貞操の危機(アレン目線)
酒うめぇ。でも一人だと味気ないなぁ、皆と一緒に飲みたいなぁ。
あー、一人つまんなーい、いつもだったら寝る少し前まで皆と一緒にいて話したり外に飲みに行ってるのになぁ。
外には出ちゃいけないし誰も部屋に入れちゃいけないし…。
「あーつまんねー。誰かと話してー」
あまりにやることがなくてゴロゴロとベッドを転がるけど、三回ぐらいゴロゴロしたら飽きた。
何だったらガウリスの部屋に遊びに行っちゃおうかなぁ。ガウリスは神に近くて吸血鬼の苦手な存在になってるんし、俺ガウリスの近くにいた方が安全なんじゃないかなぁ。
むくっと起きてガウリスの所に行こうと思ったけど、即座に俺を睨み上げてくるサードの顔が脳裏に浮かんだからボスッとベッドに横たわった。
きっと今、部屋の外に出たらサードがものすごく怒る。そんで明日一日中ずっと悪態つかれる。下手したら殴られる。
んーでも一人寂しい…エリー遊びに来てくんないかな…。でも誰が来てもドア開けるなってサードに言われてるからな…。サードは…遊びに来てくんないよな、サムラは寝てるだろうし…。
「つまんねぇよ~誰かと話してぇよ~」
ベッドの上をゴロンゴロン転がっていると、窓からコンコン、と音がする。
ん?虫?
振り向いて窓を見る。
「それなら僕と話さないかい?」
「ギャーッ!リギュラだー!あいっで」
振り向いた窓の向こうにリギュラが椅子に座っているような姿勢で浮かんでいて、驚いてひっくり返ったらベッドから転げ落ちた。
慌てて起き上がるとベッドから転がり落ちた俺にリギュラは大爆笑している。
むしろ何でここに俺が居るって分かってんの、まさかこのホテルの支配人リギュラだったり?ファジズん時みたいに?
「リギュラここの支配人なんだな?だから俺の居る部屋が分かったんだろ」
「は?まさか」
一言で否定された。むしろ何を言っているんだって顔されてる。だったら本当に何で俺の部屋分かったんだよ不気味だなぁ。
警戒しているとリギュラは俺の警戒の素振りなんて気にしないようにくつろいだ姿勢で微笑んでくる。
「ところで君の名前をまだ聞いていないんだが?名前は何ていうんだい」
「…アレン・ダーツだけど…」
「そうか、アレンか。アレン、君は暇で話し相手が欲しいんだろう?僕も暇なんだ、何だったら今から一緒に飲みにいかないか?ダマンドは今僕を嫌ってるから好いてくれるまでしつこくできなくてね。今は駆け引きの引いてる状態なんだ」
…そりゃリギュラがただの人間だったら即座に乗るけど…今は敵対してるんだし、ドアも窓も開けるなって言われてるし出るなって言われてるし。
いいやむしろ関わらない方がいい。
シャッとカーテンを閉めると「おや」っていう声が聞こえる。
「俺もう寝るからおやすみ!バイバイ!」
「吸血鬼はこれからが活動時間だからおやすみではないよ」
カーテンの向こうからリギュラの声が聞こえるけど、寝る!寝る寝る!と自分に言い聞かせてベッドに横になって布団を頭からかぶって窓に背を向けた。
「それならアレンが寝るまでここでお話でもしようかな」
うわぁ残る気満々じゃん…。帰ってくんないかなぁ…。
…いや待てよ?とりあえず吸血鬼は招かれないと建物の中に入れないとかダマンドも言っていたんだし、それならリギュラもこの部屋の中には入れないってことだよな?
