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裏表のある勇者と旅してます  作者: 玉川露二


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情報ビジネス(アレン目線)

あー喫茶店のコーヒーうま~い。ブラックコーヒーだよなやっぱり。


にしてもコーヒー飲むついでで喫茶店でミラグロ山のあるクレンジ国の情報誌を見て色々まとめてたけど、山より温泉街の情報が集まったなぁ。

しかもこれだよこれ、混浴。初めて聞いたけど男女一緒で温泉に入れる温泉。


これはいいぞ、普段露出の少ないエリーと一緒に温泉入ることができる。

エリーは肌見せんの恥ずかしいみたいで普段は顔と手以外ろくに肌出さねぇもんな。


…でも昔、冒険始めたあたり。俺らが普通に見る場所に堂々とエリーが下着を干してたんだよな。肌はダメだけど下着はいいんだぁと思って、エリーこんな下着つけてんだなってサードと眺めてたっけ。


でもすぐそんなこと無くなったからやっぱ下着も駄目だったっぽいけど。

ガウリスも数年早く仲間になってたらそういう光景が見れたのに。


『そんな話に私を巻き込まないでください』


ガウリスの迷惑そうな顔と声が脳内に蘇ってきてプスッと笑う。


神聖の言葉が服を着てるようなガウリスが迷惑そうな顔をすると一気に人間臭くなる。そのギャップが楽しくてつい嫌がるのは分かっててもエロネタを回したくなるんだよなぁ。

サードも俺と同じことしてるけど、サードは神聖なものを俗っぽいもので汚してやりたいっていう妙な思考が入ってる気がする。まぁ俺もそんな変わんねえか。


とりあえずこっからクレンジ国に行くまでの道だよな。

とりあえずまず今はウチサザイ国に向かって真っすぐ南東に向かって進んできたけど、これから真東に進むっと。そんでクレンジ国まで四つの国を越えるんだな…。

クレンジ国で用を済ませたら南西の方角に下って…けどこの大きい道のまま進んだらタテハ山脈が行く手を阻んでくるからもっと西に移動して…。途中で現れるモンスターの情報とかも所々で調べた方がいいかも、こんな南まで行くことないからここら辺には居ないモンスターも出てくるかもしんない。


あれこれと地図を見て考えていると、目の前に誰かがスッと座って顔を上げる。


お、結構美人なお姉さん。


…でも誰も座っていないテーブルもあるのに、何で俺の目の前に?…もしかしてナンパかな?よっしゃ。


「お姉さん俺と一緒にコーヒーでもどう?美味しいよ!」


ノリノリでコーヒーを掲げながら声をかけると、お姉さんはニッコリ微笑んで、


「あなた、勇者御一行のアレン・ダーツよね?あたし情報屋なの、何か情報欲しくない?」


あ…なーんだ、ナンパじゃないのか…。チェッ。

俺の髪の色は目立つみたいなんだよな、勇者御一行がこの国に居るとか噂が立つと俺だけすぐ「勇者御一行のアレン・ダーツさんですよね?」って声かけられるもん。他の皆は単体だとろくに気づかれないのに。


情報屋のお姉さんは今俺が広げてる地図を見て、テーブルの上に胸を乗せながら聞いてきた。


「東…クレンジ国に行くの?」

「まあね」


サードが性転換した時より胸が乗ってないなと思いながら簡単に頷く。


クレンジ国に行った後はウチサザイ国に行くけど…まぁそのことは喋らない。

なーんか至る国の中を黒魔術士が動き回ってる感じするもん。ケッリルの息子だってそうだし、ラーダリア湖のこともそうだし、ハミルトンみたいな小悪党もウチサザイの外に出てるし…。


特にハミルトンには余計なこと言ったせいでエリーが酷い目に遭ったんだから、ウチサザイ関係のことは静かにしていた方がいい。


するとお姉さんは俺の広げてる情報誌を指先でいじいじしながら、俺を挑発的な目で見てくる。


「けど勇者御一行様がこっちまで来るのも結構珍しいわよね?普段もっと北の方にいるでしょ」


…指の動き、エッロ。


「今受けてる依頼でもう少し南に行くんだ、これから冬だからついでに越冬してからまた北の方に戻るつもりでさ」


とにかく依頼ついでの越冬目的だって強調して伝えときゃいいよな、うん。


「どこまで南に行くつもり?こことか?」


お姉さんはそう言いながらピンポイントでウチサザイ国を指さした。


「…」

もしかしてこのお姉さん、ウチサザイ国の黒魔術士…?


