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裏表のある勇者と旅してます  作者: 玉川露二


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24/506

結局は頼まれるわけですよ、分かっていましたよ、ええ

国道を東の道に逸れてから五日、私たちは土の壁に開いたあなぐらの中で夕食を終えた。


人が住む町や村もほとんどない山のルートを通っているから宿屋なんてものはなく、その通りすがりに丁度良く獣が昔使った広めの巣穴があったからありがたく活用させてもらっている。


「ちょっとトイレ」


アレンは穴の外に出て、茂みの奥へガサガサと遠ざかっていった。

別にわざわざ言わなくてもいいのに、アレンはいちいちトイレ宣言してから出ていく。これから用を足すと言ってからトイレに行くの恥ずかしくないのかしら。


まあ夕食も食べ終えてやることもないから私もついでに外に出て星空を眺めた。今日は晴れたから星がよく見えるわ。


星の位置で方角が分かるとは聞いているけど、こんな大量の星空から位置を知るための星なんてどうやったら見つけられるんだろ…。


「なんだ、エリーも便所か」


「違う!星を見てるの!」


噛みつく勢いでサードに言い返す。

この前古城でトイレについてもらって以降、サードは度々こうやって人をイラつかせにかかってくる。


「星の位置とかで方角が分かるとかいうでしょ?それで分かればいいなーって思ってただけ!」


「星の位置なあ」


サードも穴から出てきて空を眺める。


「ここの空の星の位置なんてろくに分かんねえからな」


あら意外、と私はサードを見る。


「サードなら知ってると思ってた」


「俺の生まれた所の星の位置なら頭に叩き込んだけどな。こっちにゃ正確な地図がそこらで売ってんだから無理に覚える必要もねえよ」


サードの生まれ故郷の話は泥棒みたいなストールの巻き方は伝統的なもの、ということ以外ろくに聞いたことがない。

もしかしたらサードの昔の話が聞けるかしら。


「サードの生まれ故郷ってどんな所だったの?」


サードは夜空をしばらく眺めてから、スッと私に視線を向ける。


「出稼ぎに次いで病人、罪人、死人、娼婦が多い所だ」


巣穴から漏れる炎に映し出されたサードの顔は、これ以上そんな話を聞きたいか?という顔つきで笑っている。


その言い方と表情に私は口をつぐんで、星空に視線を戻した。


サードは元々泥棒だったに違いないといつも思ってたけど、本当にサードの生まれ故郷とか生い立ちって私が思った通りの劣悪(れつあく)なものだったのかも…。


「ただいまー」


少し気まずくなったタイミングでアレンが草をかき分け戻ってきた。


「ねえアレン。アレンは星空で方角とか分かる?」


話題を逸らすため話しかけるとアレンは「もちろん!」と答える。


「もし海のど真ん中とか砂漠で迷子になった時は星を覚えておいた方が良いって言われたから覚えといたよ。今はちょっと木が邪魔で見えないけど、あっちの方角にある星が中心の星で北…」


アレンが空に向かって指さした瞬間、強風が近づいて来るようなザワザワとしたうねりが森を駆け巡る音が聞こえる。


と、風が一気に吹き抜けるようなヒュオオ…という音が近づいて来た。不気味なざわめきに嫌な予感が一気に湧き上がっているとサードはザッと振り向き怒鳴る。


「火消せ!」


そう言いながらも誰より先にサードは巣穴の中で灯る火に足で土をかけ消しにかかって、私とアレンも慌てて周りの土を手で掘り起こして火にかけて消した。


こんな人里もない真っ暗な闇の中チラチラとこぼれる火の明かりは夜空を駆けるモンスターの格好の的。それでもここら辺は夜に空を飛ぶモンスターはいないはずだけど…。


私たちは消えた火の匂いのする巣穴の中でじっと動かずに近づいて来る風の音に耳をすます。


ゴッ


すぐ真上を風が通過した。


「わっぷ!」


風の力で巣穴の中にも外の落ち葉や枯れ枝が入り込んできて、目を強く閉じる。


顔に飛んできた細かいゴミを払い目を開けると、強風で大きくしなった樹齢何十年もの木々の枝が元に戻りつつあり、サードが巣穴の外に出て何かが通過していった先に目を向けている。