リギュラは特に何かしてこようとする素振りもないし脅してもこなくて対等に話せるし、もしかしたら話してるうちに何か良い情報が手に入れられるかもしれない。
それなら少し話してみようかな、どうせ暇だしまだ眠くもないし。
カーテンをシャッと開けるとリギュラはさっきと同じ姿勢のままこっちを見ていて、目が合うとニッコリ微笑む。
うーん、男の俺から見てもイケメンだ。何だろ、マーリーも言ってたけど品が良いっていうか育ちが良さそうに見えるんだよなぁ。この余裕のある態度が貴族みたいな雰囲気だしてるもん、表向きの顔してるサードみたいに。指の先から髪の毛先まで優雅って感じ。
「リギュラってここら辺出身?サードは遠くからこっちにやって来たんだろって言ってたけど」
「ああその通りだよ僕の生まれ故郷はもうないけどね。ついこの前までウチサザイ国にいたよ」
ウチサザイ国?サムラの故郷の物を根こそぎ奪って、黒魔術士が集まるバファ村がある国じゃん。
…あれ、そういえばダマンド話してなかったっけ、リギュラは魔族と関わりがあるとか。
もしかしてその魔族ってハミルトンにリト…なんとかジェムを持って来いって言いつけた魔族だとかないかな?
少し探ってみよう。でもいきなり魔族と知り合いなのか聞くと怪しまれて何も話してくれなくなるかもしれないから、少しずつ。
「へー、ウチサザイ国かぁ、そこってどんなところなの」
ミレルの家族をバラバラにして、ラーダリア湖を荒らす原因を作り出した黒魔術士の集まるバファ村。そんな村もあってサムラの住む山脈の物も次々根こそぎ略奪していく国なんだから良い国じゃないだろうなとは思ってるけど、とりあえず何も分からない体で聞いてみる。
するとリギュラは鼻で笑った。嫌悪と皮肉が混じったような冷笑で。
「少なくとも君が好むような国ではないことは確かだ」
「何それ、嫌なことでもあったの?だからこっち来たの?」
リギュラは色々と昔を思い出すようにどこかを真っすぐ見ながらまた鼻で笑う。
「まあ、色々と面倒なことがあってね」
「何、なになに、何があったの」
情報集めと思ったけどつい興味が先に立ってグイグイ窓に近づいた。
リギュラはそんな俺の様子を見ておかしそうに笑っている。
「アレンは僕が吸血鬼と分かっても普通に会話するねえ。君の顔は好みじゃないが性格は好みだな」
…いやだからさ、そう言われるとわりと傷つくんだって。
「いちいち顔好みじゃないって言われると傷つくからやめてくんないかなぁ…」
俺の言葉にリギュラは余計おかしそうな顔になってハッハッハッハッハッと笑う。
「単純に僕は渋い男が好みなだけだよ。アレンは童顔だし女顔じゃないか。別に不細工という意味では言っていない」
「それでも女の子に顔好みじゃないって言われると傷つくんだって」
リギュラは少し驚いたように目を見開く。
「へえ、こんな男そのものの見た目の僕でも女扱いするのか君は」
「だって性別女なんだろ?」
そう言うと同時に俺の口が勝手に色々聞いている。
「思えばリギュラってなんで男の格好してんの?男の人が好きならそんなスーツ姿じゃなくてドレス着た方が男釣れると思うぜ?男は露出に弱いから」
リギュラは軽くフッと笑って顔を背けてから俺の方を向く。
「僕も昔ドレスを着ていたんだよ。それでもある時からこういう男物を着るようになった。それでも僕も一度好いた男に着飾った自分のドレス姿を見せようとしたんだよ。
だけど…骨格かな?僕の体は骨ばっていて肩は広く女らしい肉の厚みがない。化粧をして飾りをつけてと色々試行錯誤したが、どうやっても男が無理やり女装させられたという見栄えで…」
リギュラは軽く落胆する顔つきで肩をすくめた。