そんな疑いが湧き上がるけど、むふ、と笑う。


「いやーどうだろ。今受けてる依頼でもそんな南にいくかなぁ、分かんね」


流したくない情報を探られた時にはしらばっくれて知らねぇって話題を終わらせる。これ基本。あー、地図でウチサザイ国にチェック入れてなくて良かったー、助かったー。


内心バクバクしているとお姉さんは誘惑するかのような目で身を乗り出してくる。


「あたしね、ここに関するすっごぉーい情報手に入れてるんだけどぉ、欲しくない?」


「すっごぉーい情報?…何それ聞きたい」


その顔でそんな含みを持たせた色っぽい言い方はずるい。エッロ。


俺も身を乗り出すと、お姉さんは人指し指と中指を親指でスリスリと擦って金を寄こせのジェスチャーをする。


プッと笑って、銅貨にも満たない硬貨を三枚を差し出す。


まずどんな情報かさわりだけ聞かせて、ってことで三枚。

まぁさわりだけなら普段は硬貨一枚しか出さないけど、女の人との会話賃で二枚サービス。


するとお姉さんは喋り出した。


「あたしは情報屋の相方と組んで情報交換してるわけ。相方はこっちの南側の情報、あたしはこっちの北側情報をってね。手紙でやり取りして遠くの国の情報を手に入れるっていうギブアンドテイクのやり方よ。けどこのウチサザイ国から向こうの情報が入りにくくなってるって相方がぼやいてたの」


そう言いながらウチサザイ国をトントンと叩きつつお姉さんは続ける。


「そうして相方はその原因を調べにウチサザイ国に行って…とんでもない秘密を抱えてると知ってしまったの」


「…」


とりあえず真剣な顔で頷いておくけど…思った以上に色っぽい話じゃなかった。あんな含みのある言い方してたのに酷い…騙された…。


心の底からガッカリしたけど、ウチサザイ国の情報は欲しいから黙ってお姉さんの話の続きを聞いておく。


「そこで手に入れたすっごーい情報よ。どう?お金は銅貨、銀貨、金貨。どれも一枚分」


その言葉に俺はものすごく反応する。


銅貨以上の金が動く情報?だとすればそれはとても信頼性がある、それも裏が取れているもんなんじゃね?

…何となくだけど、このお姉さんはウチサザイ国関係の黒魔術士ではなさそうな気がする。だって国公認の黒魔術士が自国の情報を売るなんてことしないだろうし、黒魔術士ってスッと近寄って悪いことをしてサッと去ってく感じだもんな。

相手の利益になるようなことを教えるなんてことまずしないはず。


でもその部分は慎重に。俺はお姉さんに話しかける。


「けどそんなに大きいお金が動くぐらいの情報って、本当に確実なもんなの?」


銅貨以上の金が動くならこれはお姉さんに会話賃を渡してコーヒー飲んで笑ってる場合じゃない。気を引き締めて取りかからないといけないビジネスに切り替わった。


それにハミルトン、ラーダリア湖での使い魔の聖女像にケッリルたちからウチサザイ国と黒魔術に関する確実な情報はたくさん手に入れている、ここからは私情を挟まず無駄な情報に金は払えないと柔らかく伝える。


するとお姉さんもどこか色気のある顔を引っ込め真面目な顔になると、一枚の紙を俺に差し出してきた。


「それ、相方がウチサザイ国に入ってから送って来た手紙。最初は普通の近況を書いた手紙だけが届けられててね。あんたの近況はいいから情報寄こせって文句の手紙を送ったら次第にとち狂い始めた手紙が届けられたの」


