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二章 混乱
ラファエルは持っていたポップコーンを放り投げた。
観客を乗り越えてマノンのあとを追う。
マノンは団員たちに取り押さえられ、舞台に戻されるのを懸命に抵抗していた。
「マノンさんっ、どうしたの!」
「うるさいっ。
放っておいてよっ」
ラファエルはマノンを落ちつかせようとしたが、近くにいた支配人に腕を強く掴まれた。
「勝手に持ち場を離れるんじゃない小僧!
おいお前っ!
舞台をすぐにさげろ!
道化たちを全員出せ!
熊もだ!」
支配人が顎を突き出してまわりに指示を与えた。
サーカスでは不慮の事故などで演目が変わるなんてことは珍しいことではない。
団員たちは気を取り直すと、てきぱきと準備を進めた。
マノンが檻に連れ戻される。
すっかり気落ちした様子で抵抗もしない。
いつまでも文句を垂れているのはペルセウス役の団員だけだ。
場内では道化や動物たちが矢継ぎ早に芸を始めた。
観客にアクシデントを語る暇を与えないようにするためだ。
道化たちが観客の目を引いている間にペルセウスの舞台はあっという間に片付けられ、メインイベントとなる空中ブランコの準備が整えられた。