「どうひいき目に見ても人に見せられない姿だった。あれを見て以降、女の格好からは完全に手を引いたね」
「それでもそうやって自分の綺麗な姿見せたいって着飾ろうとする気持ちが男からしてみたら嬉しいもんだと思うけどなぁ。見せたの?好きな人にリギュラのドレス姿」
リギュラは、ハッと吐き捨てるような声を出した。
「あんな無様な姿、好いた男に見せられるものか」
…ふーん、なんだ。リギュラの見た目も言葉も態度もイケメンだけど、心は完全に女の子じゃん。
そう思うとリギュラが女の子にしか見えなくなってきた。肌は青白くても艶があって綺麗だし、パッチリとした目と赤い唇、胸もわずかに膨らんでいるは分かるし男らしくないくびれた腰だって色っぽい。
「おや、いやらしい目つきだ」
リギュラが冗談交じりに笑う。おっとヤバい、胸と腰をガン見し過ぎた。
「だって男の子だもん」
てへ、と笑うとリギュラはハッハッハッハッと笑いながら、
「正直だね本当に君は。何ならドレスでも着てきて誘惑した方が窓を開けてくれたかな?」
うーん、どうだろう。リギュラがドレス姿で来て誘惑してきたら俺は窓を開けただろうか。
でもサードが怖いから多分開けないと思う。サード怖い。すぐ怒って殴ったり蹴ったりしてくる。
それでも女の子の魅力よりサードの怖さが勝ってるから開けないって言うのは女の子に失礼すぎる。
「俺今のままのリギュラ好きだぜ」
一瞬リギュラは言葉を止めて俺の目を見て、フッと笑うと視線を空に向けた。
「危ない危ない。僕としたことがこんな若造にドキッとしてしまった。何気なく口説くのに慣れてるね、君」
「別に口説いてるつもりねぇけど」
普通に思ったことを口に出してるだけだし、男らしくてもやっぱり女の子ってところは何かいい。
「アレン、素直に僕の所に来ないか?君みたいな明るい子が来てくれたら毎日が楽しくなりそうだ」
「だって俺吸血鬼になりたくないもん」
首から下げてるエンブレムを服の中から取り出してうりうり、と窓にベターとエンブレムをくっつけるとリギュラはウッと少し離れながら、
「吸血鬼も悪くないぞ。身は永遠だし力も強いし暗闇があれば好き勝手に動ける。人生を謳歌できる」
「けど俺夜は寝るタイプだから」
リギュラはその言葉に吹き出して「そうかそうか」と笑っている。
エンブレムから手を離して、改めてリギュラを見た。
普通に話せるなぁ。
ダマンドがされたこと、ダマンドの家族の悲しみと苦しみを見て聞いたんだからリギュラは倒さないといけないって分かってる。でも普通に話せる。むしろ会話が楽しい。
こりゃダマンドも会話の弾む飲み友達ができたって気を許すわけだよ。
そう思いながら窓辺に肘をかけてリギュラをジッと見る。その目に気づいたリギュラは、
「なんだい?今度は目で口説き落とそうとしてるのかな?」
と窓に近づいてきた。
そういうんじゃねえんだけど、と言いながら、
「普通にリギュラが人間だったらなぁ。仲良くなれそうなのにって思ってさ」
リギュラは、ふふ、と笑いながら窓に手をかけた。
「今から仲良くしても構わないんだよ」
「けどなぁ。ダマンドにしたこと考えると仲良くすんのもなぁ」
「僕はぜひとも君と友人関係を築きたいね」
そう言うとリギュラの姿が段々と薄くなっていく。
…帰んのかな?情報収集しようと思ったけど普通に会話しただけだったなぁ。
そう思いながら消えていくリギュラを黙って見ていると、段々と部屋の中に霧っぽいのが立ち込めていってる…。
「ん?」
霧っぽいのに視線を移すとグルグルと円を描くように動いてる。…あれ?この霧っぽいの何?
霧の動いている先に視線をずらしていくと、窓の隙間から部屋の中にスゥーと白い霧っぽいのが流れ込んできてる…?