私もアレンも今のが何なのか気になるから巣穴から顔を出して、サードと同じ方向に顔を向ける。


星はよく見えるけど、空と地面の中間地点となると暗くてよく見えない。


「…もしかしてあれがドラゴンか?」


サードが目を細めながら呟く。


「えっ、ドラゴン?」


「どこどこ!?」


私とアレンが色めきだって外に飛び出したけど、サードは興味を無くしたように巣穴の中に戻っていく。


「もう見えねえよ。あっという間に消えやがった」


と言いながらもう一度火をつけようと火種に火をつける。私とアレンも巣穴の中にもどり、


「けどおかしいわね、ドラゴンって西の方に居るって言ってたわよね?こっち東でしょ?」


するとアレンは真面目な顔で呟く。


「引っ越してきたのかな」


「引っ越しって…」


アレンはたまに真面目な顔で変なことを言う。そんな引っ越しをするドラゴンなんて聞いたことが無いわよ。


ドラゴンは子供ですら知っている有名なモンスターだけど、実際に目にする機会なんてないから見られただけでとてつもなくラッキー。

それでも「出会ったら幸運だがその場で死ぬと思え」と大昔から言われている。


皆の憧れで、恐れられている存在。それがドラゴン。


するとアレンはキラキラした目で身を乗り出しサードに問いかけた。


「ところでドラゴンどんなのだった?」


火がついたのを確認しながらサードは素っ気なく返す。


「暗えし速えし木が邪魔でろくに見えなかった」


ありのままの言葉なのだろうけど、アレンはつまらなそうに口を尖らせる。


「そっか、せっかく見れたのになぁー。サード残念だったなぁ」


サードは火のついてない(たきぎ)をアレンの頬にグニッと押し付けた。


「え、なに」


サードは不機嫌そうにアレンの頬にぐりぐりと薪を押しつける。


「安心しろよ、お前だってじっくりドラゴンが見られるぜ」


「え、なんで」


イデデと言いながらアレンが聞くと、サードの怒りのこもったぐりぐりが強くなる。


「なんせわざわざ西から遠ざかるために東にきたってのに、あのドラゴン野郎がこっちに来やがったからな。あと一週間も歩けば隣の国に抜ける国境越えの関所があったんだけどよ、きっとそこで待ち構えてる兵士が俺たちを引き留めるだろうよ。

あの野郎が西にいたらこっち側の兵士も止めもしねえだろって踏んだのに、東に来やがったからな、あのドラゴン野郎」


…この国から隣の国へ行くには三つのルートがある。


まず国道の一番大きい道。

そして今私たちが歩いる、やや上級者向けのルートの東の道。少し強いモンスターが出るみたいだけど私たちからしてみたらそうでもない。

あとは西から行く道。昔は西のルートが主流だったみたいだけど、国道ができてからはあまり使われてない…。


だからドラゴンが出た西側の反対、東から抜ければドラゴンを征伐してほしいと声をかけられる確率は低いってサードは思っていたようだけど…。


サードが言っていたことは的中した。


「お願いします西側に居たドラゴンが東側にきて、村の人々を人質にして立てこもっているそうなんです。昨日仲間を走らせ城に援軍を頼んだのですが国の衛兵たちが来るのはもっと先になるはず。どうか、どうか勇者御一行のお力をお貸しください!我々の人数ではどうにもできません!」


国境を越えの審査をする場所で、私たちの姿を見つけた兵士たちが駆け寄って来て膝をついて手を合わせて私たちを下から見上げた。


国の兵士としての誇りはないのかしらと思えるほどの泣きそうな顔に少し呆れつつ、助けを求められたなら手助けした方が良いんじゃないのとアレンを見るけど、アレンは、えー…、という嫌そうな顔をして黙っている。