どれ、と読んでみる。


『元気かい、俺は元気に過ごしてる。けど最近よく分らない声がよく聞こえるようになってきた、何を言ってるか理解できないけど聞こえる。最近一日中その声がまとわりついて夜もよく眠れなくなってきた、自分で自分がどうなってるか不安だ、今も声が聞こえてるが何を言ってるか理解できない。後ろに誰かいる気もするけど何もいない。不安だ』


読み終わるとお姉さんがもう一枚ぺらっと紙を差し出してきた。


「これはそれから数ヶ月後に来た手紙で、完全にキテるなって思った一枚」


『げん きかい おれ はげん きに すごし てる

あくまくろ、くまけーじゅまつ、それ、まじんこーえけん

そこおれのしく、はりに、こはくのくろさ、それつりてみえる

えもいえ、うしすみっこのしたい、した、らったべーる』


「…うわぁ…」


支離滅裂すぎて怖ぇーよこれ。


お姉さんはそれをひったくり、一行目の部分をなぞる。


「ここ、一行目。元気かい?の挨拶のところだけ変に隙間空いてるでしょ?」


「うん…」


「二文字書いて隙間、三文字書いて隙間、二文字書いて…」


そこまで言われたら流石にピンとくる。


「もしかしてこれとち狂ったふりして…文の二文字目、三文字目、二文字目、三文字目って文字を抜かして…」


そこまで言って更にピンときた。


「ウチサザイ国に届けられる手紙も、外に出る手紙も全部中身確認されてんだ?だから向こうの情報がこっちに届きにくくなってて、ウチサザイ国に入った相方からの手紙にも近況の手紙だけで情報が一切無かった。外に知られたくない情報は抜き取られてたんだ」


そう言われれば支離滅裂の文章のわりに文字はしっかりしてて読みやすい、数ヶ月かけて精神がやられてくふりしてどうにか情報を外に流そうとしたんだ。


「さっすが勇者御一行の賢者、アレン・ダーツ!」


お姉さんは褒めてくれるけど…その賢者っての、やめて欲しいんだよな…ガラじゃねぇし…。


迷惑そうに黙りこむとお姉さんはさっさと支離滅裂な手紙を指さして話を続ける。


「これ句読点(くとうてん)を抜かして読んだら文が完成するの。私もこいつ頭ヤバくなったかもって思ったんだけど、そうそう頭がいかれるタマでもないしなって色々と見てて気づいたわけ。

ちなみにこういう手紙は何度も届いてたんだけど…今は半年以上音信不通。情報流してるのがバレて殺されちゃったのかも」


わずかに顔を曇らせながらもお姉さんは俺を真っすぐに見て、


「そうやって相方が命張って手に入れた情報よ。銅貨以上のお金が動いても十分な値打ちはあるわ」


なるほど。それじゃあその命張って手に入れた情報、教えてもらおう。


銅貨を出すとお姉さんは銅貨を引き寄せ声のトーンを落とすと、


「ウチサザイ国はどうやら黒魔術が蔓延(まんえん)してる腐った国みたいよ。それも魔族も普通に首都に暮らしてるって噂もあるみたい。国公認ってところかしら」


もっと話すかと思いきやそこで話は終わった。


その情報はもう知ってるんだよなぁ…。それも本当に国公認で黒魔術が蔓延してるのか裏が取りたいんだけど…そこはお姉さんの想像の話で確実な情報じゃない。


ケチ心出さないで金貨でも出せばよかったかなって後悔しながら銀貨を差し出した。


「それもどうやら町より村の方が危ないみたいね。相方が情報を集めてたらここに来るまでの村の辺りで仲間がさらわれたって公安局に問い合わせしてる冒険者や旅人が多くいたみたい。どれも探してみるって言葉だけで帰されてたみたいだけど。仲間連れでもそうなんだから、一人歩きは確実に危険よね。

