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二章 獲物
「そんなにご執心なら売ってもよろしいですよ?
そう安い値段じゃありませんがね」
「いやいや、結構。
我々は半端者を狩ってお金を得ているのです。
逆に代金を払うなんて本末転倒ですよ」
「交渉決裂ですか、残念です」
冗談とも本気ともつかない表情で支配人は言った。
「まったく。
不浄の輩を売買するなど、あこぎな商売ですな。
ま、この娘がいずれここを離れるときがくれば、私にも商売のチャンスがやってくるかもしれませんが」
ラファエルは吐き気がしそうだった。
「さあ、次へ案内してくれ」
ジョーが気分も高らかに言い放った。
「あの野良猫はどこだ?」
支配人が差しているのはクララだとすぐにわかった。
嫌悪感を押し隠してラファエルは答える。
「……稽古中だと思います」
「すぐに呼んでこい」
支配人は言った。
稽古場にラファエルが向かおうとしたところで、エレーナが遠慮がちに声を掛ける。
「もう帰ってくるみたいにゃ」
「なに?」
「匂いが近づいてきてるにゃ……」
エレーナがくんくんと鼻を動かし、ハンターはそれを見て目を細めた。
エレーナが言ったとおり、数分もせずにクララが鎖に繋がれて倉庫に戻ってきた。
「これで最後ですよ」
支配人が汚れ物を見るように露骨に顔をしかめて、クララのことを紹介した。
「こいつはいい」
開口一番ジョーはそう言った。




