサードがジルと二人になったらなったであれこれとジルから情報を集めて、ついでに自分の都合の良くなるようなことをジルに言い含めるはず。…でも私は話せないし…。だったらどうやって逃げれば…。


あれこれ考えているうちに私は普通にジルに肩を抱かれながら隣を歩いていたようで、ハッと気づいたら何かしらのお店の前に立っていた。

看板を見る限り…女物の服のショップ?なんかドレスっぽいような、でも本格的なドレスじゃないような…えーと『ロリータファッション専門店』…?何そのロリータファッションって。


看板を確認しているとジルはショップのドアを蹴破った。驚いて固まる私をジルは引きずりながら中に入っていく。


お店の中にいた女性の店員たち…貴族のドレスのような…それでもどこか違うようなフリル多めの服を着た女性の店員たちは、ジルの姿を確認すると一瞬引きつったような動きをしてからすぐににこやかに笑って、


「いらっしゃいませジル様!本日はどのような…」


と物腰も低くぺこぺこと入口に集まってくる。


「服!こいつに合う上等な服だせゴラ」


ジルはそう言いながら入口近くの帳場を蹴飛ばした。

その一蹴りで帳場の台が破壊されて、木製の破片が周囲の服を巻き込んで壁を壊す。店員たちから小さい悲鳴が漏れて身をすくめている。


なんてことをするのこいつ…!


ジルを止めようとすると女性の店員が慌てたように私の前までやって来て、(うやうや)しい手つきで奥の方へどうぞと促す。

でも私は首を横に振って拒否して後ろに一歩下がる。


だってジルがお金をしっかり払うかどうか疑わしいし、私だって急に連れ去られたからお金を持っていない。何よりこんな男から渡された服なんて着たくもない。


すると店員さんの目に懇願するような光が宿った。


お願いだから言うこと聞いて。そう訴えかける脅えた目を見て気づいた。

そっか、このまま私が拒否し続けたらにジルの怒りの矛先がこのお店の人たちに向かうかもしれいないんだ…。


そう気づくとどこまでも嫌と拒否できなくて、微妙な気持ちのままお店の奥に進んでいく。

そのまま少し広めの試着室に入ると、あれこれと服を用意されて二人の店員さんたちに恭しく服を脱がされて、そして着せられて…。


…貴族時代でもここまで丁寧にされたことはないわ。まるでどこかの王族になったかのよう…。


すると外からはジルと女性の店員のへり下っている声が聞こえる。


「そ、それにしても最近妹のドレー様はいらっしゃりませんねえ?前は頻繁にお二人で来てらっしゃったのに…」


「まあな、他の国に行ってっからな」


「あ、じゃあ今の女性は?もしかして彼女ですか?」


「フフン、まあな」


違うわよ。


何を満足気に笑ってるのよあの野郎と心の中で口汚く思いながらムッスーと頬を膨らませていると、店員の二人が私を見ている。


その表情からは「この子はジルに無理やりつれ回されているんだわ、可哀想」と言いたげなのが見て取れた。

服を着せながら店員の一人が耳打ちしてくる。


「そんな顔してたら殺されるかもしれないわよ、嫌でも笑顔でいなきゃ」


そんなこと言われたって…イヤなものはイヤだもの。


ムッツリ黙っているともう一人の店員が背後で服の襟首から私の髪の毛をスー…と引っ張り出して、ため息をつく。


ジルに対してのため息かと思っていると、


「綺麗な髪ですね…」


と呟いた。すると忠告してきた目の前の店員も私を見て、


「それになんて綺麗な肌に整った顔…これは魔族でも惚れ込むわ…」


「そういえば、勇者御一行が首都に入ってるって噂があったわね」


「ね」


「女魔導士のエリー・マイも金髪碧眼の人だっけ」


そこで二人は黙り込んで、背後の店員さんが沈んだ声でかすかに笑う。


「…あなたが勇者御一行だったとしたら…あの魔族をやっつけてこの国もちょっとは良くなったりするのかしら」


すると目の前の店員さんは目を伏して、馬鹿にするように無気力に笑った。


「ふふ…ないわ」


希望なんて無いとばかりの無気力な声と笑い顔…まるでイクスタみたいじゃない。最初から全部諦めてどうせ無理だろって鼻で笑っているような…。


でもこの人たちもこの国がおかしいと思っていて、現状をどうにかして欲しいと思っているんだわ。それなら私たちが思っている以上にこの国でもっと平和に、安全に暮らしたいって人たちがいるはず。


だとしたら、勇者一行としてやれることは確実にある。


「私はそのエリー・マイよ」


小声で二人に声をかけると、店員さんたちの手が止まる。でも即座に馬鹿にする顔になった。私が嘘を言っていると思っているんだわと思ったけれど、とにかく続けた。


「今私たちはジルの協力者として近づいたのよ。私たちもこの国をどうにかしたいと思ってる、どうなるか今はまだ見通しはつかないけど…待ってて、少しぐらいこの国をよくしてみせるわ」