でも表向きの顔を(かか)げて微笑んでいるサードは何て言うかしら。


チラッとサードを見ると、サードはどこか別次元に意識が飛んでいるような微笑みを見せながら口を開いた。


「お任せください、私たちでどこまでできるか分かりませんが、やってみましょう」


* * *


「ッハァ~~~…」


珍しくサードがしゃがみ込んで深いため息をついている。でも落ち込んでる訳じゃない、むしろイライラしている。


「クソ面白くねぇ」


「そんなこと言ったって、受けたんだからやらないといけないでしょ」


「勇者なんてなるもんじゃねえ」


不正な手段で歴代最高の勇者の聖剣を奪った奴が何を言ってるの。


「けど勇者の肩書は欲しいんでしょ、肩書だけね」


あの時のことを思い出したらイライラしてきて嫌味を交え言うと、サードはやる気もなさそうにのっそり立ち上がった。


「肩書さえありゃ後はどうだっていいんだよ、俺は」


「そう言ってるけど、やることはやってるよな」


アレンがからかうような言葉にサードは呪いの言葉を吐くような低い声でボソボソと、


「勇者の肩書があれば至る所で優遇されんだよ…。それに似合う事もやんねえと世間の奴らが認めねえだろ…そうなりゃ優遇されなくなる…。だからやりたくもねえことやってんだ俺は…。じゃなきゃ誰がやるか勇者なんて面倒くせえもん…」


言いたいことは分かるけど屈折した考えね。サードのねじ曲がった性格がよく出ているわ。


サードはイライラとした表情で舌打ちする。


「しかもただ居るだけなら『新しい居住地に選ばれただけだから様子みろ』とでも言えんのに、あの野郎、村人を人質に取るだあ?ふざけんのも大概にしろよ」


いつもつまらなそうな顔で悪態をつき続けるサードだけど、今回のドラゴン騒動は心底気に入らないみたいでずっと荒れて文句を言い続けている。


こういう時に声をかけると急にブチ切れて怒りの矛先がこっちに向く時があって面倒だから、こんな時は放っておくのが一番。しばらく黙っとこ。


と思っていたら、アレンはサードの怒りなどお構いなしに近づいて話しかけた。


「ドラゴンも色んな種類がいるはずだけど、どれなんだろうな?サードは一瞬だけでも見たんだろ?なんか特徴みたいなの無かった?」


…ほんと、アレンのそういう所ってすごいと思うわ…空気読んでるのか読んでないのか分からない所が…。


「…」


サードは黙ってアレンを睨みつけていたけど、長いため息を吐いてから頭を振った。


「羽は無かったはずだ」


いくら怒っても物事は進展しないと自分で怒りを抑えたのか、まだイライラした口調だけど気持ちを切り替えた。

でもサードの羽はない発言に違和感が湧いて黙っていようと思っていたけどつい聞き返す。


「ドラゴンって普通羽があるんじゃないの?ドラゴンはトカゲみたいな体に蝙蝠(こうもり)のような羽がついた姿でしょ?」


アレンは首を横に振る。


「羽の生えてないドラゴンも結構いるよ。俺も全種類は覚えてないからちゃんとしたこと言えないけど…こんな時モンスター辞典があればなぁ。ま、もう少し行ったら村があるから、そこでモンスター辞典持ってる人に貸してもらおう」


あ、そっか。モンスター辞典はアレンが重いしかさばるし使わないからと売り飛ばしたんだった。


まぁ冒険者じゃなくてもモンスター辞典があればいざという時に役に立つから家に置いている家も結構あるものね。



歩き続けるとアレンの言う通り山の峰に点々と家があるのが見えてきた。

その集落にたどりつくとチラチラと様子を(うかが)うように家から村人たちが出てきて、ドラゴンの討伐に来た勇者だとサードが自己紹介するとすぐさま村人たちに村長の家へと連れて行かれた。


「ドラゴンが人質にとった村は、この山の向こうの隣村なのですが」


パヤパヤと白髪が申し訳程度に生えている村長が、嬉しそうに自らお茶を出して事情を説明する。


「隣村とここは昔から知り合いも親戚もたくさんいる所で、子供から私たちのようなヨボヨボのジジババも毎日行きあう仲なんです。そして先日うちの若い男衆が向こうの村へ遊びに行ってみたら…」


