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一章 鳥嬢マリアンヌ

観客から喝采がわき起こった。


舞台が終わると足場が手際よく準備され、空中ブランコが始まった。


いまや空中ブランコはサーカスの花形だ。


巴里と言わず国中、世界中が曲芸師の華麗な技に夢中になっている。


「巴里が誇る人間飛行機、サー・マルコン!」


アナウンサーの紹介で曲芸師が現れた。


カラフルなぴったりとしたタイツを穿いた筋肉質の男が軽々と足場を登る。


同じタイミングで舞台には幕で覆われた大きなはこが運ばれてきた。


幕が取り払われるとそれは巨大な鳥かごだった。


なかに入っているのはきらびやかな衣装を身につけた少女だ。


背中には大きく翼を広げ、ほっそりとした体躯、張った胸骨と白い肌は白鳥を思い起こさせる。


錠を取り去ると、一羽の白鳥、もとい少女が翼を広げて観客席の上空を飛び回った。


「おおっ! 飛んだっ!!」


空を飛ぶ人間の姿に観客は驚きを隠せない。


常連たちはその美しい翼を持った少女にも拍手を送る。


「マリーッ! 愛してるよー!!」


口笛を吹き、靴を踏みならす。


少女は歓声に応えるようにくるくると上空を舞った。


半獣人デパエワール)であっても空中ブランコに携わる者は人気者だ。


彼女は紛うことなく円形劇場の看板女優エトワールだった。

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