「ん?んん?」
わさわさ手を動かして部屋の中に流れ込んでくる霧っぽい白いモヤを分散させよと手で扇いでいると霧は一ヶ所でグルグルと動いて人型になって…。
「ドワアア!リギュラだぁああ!」
驚いてベッドに尻をついた。霧っぽいものは完全にリギュラの姿になって、ニヤニヤと俺を見下ろしている。
「入れてない!俺リギュラ入れてない!マジで入れてない!なんで!なんで!」
(作者意訳:私はリギュラを建物の中に招き入れるようなことは言っていません、なのになぜリギュラは入って来たのですか)
「さあて何でかなぁ?」
リギュラは俺に近寄ってきて、両肩をはねのけるようにグンと押す。女の子とは思えない力にそのままベッドにドフンと倒れ込んだ。
リギュラは俺の腹の上にまたがって乗ると、ドSみたいな表情で楽しそうに見下ろしている。
「…え…俺、貞操の危機?」
リギュラからドSの表情が消えてブッと口元を手の甲で押さえる。
「君のは貞操なのかい?処女か?男なのに処女なのかアレンは?」
肩を揺らしながら笑いを押さえつつ、リギュラは俺の胸の上に手を乗せて、そっと顔を近づけてきた。
「まあアレンが処女かどうかはともかく安心してくれ、別に襲いはしない。少し血を吸うだけだ」
「それ襲うってことじゃん!?」
「性的には襲わないさ、君とは恋人や愛人ではなく友人の関係を望んでいる」
リギュラは笑って言ってるけど冗談じゃない。
首にかけてるエンブレムを手に取ってリギュラに向かって差し出そうとすると、手早くリギュラに肘をガッと掴まれてそのままグンッと上に動かされる。紐をつけて首にかけてたエンブレムはその動きに合わせて首から外れてった。
それでもとにかく力を込めてエンブレムを離さずリギュラに近づけようとググ、と力を込めるけどリギュラの力強ぇー!
全然腕が動かねぇし、むしろベッドに腕押しつけられてんじゃん俺。
うわぁ、俺女の子に力任せにベッドに押し倒されてるよどうしよヤベェよ貞操の危機だよ。これ何のエロ小説?やっべどうしよエロ小説と思ったら少し興奮してきた…。いやそんな場合じゃねぇな!
色々考えてるうちにリギュラの口ととがった歯が首に近づいてくる。
『…アレンてめえ、その余裕のまま普通に吸血鬼になったら置いていくからな』
サードの言葉が脳裏によぎる。
あああ、やっべぇ、マジでやっべぇ。このままじゃ俺置いていかれる。
あ、そう言えば俺、ラーダリア湖で身体能力向上魔法を制御魔法付きで完全に覚えたんだから、力の強いリギュラと互角に渡り合えんじゃね?
「うおおお!」
慌てて身体能力向上魔法を発動させて、力を込めてエンブレムを持っている手を動かすとグググ、と腕が浮き上がる。
リギュラは顔を首から離して負けじと腕の力を込め始めたけど、チャンスだ。リギュラは前に夢中になってて後ろががら空きだ!
自由に動く両足を折り曲げて、思いっきりリギュラの背中に膝を打ち付けた。
「ふんん!」
「ゴッ」
リギュラの背中に身体能力向上魔法を使いながら思いっきり膝を打ち付けると、詰まった声を出してリギュラはその勢いのまま俺の上に前のめりで倒れる。
位置的に俺の顔にリギュラの胸が当たったけど、ほとんどあばら骨が当たったも同然の感覚でラッキー☆と思うこともなくて、むしろ鼻に骨が全力で当たってほぼ自滅の形になった。
痛ってぇ~…!