と言いながら村長は自分で入れたお茶を一番に飲み始め、茶碗を下して続けた。


「隣村の入口にどでかい生き物のしっぽが見えたというんです。最初は見間違いかと思ったらしいんですが、そのしっぽがズルズルと動いて、その陰の方から低い、今まで聞いたことがないグルルルという唸り声が聞こえたと。隣村の様子も気になったそうなんですが、そのまま逃げ帰って来たそうで」


「村の中には入ってないのね?」


確認のために聞くと、村長も少しバツが悪そうな顔を私にむけた。


「若い男衆といっても食べ物をもって遊びに行っただけで、武装もなんもしてなかったんです。

国の西側にドラゴンが出たという話も聞いていましたし、少し前に空をでかい生き物が飛んできたのも話題になってました。いくらなんでもドラゴンらしきものの近くを通って隣村の様子を見に行けとは言えませんで…」


向こうの村も心配だが、うちの村の衆も大事だから…と言ってるけど、そりゃそうよね、当たり前のことを聞いてしまったわ。


「ちなみに私はドラゴンが村人たちを人質に取っていると聞いたのですが、隣村の状況を見ていないのになぜ人質に取っていると分かったのですか?」


サードが表向き用の爽やかかつ真剣な顔で聞くと、村長はもっと真剣な顔になる。


「確実ではありませんが、かもしれないのです。この村と隣村は毎日お互い行き合ってます、しかしうちの男衆がしっぽを見かけて以来、隣村からこちらに来る者が一人も居なくなってしまったんです。

人質とまではいかなくても、ドラゴンが村に居座って家の外に出られない状況かもしれません」


「なるほど。…ではドラゴンのしっぽを見たという方たちに話を聞きたいのですが、呼んでいただけますか?」


と言うとアレンも二人に負けないくらい真剣な顔で重ねるように、


「ついでにモンスター辞典あるなら貸して」


…アレンのはそこまで真面目な顔で言わなくても…。


ちょっと笑いが込み上げるけど、今の事情を聞いた限り笑っちゃいけないと必死に口を引き結ぶ。


しばらく待っていると古めかしいモンスター辞典が運ばれてきて、もう少し待つと私たちと同じくらいの年齢、体格のがっちりとした同じ顔の若い男の人二人が部屋に入ってきた。どうやら双子みたい。


「あなた方が見たのはどのようなしっぽだったかお教えくださいますか?ドラゴンの種類を特定したいので」


「は、はい!」


サードの言葉に体を強ばらせながら二人が声を合わせて返事をした。

勇者一行の私たちを前にして緊張しているのか、見る見るうちに二人の顔が赤くなっていく。


「そりゃあでかくて長くて鱗があって、鱗の色は緑色っぽかったな」


「馬鹿、それだと大体のドラゴンに当てはまるだろ。それに色は青っぽかった」


「何言ってんだ、緑色だったじゃないか」


「いいや、あれは青だ」


「…それってターコイズブルーじゃないの?」


緑か青かで意見が分かれる色といったら大体ターコイズブルー…だと私は思っている。


二人の言い合いに口を挟むと、二人は同じタイミングで私に視線を移したあと、またお互いに目を合わせ、


「ターコイズブルー…ってどんな色だ?」


「うーん…えーと…聞いたことはあるんだけど…」


と逆に悩みだしてしまった。


「えーとほら、湖の一番深い所の色」


私の故郷だと湖の深い所はそんな色で、あの色の部分は深いから近寄ってはいけないよとお父様によく言われていた。


それでもこんな説明で色が分かるかしらと心配していると、二人は合点したようで同じタイミングで頷いて声を合わせた。


「そうそう!そんな色だった!」


「光が当たると鱗がキラキラしてて…こんな状況で言うのもあれなんだけど、綺麗だったなぁー」


「鱗は固そうだったな。それに背びれは…毛みたいにも見えたけど、トゲにも見えた」


「あとしっぽの先しか見てないけど、あれがしっぽの先だとしたら山を余裕で這いまわれる大きさだと思う」


「唸り声も地の底から響くような音で…」


アレンはモンスター辞典のドラゴンの章をパラパラとめくって、双子の言う条件に当てはまるドラゴンを探している。


「わしが結婚する前に買った辞典だから、お役にたつか…」


恐縮そうに言う村長にアレンはこともなげに笑いながら答えた。


「大丈夫、ドラゴンの新種なんていないから」


そう。新種や元々いたモンスターの亜種はじわじわ増えているけど、ドラゴンは寿命が長く、冒険者でも滅多に会わず、会ったとしても大体生き残るのはドラゴンで、新種が仮にいたとしてもそれを報告しに戻ってきた人は今の所いない。


