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三章 孤独の音

「驚いた。

 探してどうする?」


「無事だって確認しないと」


「どうやって探すつもりだ?」


「わからないよ。

 とりあえずは倉庫に戻って……」


クララは声を荒げた。


「さっきも言ったけど私は御免だからな。

 わざわざ捕らわれに戻るなんてっ」


「大丈夫だよ、サーカスには僕一人で戻る。

 そこで何か情報を探してくるよ」


「このっ」


折角助けてあげたのに、という思いがクララの胸に到来した。


まだ自分だってどうなるかわからないのに、他の連中など気にする余裕はクララにはなかった。


「逃げた方が利口だ。

 せっかく助けてやったのに、なんでそう命を粗末にするんだ」


クララはへそを曲げた。


自分はこれからどうしようかと考える。


ラファエルと別れたら、またひとりぼっちだ。


孤独が一番心に突き刺さる痛みだ。


クララの機嫌の悪さを無視して、


「助けてくれてありがとう」


とラファエルは心から嬉しそうに言った。


「お互い様だ」


クララもぶっきらぼうに返す。


怒りは行き場を失って宙に浮いた。


(ラファエルにかかると自分のエゴが恥ずかしくなる)


長い沈黙のなか、やがてラファエルの寝息が聞こえ始める。


まだ疲れがあるのだろう。


クララは夜が明けたらラファエルと別れて一人で森を彷徨う姿を想像した。


やれない自信はなくもないが、ラファエルと一緒にいたい気持ちのほうが大きかった。


一旦気負ってしまうと、もうその方向でしか考えられない。


どうせ今夜は火が気になって、とても眠れそうにもなかった。


クララはこれからどうすべきなのか、ラファエルの寝息を聞きながらじっくりと考えることにした。


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