いい加減な神様《ヌイ》のせいで0歳からスタートの様です
肌に柔らかい光を感じる・・・
(あれ?俺死んだんじゃなかったっけ?)
ふと疑問に思い周りを確認しようとして動けないことに気が付いた。
(ぐぅっ!く、首が動かない!)
(というか目も見えない!?)
(そういえばあいつ《ヌイ》なんだか最後にプレゼントがどうとか言ってたけど)
「あーうー、おーうー《誰かーいないのかー》」
状況を説明してもらおうと誰かを呼ぼうと声を上げて驚いた。
(喋れない・・・だと)
などとグズグズやっていると周りが騒がしくなってきた。
フッと体が軽くなった。落ちた時と違いどうやら持ち上げられたようだった。
「●△□◎○×□」
(んんー?何言ってるかよくわかんないけどこれはやっぱりあれか?生前?よく読んでたネット小説で読んだ転生ってヤツで自分は今赤ん坊からスタートとかそういう状態なのかなー?・・・)
(んなバカな!?いやしかし・・・神様なんて存在もいたんだからありえなくはない・・・?というより単純に俺は穴に落ちたとかそこから夢でも見ていて今のは自宅の布団の中でぐっすり寝て「んっふーそれはないよー?」)
!!!?
唐突に頭の中に声が響き渡る
(----------っくりしたぁぁぁぁぁ!)
「そんなお化けみたいな扱いはひどいんじゃないー?」
(ん?えっと・・・ヌイか?)
「そうだよー?」
(今どこいるんだよ!?ってか僕どうなっちゃってんの!?状況説明してくれよ!)
説明を求めようと叫ぼうとしたら有無を言わせない感じに自身の口元に何かが当て込まれたのがわかった。
(んぐっ!?)
(これはまさか・・・)
どうやら自分は本当に赤ん坊からスタートしているらしい。
口の中に広がるほんのり甘い液体はどうやら母乳らしく体を包み込むような柔らかさはどうやら女性の乳房であるようだった。
(・・・で、ヌイこれは一体どういう状況なんだ?)
「んー?おなか一杯になってからでもヌイはかまわないよー?」
(いいから!変な気遣いとかいらないから!)
「じゃあー、わかりやすく言うとね?君には申し訳なくてね?ここ数千年?って言えばいいのかな?いろんな世界に穴が開いても迷い込んでくる子なんて全くいなかったんだー。でね?前回迷い込んだ子ってのがいてね?体が君とは逆にものすごい勢いで老化しちゃってね?仕方ないから魂だけ抜いて他の世界に生まれ変わらせてあげたんだ?だから今回君にもおんなじことしてあげたんだよ?」
(という事はやっぱり・・・)
「うん?君は別の世界に生まれ変わってもらったんだ!でねでね!それだけだと悪いからちょっとだけお詫びに僕の力を貸してあげられるようにしたんだ!と言っても今の君じゃ碌に扱えないから君が育つまでは大した意味もないんだけどね?まぁ使えるようになったら有効活用してみてよ?」
(まじか!神様からの祝福的な・・・?何か・・・根本的にだまされてる気がして喜びにくいが・・・そもそも・・・)
「おっとーそろそろごめんね?君に話しかけるために針の穴ほども穴を開けちゃってるからちょっとまずいんだよね?もう閉じないと怒られちゃうんだ!もう2度と会えることはないと思うからさ!新しい人生を存分に楽しんでよ!」
(!?ちょっと待っ・・・)
「ばいばーい?」
(おおおおおーーーい!もう少し情報をくれぇぇぇ!)
そこから先はどれだけ叫んでもヌイが返事をしてくることはなかった。