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四章 異端者(デパエワール)

■一


深夜になると商業地であるハンターの事務所一帯はひっそりと静まりかえっていた。


事務所の窓からも明かりは見えない。


「本当に大丈夫なんだろうな?」


クララが念を押す。


「物事に絶対なんてないわ。

 だから約束はしない。

 ……けど、あなたも意外と臆病なのね」


「このっ」


事務所はアパートメントの三階にあった。


ラファエルたちは外階段を使って事務所の前に立つ。


鍵がかかっていた。


「ぶち破るのか?

 力仕事は苦手ではないけどさ……」


気乗りしない風に腕をまくるクララを尻目に、エマは外套を脱ぎ捨てると羽を広げてふわりと浮き上がった。


そのまま建物の裏手に回る。


クララが疑問に思うより早く、扉の内側から鍵が開く音がした。


エマが中から出てくる。


「窓の鍵が開いてたから」


「わかるよそんなことっ」


若干苛々した様子でクララが中に入っていく。


部屋のなかは机と応接用の長椅子がふたつ。


書棚があるが硝子窓を見る限り中身はほとんど入っていなかった。


煙草の脂の匂いが充満している。


壁には依頼人だろうか、半獣人たちの目撃情報を書いたメモが貼り付けられていた。


それは国内の広範囲にわたっていた。


ハンターの行動範囲の広さを思い知らされる。


「煙草くせえ」


クララが顔をしかめた。


エマに机を任せて、ラファエルは開けた窓からの月明かりだけを頼りに書棚やクローゼットを次々と開いてみたものの、めぼしい情報は見つからなかった。


「エマさん、何かあった?」


エマは机の前でじっと佇んでいた。


視線の先には灰皿とピストル型のシガレットライターが置いてある。


エマは深呼吸をひとつして、そのライターに手を伸ばした。


「どうしたの?」


ラファエルの問いにエマは答える。


「ヴィジョンに丁度良いものを探しているの」


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