第4話 タマゴを抱っこして寝よう
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とりあえず、今後どうするかを考えないと・・・・
この国の情勢が不安定なのは、子どもたちだけでなく、服屋でも、この宿屋でも言っていたから本当のことなのだろう。
だとしたら、この国にいることは避けて、違う国を目指そう。
あとは、生活をどうするか。今の所持金ではもって数日だろう。
このステータスで冒険者になるのは無謀だろし・・・・
あとは、このタマゴ。
温めないといけないらしい。そもそもドラゴンのタマゴなのに、人間の体温でいいのだろうか?
いろいろ考えなくちゃいけないことはあるけど、今日はもう疲れたから寝よう。
タマゴも寝ている間に布団の中で抱っこして寝れば温まるだろう。
「それじゃ、おやすみなさい」
自分以外に誰もいない部屋で俺はタマゴに向かって就寝の挨拶をして眠りについた。
次の日、朝食を食べ宿を出た俺は、街を少し散策しこの国から安全に出る方法を探した。
半日かけて情報収集をした結果、一番安全な移動手段は護衛をつけることのようだった。
護衛は冒険者ギルドに依頼を出せば誰でもつけることができる。
でも、護衛代は決して安いものではなく、安い護衛代で雇える護衛は低ランクの者となってしまうらしい。隣国のミレスハートはラーミラ王国から西に位置しており、ミレスハートの最もラーミラ王国に近い位置にある街はココという街らしい。
これらの情報を手に入れた俺は、高いといってもいくらぐらいなのか実際に相場を確かめるべく冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドは想像していた通りで、たばこと酒のにおいがすごく、筋骨隆々の方々がおおぜいいた。俺は体格がいいとは言えない部類なので、若干ビビりながらも冒険者ギルドのカウンターへと歩いて行った。
「今日はどうなさいました?ご依頼でしょうか?」
カウンターには若い女の人が3人おり、そのうちの1人が俺に気が付き話しかけてきてくれた。俺の見た目から冒険者ではないと判断したようで、依頼について聞いてきた。確かにその通りなんだけど何だか悲しい・・・・
「はい。実は護衛をお願いしたいのですが、護衛をお願いするのは初めてのものでだいたいの相場を知りたくて来ました。」
切り替えて、護衛の相場を探る。今思えば、護衛を依頼したとして、街に着くまでの数日間を後ろにいる筋骨隆々の誰かと過ごすってことだよな。それはちょっと嫌だな・・
そんなことを考えながら俺は受付のお姐さんと話を続ける
「護衛はどちらまでのご予定でしょうか?」
「ココという街までお願いしようと考えています。」
「ココですね。実は今ですね、国内の情勢を考えてミレスハートへ渡ろうと考えている方が多くいらっしゃいまして、そういった方たちと共同で護衛依頼を出すことで少し費用を安く抑えることが出来ます。ちょうど共同依頼をしてくれる方をお待ちの方がいるのですがいかがですか?」
共同依頼
なるほど、そういうやり方もあるのか。これなら雇う人のランクも下げずに費用も安くできる。そして何よりゴリゴリの冒険者だけと一緒に過ごさなくて済む。
「はい。じゃあその共同依頼でお願いします。」
「わかりました。それでは、依頼を受注する者もすでに決まっていますで出発は明日の朝となります。明日までに出発の準備をお願いいたします」
あ、出発の人かは相談で決めるんじゃないんだね
まあ、問題ないしいいか
「わかりました。よろしくお願いします。」
そう言って俺は依頼料の金貨4枚を支払、冒険者ギルドを後にした。