でも何より危険なのは首都よ。魔族が多く確認されているし、相方も何度も危険な目に遭ったみたいだし、地元の人でも行方不明になることが多いんですって」


そこで話が終わる。


…その情報も知ってるやつだなぁー。

うーん…命張って調べ上げた情報なのかもしれないけど、残念ながら知ってるんだよなぁー。

それでもここまできたんだし、金貨分の情報も聞いてみようかな…もしかしたら俺たちの知らない情報かもしれないし…。


そっと金貨を差し出した。


金貨払っといて全部知ってる情報だったらどうしようと思いながらお姉さんに引き寄せられていく金貨を見送ると、


「その町中に住んでる魔族は三人いるみたいね」


「…三人?」


おっと、それは知らない情報だ。

男のジルって魔族、その妹のドレーは分かるけど残りの一人は知らない。


ようやく知らない情報が出てきたぞと思いながら続きを待つ。


「そう、三人。そのうち二人は成人の男、一人は女の子みたいね。男のうち一人は首都の中を自由奔放にうろついているみたい。すぐ噂になるくらい目立つんだけど探そうとすると全然捕まらなくて、相方も探したけど結局見つからなかったって」


ふむ、ハミルトンが言ってたのと同じだな。それがジルか。


お姉さんは続ける。


「少女はそのうろついてる男の魔族の後ろをついて回る姿がよく目撃されていた。でももう一人の男の魔族ってのがねぇ、よく分からないらしいのよ。男の魔族によく接触しておべっか使ってるようなのがいたみたいで…」


「それ本当に魔族?」


ただ魔族に取り入ろうとしてるだけの人間なんじゃね?って思って聞き返すとお姉さんは相方からの手紙をうーん、と言いながら眺めて、


「とりあえず相方は魔族とは一切接触できなかった。ただ噂で聞いたものだと、そのおべっか使っていた男は魔族に魔法で攻撃されてもすぐ動いていたらしいの。魔族からの魔法攻撃ですぐに動ける…それって人間だと思える?」


思えない。今まで会ってきたラスボス級の魔族たちの攻撃を思い返してみただけでも分かる。魔族からの攻撃を直で受けてすぐ動くなんて無理。

じゃあそのおべっか使ってるのもやっぱり魔族なのか。ふーん…ジルにはパシリみたいなのが付き従ってるのかぁ。


「もう売る情報はないから、じゃあね」


色々考えているとお姉さんはさっさと立ち上がる。


あ…行っちゃうんだ。仕事の話が終わったんだしコーヒーでも飲みながらもう少しお話したかった…。


ションボリお姉さんを見上げると、お姉さんは少し立ち止まって俺をジッと見下ろした。


「…その魔族、倒す?」

「…」


それはどういう意味で聞いているんだろう。


「サードに相談してからだな。そんな南に行くか分からないけど、サードが倒すって言うなら倒しに行くし」


あくまでも最終決定権は俺じゃなくてサードってことにしてウチサザイ国に行くとは明確に言わない。


するとお姉さんはギュッと眉根を寄せて、


「…情報くれてやったんだから倒してよ。あいつが命張って手に入れた情報なのよ?役立ててよ」


となじるように言う。


そのお姉さんの表情と言い方を聞いてもしかして、と考えるより先に口が開いた。


「もしかして相方の人好きだったの?」


あ、やべ。


慌てて口をつぐむ。ダマンドの娘にもこうやって考えなしにすぐさま思ったこと言って傷つけちゃったんだよな、やっべお姉さんの好きなその相方もう死んでるだろうにこんなこと言ったら…。


