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三章 意外な追っ手

夜が更けてくると部屋はますます寒くなった。


ラファエルは話をする余裕すらなくなった。


うつらうつらと意識を飛ばしかけては、あまりの寒さに目を覚ます。


見かねてクララが声を掛ける。


「もう少しの我慢だ。もう少ししたらここを出る」


「うん。わかってる……」


ぼんやりとした口調で返すラファエルを見てクララはため息をつく。


それから一時間ほどラファエルは夢と現実の狭間を彷徨っていた。


「おい、起きろ」


クララが小声で話しかける。


「……ん?」


「物音がした」


ラファエルは飛び起きて息を潜めた。


緊張に眠気もすっかりひっこんだ。


耳を澄ますと川のさざめく音に紛れて、遠くからぎぃと扉を軋ませる音がする。


「誰か来るよ!」


「しっ。

 やり過ごすしかないんだ。

 静かにしろ」


二人は崩れかけた壁の影に身を隠した。


足音が聞こえてきた。


コツコツと迷うことなくこちらに向かっているように聞こえる。


「この暗がりでは大人しくしてれば見つかることもないはずだ」


やがて部屋の目の前で足跡は止まった。


ラファルの心臓は激しく脈打った。


扉が開く。


相手の持つカンテラの明かりが目の前の外套の切れ端すれすれに伸びていた。


一秒が一分にも一時間にも感じる。


やがてどこかで聞き覚えのある声がした。


「ここにいるのはわかってるんだぜ。

 なあ、熊のおテディベアちゃんよ」


「ひゃんっ」


ラファエルは反射的に飛び上がって光源を見つめた。


目を細めて見遣るといつぞや倉庫にやってきたハンターが、エレーナの首根っこを掴んでいた。


「エレーナ!」


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