第8話 異世界食材で料理作り
気が付いたら、6人もの方がブックマークしてくれていました!!
評価をくださった方も1人いました!本当にありがとうございます!!
その後、日が落ちはじめ、今日はここまでと野営の準備を始めるまで何のトラブルもなく進むことができた。
飯は各自で、となっていたので俺は夕飯の準備をはじめた。
こっちの世界に来て初めての自炊だ。大学生の頃から1人暮らしをしていたので得意なわけではないが慣れている。今まで食べたこっちの料理は物足りなく感じていたし、市場であらかじめ買い出しをしておいたので、少し気合を入れて作ろう!
もちろん買い出しをしたときに元の世界と同じ食材はなかった。
しかし、そんな状況を鑑定のスキルが救ってくれた。
例えば、今、アイテムボックスから取り出した黒い手の大きさ程度の野菜だが、鑑定するとこうでる。
【名前】 ジーモ
・デンプンが多く蓄えられている。
・地下茎にあたる部分。
・チキュウのじゃがいもにあたる
そう、こいつは見た目こそ違うが、じゃがいもらしい。
すばらしい鑑定
さてさて、俺はこのジーモことじゃがいもで何を作るかというと、じゃがいもとトマトのスープを作っていこうと思う。あとは肉。味付けが塩しかないのが残念だが仕方がない。
何を始めるにしろまずは火がなければはじまらない。
俺は、火をもらいにカランさんたちのもとへ向かった。
「すいません。ちょっと料理をしたいので火を頂けませんか?」
「ん?あんた料理する道具なんて持ってたかい?」
「俺、アイテムボックス持ちなので、全部閉まってあるんですよ」
「へ~、アイテムボックス持ってるのかい。いいね~。わかったよ。クク、火だしてあげな」
ココさんとのやり取りを聞いていたククさんは、「いいですよ」と言って立ち上げった。
「じゃあ、ケージさん、そこら辺の小枝とか燃えそうなもの集めてもらってもいいですか?」
そう言われて、小枝や枯れ葉などを集め小さな山を作るとククさんは山の前に来て、手のひらを上に向けた。
「炎よ」
そう唱えるとぼっと小さな音をたて、ククさんの手のひらに炎があらわれた。
これが魔法なのだろう。
俺は初めて見た魔法に感動し、目をみはっていると、ククさんは炎を小枝の山に移した。
「どうぞ」
「あ、すいません。ありがとうございます。」
やり取りが終わると、ククさんは他のパーティーたちのもとへ戻っていった。
俺も魔法つかえるのかな・・?
そんなことを考えながら、俺は調理を始めた。
まずは、玉ねぎと人参、じゃがいも、キャベツを食べやすい大きさに切り、水、塩と一緒に鍋に入れ火にかける。基本、どの野菜も元の世界のものと色合いが違い、大きさもやや大きめだ。煮立ったら切ったトマトを入れ、よく煮込み、最後に塩で味を整えたら完成!本当は、コンソメとかあったらもっと美味しくできるが仕方ない。素材のだしで勝負する。
あとは、肉に軽く塩を振り焼いていく。せめて胡椒がほしい。売っているには売っていたがとても高く諦めてきたのだ。まあ、ないものねだりは仕方ない。
どちらも出来上がり、食べようとしたところで、背後から視線を感じ、振り返るとパーティーの面々とフードの人が後ろからのぞき込んでいた。
「うおっ」
俺は驚いて情けない声を出したが、誰も反応することはなく、みんなの目は俺の作ったスープとステーキにくぎ付けである。
「あのよかったら、一緒に食べますか?スープ多めに作っちゃいましたし、肉も焼けばまだあるので」
「いいのか?」
「はい、遠慮しないでください。1人で食べるよりもみんなで食べたほうがいいですし」
結果として、6人全員で俺の料理を食べることになった。
アイテムボックス持ちがいない場合は、干し肉などの携帯食料ですませることが多いらしく、カランさん達のパーティーにはアイテムボックス持ちがいないとのことだった。
料理のお礼に、旅の間、日替わりで魔法や剣を教えてくれるという流れになった。
ぜひとも、魔法を使ってみたい。
教わるのは、明るい間がいいだろうと言われ、明日から教えてもらえるようだ。
みんな「うまいうまい」と言って食べてくれたのでとても気分がよく食事をすることができた。
食事を終え、見張りはカランさんたちが交代で行ってくれるということで、俺とフードの人は火を囲むように横になり眠りについた。