だからモンスター辞典がどんどん分厚くなってもドラゴンの章だけは創刊以降一ページも増えていないのよね。だからドラゴンだけ全種丸暗記しているという人も結構いるみたい。


「いま聞いた話だとこれが一番近いんだけど」


アレンがそう言いながらページを指さし、その部屋に居る全員が頭を寄せた。


「ウォータードラゴン…」


『ウォータードラゴン


水辺に棲むドラゴンの総称。魚のような蛇のような体躯で表面を鱗で覆われ、体長は小さくても十メートルを超えるようである。

体の表面は棲みかとする水辺(湖や沼地など)の色と同じで、滅多に人前に出ることは無く深い水底で過ごし人を襲うことは滅多に無い。

ある湖にウォータードラゴンがいることに気づかず近くに村ができたが、村人がそのことに気づくのに数百年かかったそうだ。

村人はウォータードラゴンをどうするかと話し合った際「大人しいドラゴンだから問題ない」と結論付け、現在ではドラゴンと暮らす村として観光地化されている。


攻撃…滅多に攻撃してこないが、怒りだすと大水を引き起こす(伝承より)

防御…鱗は大変丈夫なため、剣などの物理攻撃は不可能と確認されている(伝承より)

弱点…水辺から離れると弱体化するのが確認されている(伝承より)』


へえなるほど、と思っているとサードがアレンに問いかける。


「しかしこのドラゴンは空を飛べないのでは?それに水辺から離れると弱体化する個体が山の上まで来るなどおかしいでしょう」


「そうなんだよなぁー。サードの言った羽が無いってのと今の聞いた限りだとこれが一番近いんだけど…」


アレンはもう一度確認するようにドラゴンの章を最初から最後までペラペラとめくってから顔を上げた。


「やっぱ空を飛ぶドラゴンは全部羽が生えてんだよな。サードが見たドラゴンって本当に羽無かったの?」


「夜目は効くほうです。確かに羽はありませんでした」


サードはキッパリ答える。でもきっと他に人が居なかったら、


「ざけんなよ、俺が見間違うとでも思ってんのかこの野郎」


とアレンの胸倉をつかみながら喧嘩口調で言い返しているでしょうね。

でもモンスター辞典を見ても該当するドラゴンがないって…それってもしかして…。


「新種とか?」


何の気なしに呟くと、部屋の中がどよめいた。


「まさか」


「けど辞典に当てはまるのが無いってことは…」


「本当に新種…?」


なんの気なしに呟いたことが妙に大事に捉えられてしまったから私はギョッとして、頭を軽く横に振りながら、


「でもまさかねえ?ドラゴンの新種なんているわけ…」


とアレンとサードの二人を見ると、アレンは「まさかぁ」とヘラヘラ笑っているけど…サードは考え込んだような表情のまま何も言わない。

ヘラヘラしていたアレンはそんなサードをふっとみて「えっ?」と身を乗り出しす。


「サード…お前まさか本当にドラゴンの新種だと思ってる?」


「…さあ、ここでははっきりと言えませんが」


イエスでもノーでもないと言う感じの言い方…。


サードは立ち上がった。


「ドラゴンの種類は決めかねますが、まず村人の救助を優先しましょう。エリー、アレン。隣村の様子を見に行きますよ」

日本は緑色を青とも言うので、ターコイズブルーを見て青か緑か混乱するのは日本特有の何かなのかもしれない。と今思いました。私は青だと思ってますがきょうだいは緑と言います。

外国の人からみたらターコイズブルーは緑一択なのかも。


ところで虹は何色ありますか?…うん、うん、そう、七色ね!

でも外国のある国だと虹は二色なんだそうです。その色の分け方を知りたいですか?そう知りたい!


明るいか、暗いかの二色です。上の赤っぽい部分が明るいの、下の青っぽい部分が暗いので二色。

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