痛さのあまり声も出ないまま鼻を押さえて身もだえていると、リギュラも痛かったのか背中を押さえてうめき声すら出さず俺の上に突っ伏している。
俺の鼻からなんか出てきた。あ、鼻血だ…。
ツーンと痛む鼻を押さえてリギュラを足ではさみながらよいしょと脇に寄せてティッシュを探す。シーツ汚したら弁償しないといけない、そうなったらムダ金増やしやがってってサードが怒る。
ティッシュティッシュと探していると、ヒヤ、と嫌な予感を背中に感じた。
あ…思えば俺、何普通に敵に背中向けてんだ…。
ガッと背中から羽交い絞めにされれ、後ろに体重を落とされる。それにつられて後ろに倒れ込みベッドに座り込む形になった。
リギュラは俺を羽交い絞めしながら腰に足をガッチリと巻きつけた。
「こんなに見苦しい血の吸い方は初めてだ…普段なら好みではない男であれ軽く興奮しながら血が吸えるのに…ああ、やっと血を吸える段階まできた…」
軽く疲れたような声で耳元でリギュラが呟く。
「大体にだね、首周りは男のセクシャルポイントだぞ、それに吸血鬼とはエロティシズムを含んだ存在なんだ、そんな僕に口を近づけられたなら少しは何か反応するべき…」
「ふぬああああ!」
俺はリギュラを背中にくっつけたまま立ち上がって、そのままリギュラを下にして床に背中から全力で倒れ込んだ。
ズズン、と軽く床が揺れる。
「ぐあっ」
リギュラが手を離したから俺は慌てて離れる。
「言っとくけど俺首周りめっちゃ強いから!」
これはもう一人でどうにかできるレベルじゃないし、サードの言いつけを守って部屋にいる場合じゃない。逃げよう。
即座に部屋から逃げ出そうとドアにダッシュで走るけど、ドア前の明かりがほとんど届かない薄暗闇からリギュラがヌッと現れる。
その目は赤くギラギラと輝いていて、今までの余裕のある顔とは違ってる。
「じゃあ一体どこが弱いんだい?教えてくれるかなアレン」
一歩進んでくるリギュラに俺は一歩下がった。
「な、内緒…」
首を振りながらもう一歩下がる。
「内緒?ふふ、隠されると余計知りたくなるね、興奮してしまうじゃないか」
ふふふふふ、と怒りを押し殺した声でリギュラが俺にゆっくりにじり寄ってくる。
あ、これ興奮してるんじゃなくてめっちゃ怒ってるわ。ヤバいわ。こうなりゃしょうがない。
俺は思いっきり息を吸って、上をむいて、両手を口の横に持っていって…。
叫んだ。
「サーーーードーーーーーー!ガウリーーーーーーース!エリーーーーーー!サムラーーーーーーー!助けてーーーーー!俺襲われてるーーーーーー!めっちゃ襲われてるーーーーー!貞操の危機ーーーー!」
俺のとびっきりの大声にリギュラはたまらず耳を押さえた。
廊下をバタバタと走る足音が近づいてくる。リギュラはサードたちが来ると気づいたのかスッと姿が薄くなりかけたけど、それでも一口血を吸ってやると思ったのか、スイッと俺に近づいて後ろ頭を押さえて顔を近づけた。
「知ってるかい?」
「な、何を…」
「吸血鬼にキスされた者も吸血鬼になるって」
そう言いながらリギュラは俺に顔を近づけて…!
「やめろー!」と言う前に口が触れそうになる。でも直前でリギュラはグフ、と咳き込んで身を離した。
「この感覚…神の祝福でも受けたか?君」
何か悪いかとじりじり離れると、リギュラは何か察したのか冷酷な顔になって俺を見てきた。
「…そうか。つまり僕とダマンドの仲を邪魔する道を選んだというわけだ、君のパーティは。何もしなければ僕も何もしないと言ったにもかかわらず」
答えに詰まって黙り込んでいると、リギュラはフッと微笑んだ。
「よーくわかったよ」
リギュラの体が少しずつ霧っぽいものになってグルグルと円を描くように窓の隙間から出て行って、後ろからは「アレンさん!アレンさん大丈夫ですか!開けてください!」って扉を叩くガウリスの声が聞こえた。
日露戦争時、海で戦っていて海に落ちた露兵を日本兵が助け上げていたそうです。あまりに感激した露兵がお礼にハグ?キス?をと近づいたら日本兵は、
「噛みつかれる!?」
と背負い投げしたそうです。
かなり前に見かけたコピペで細かい所違うかもしれませんが、露兵たちは「何で!?」って感じだったらしいです。
露兵が手を伸ばし近づいて、驚いた日本兵が流れるように背負い投げする情景が目に浮かびますね。
戦争は嫌いですがこういうこぼれ話は好きです。