ごめん、と言いながら恐る恐るお姉さんを見上げると、お姉さんはやや睨みつけるような表情で、


「…別に。ギブアンドテイクの間柄だったし…」


と顔を逸らした。


「…勇者様にもあんたから強く言っといてよ、倒してって…」


「…うん、分かった。でも行くかどうなるかは分からないよ」


「それでも言って!」


お姉さんは言葉尻を強くしてから、そのまま店の外へと足早に出て行った。

雑踏に消えていくお姉さんの後ろ姿を見送り、少し冷めてきたコーヒーをすする。


勇者御一行ってこういう人の無念とか期待とかも背負うから大変だよなぁ、一番そういうのを背負う勇者なんてよくサードはシレッとやってるもんだよ。

あー何か急に心と肩が重くなった気分。


頬杖突いて深くため息をつく。


ほんとごめんだよ。こういう人の期待だとか、無念な気持ちとか重い物を背負いたくない。そんなのを期待されただけで何もかも放り投げて逃げ出したくなる。

仲間のためなら頑張ろうとは思うけどさ、正直仲のいい人が無事なら他はどうだっていいんだよな俺。「知らない人が苦しんでる?なら助けよう」だなんて絶対思わないし。知らない人助けるために危険冒したくもないし。


そんな自分の考えも嫌になってきてフゥ、とため息をつく。


…俺って冷たい性格。他の皆と違う。


サードは毒のある言動をしても実は優しい奴だもん。行き合った人は絶対に見捨てない。見捨てるのはハミルトンのような悪人だけ、常識を(わきま)えた人だったら絶対に見捨てないし最後まで助ける。


エリーだって成り行きで勇者御一行になったのにそれを普通に受け入れて、勇者御一行として皆を助けられるのなら助けたいと本気で思ってる。すごいよなぁ、俺はただ皆についてってるだけなのに。


サムラだって自分の故郷の皆のために病弱の体にムチを打って遠いところまで歩いてやってきた。俺がサムラだったら絶対にそんなことやらない。誰かやってくれるはずって黙ってる。


特にガウリスだよ。

ガウリスはあのハミルトンを救うためにリトゥアールジェム探してるもん、エリーに酷い目に遭わせたハミルトンを救いたいなんて話聞いた時はガウリスの思考回路狂ってるのかなって思った。


…でも思った。


俺ってそこまで誰かのために何かしたいとか思ったことあるかなって。そう考えたらリンカのいたゾンビの洞窟でエリーに言われた言葉が脳裏に蘇ったっけ。


『どうせなら俺が皆を助けてやるくらいの気持ちになってみなさいよ。アレンに足りないのはそういう気持ちじゃないの?』


ガウリスの言葉にエリーの言葉をかけ合わせて何となく思った。俺に足りないのは皆…仲間だけじゃなくて、広い意味で人を助けてやるって気持ちなのかも。

何て言うんだろ、俺じゃ無理ってすぐ言うんじゃなくてそれでも助けるって気持ち?ガウリスもエリーもそういう気持ちすごく強いんだよな。俺とは違うよ本当、皆俺と違ってすごく優しいし責任感あるもん。


あー何か自己嫌悪に陥ってきた。だからこういう重い気持ちに巻き込まれるの嫌なんだよ。人を助けろー、やる気出せー、責任感持てーって追い詰められてく感じで…。


気分を変えるためにコーヒーをズッと飲みながら混浴のページを見る。


…へえ、混浴は水着着用か。エリーが混浴に入るとしたら海でのあの水着でかな?海でエリーは肩と足が出ているだけでもどこか恥ずかしそうだったなぁ。可愛いって褒めたら嬉しそうに照れてもじもじしてて…可愛かったなぁ。

あの時のエリーの素肌は良かった。普段見えない首筋から鎖骨とか肩とか二の腕とか太ももとか足とか…。


それも俺の身長からエリーを見下ろしたらフリルのついた胸元から谷間がチラチラ見えたんだよな。あれは…貴重すぎるいい光景だった…。


「…やっぱり、混浴だな」


そうだ、混浴のある温泉宿に行こう。

アレンは期待と責任を強く求められると全てのやる気が消え失せて逃げだしたくなるやつ。要件だけ言って放っておくのが吉。



あととち狂った手紙の暗号の答え


「くろまじゅつまんえん

このくにはくさってる

もうすこししらべる」

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