二章 拒絶
ラファエルは耳を疑った。
「このままって……どうして??」
「このままでいないと、また違ういじめをされるだけにゃ……。
だからこのままそっとしておいて欲しいにゃ」
エレーナは懇願した。
ラファエルはかぶりを振った。
「そんな訳にはいかないよ!
誰にされたの?
ロージさん?
いっつも誰かをいじめてばっかりだもんね。
それともアンソニーさん?
最近博打で負けてばかりだったから機嫌がわるいのかも……。
でもこんなことしなくたっていいのに」
「別に誰でもいいにゃ」
「良いわけないよ!
ロージさんなら支配人に言いつける。
アンソニーさんなら彼の奥さんに言えばいい。
『こんな子供じみた真似やめなさい』って
きっと注意してくれる!」
「だから止めて。
余計なことをしないでにゃ」
「なんでっ。
僕がすることは余計なの?」
「そうにゃ」
ラファエルは大きくショックを受けた。
よかれと思って、
エレーナのためを思ってやっていることなのに、
どうして否定されなければならないのだろうか。
ラファエルは泣き出しそうなのを堪えてどうにか声を絞り出した。
「……僕、のことが、嫌いなの?」
「違うにゃ。……そういうことじゃないにゃ」
ラファエルは困惑する。
「……じゃあ、どうして?」
「みんながやったことだからにゃ」
「?」
「ロージさんも、アンソニーさんも、他の団員だって。
みんないる場でレーナはこうされたにゃ。
みんな笑ってた。
レーナはバカで、汚くて、獣以下なんだって」
「そんな……」
ラファエルは言葉を失った。
こんなことが、みんなの総意であって良いわけがなかった。