私の真剣な気持ちを伝えると、二人は「え?本物?本当に?ウソ…」と困惑している顔をしていたけれど、少しずつ本当なのかもと信じてくれたのか段々と目が希望に満ちてキラキラしている。


「でも他の人に言わないでね、ジルに信用されるのに随分苦労したのよ。ジルに私たちの正体がバレたら失敗に終わってしまうから。だからお願いね」


「じゃあこうやって一緒に行動してるのも計画の内なの?」


小声で聞かれるけれど…それは違うのよね。こうやって連れ回されるのはあまりにも計画外のことだもの。


するともう一人の店員さんが、


「きっと色仕掛けよ、このエリーさんの見た目で魔族の懐に入ろうとしているのよ」


と興奮したように言う。


ウーン…それも違うんだけど…それでもこれ以上ヒソヒソとでも喋っていたら私が話せるってことがジルにバレるかもしれない。だから軽く頷いておくと、二人はすごい…と言いたそうなキラキラした目になるとやる気に満ちた手つきで、


「この色の方が似合うんじゃないかしら」

「それならリボンの色も合わせた物に…」


と服を試着してくる。


すると、目の端に動くものが見えて視線をそっちに動かした。


チラッとしか見えなかったけれど…なんとなく虫みたいだったわね。ブーンとかそんな音が聞こえたからもしかして蜂だったのかしら。あれ…でもこんな冬に蜂?

…まあ、ケッリルが隠されていた家に行く途中でも小バエが飛んでいたし、いっか、別に。


それにしてもこの後どうしよう。このまま私は無事にジルから逃げられるかしら。それともこの店員の人が言ったように懐に入り込む努力をした方がいいのかしら。

とりあえずここに来るまでずっと反抗的な態度をとってもジルは楽しげに笑って興奮するだけで、胸倉を掴む以上の暴力行為はされそうにはなかったもの。


妹のドレーには比較的ジルは甘いってミラーニョは言っていたし、まず気に入った相手にすぐ暴力は振るいはしないんだと思う。…でも二人きりでずっといたら最終的に性的な暴力を振るわれそうだからやっぱり帰りたい…。


「おいまだかよ!」


ジルが怒鳴ってきて、目の前の店員二人はビクッと肩を震わせる。


「はーい、ただいま!」


一人が叫んで最後の仕上げとばかりにスピードアップする。そして髪の毛にリボンが結ばれて位置を整えられ、試着室から外に出た。


そのまま目の前に大きい鏡がガラガラと引かれて「どうですか?」って全身像が映される。


着せられた服は普段の冒険では着ないような…全く実用性のないヒラヒラとした白とピンクのフリルが多い膝までの丈のドレス。…思えばドレーもこういうドレスを着ていたっけ、ドレーのは黒がベースのもっとケバケバしい原色のせめぎ合いみたいな色合いだったけど。


それにしてもいつもは実用的な冒険用のローブを着ているからこういう服は新鮮な感じ。まるでお姫様みたい。私は貴族だったけどこういうドレスなんて一度も着たことがないし、それにさっきまで着ていた服と比べて格段に暖かい。

このモコモコのファーのついた上着…可愛い。それにフードの紐についた全く実用性のない丸いポンポンも可愛い。触り心地がすごくいい。


すっごく素敵な服だわ、どうしよう、すごくいい…!可愛い…!


お姫様みたいな自分の姿をみたらつい嬉しくなって鏡の前でスカートを広げて、体を右に左に斜めにする。そのまま触り心地のいい上着のポンポンをマリモリ手の平で転がしていると、視線を感じた。


顔を上げる。するとジルが黙って真っすぐ私を見ていた。


ウッ。しまった、この男のことすっかり忘れてた…!


こんな敵対している魔族に連れられた店で喜んでいる所を見られた屈辱感で視線を逸らして服からも手を離す。


また何かセクハラめいたことを言うかと身構えるけれど、ジルは何も言わない。


いたたまれなくなって横目でチラと見ると、ジルはフッと我に返った表情になって私から視線を逸らした。

そのまま近くの店員さんに向かって指向けてクイクイと呼ぶ。ジルに目をつけられた店員さんはかすかに顔を凍らせて、おずおずと近づいた。


「何か気に入らない点でもありました…?」


するとジルは店員さんの手をガッと掴んで手の平を力任せに上にすると、その手の内に金貨をジャラジャラと零れ落ちるほど落とした。


「代金だ、十分に足りるだろうが?」

「え、ええ…!?」


店員さんは驚きの目でジルと、手からこぼれていく金貨を交互に見渡した。


…何となくだけど、その顔はまさかお金が支払われると思っていなかったと言いそうなものだわ。


「行くぞ」


ジルは私の肩に手を回すと引きずるように外に向かう。


かすかに後ろを振り向くと、私にこの服を着せてくれた店員二人はお店の中からお願いします、頼りにしていますとばかりに深々と頭を下げて見送っていた。

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