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第三章

目を覚ますと目の前に由美が寝ていた

思わず叫びそうになったが、それでは起こしてしまうので心の中で叫んだ

顔の距離数cm

もしこいつがもっと前に出ていたら接触していた可能性がある

昨日もじろじろ見たが・・・・・・訂正しよう

今もじろじろと見ている

オレンジ色のショートヘア、目の色は確か青だった

着替えを俺たちは持っていなかったので、昨日の服装のままだ

なぜこいつが目の前にいるのに疑問を持たないかは昨日のこいつの言葉を聞いていたからだ

「私寝ぞうが悪いから勇気君の布団に入っているかもしれないけど、けらないでよ?」

にしても、こいつはよくわからないとこが多いな

「さて、そろそろ起きろ」

「う、もう朝?」

まだ眠いのかあくびをしながら、目をこすっている

「・・・って何で勇気君が目の前に!?しかも同じ布団に何で!?」

びっくりしたのか部屋の隅に逃げている

「おまえの寝像だ」

「・・・あっそうか」

納得してテヘとしている

「それより今日からレベル上げもしておくぞ」

「レベル?」

首をかしげて何のこと?とでも言いたげな顔だった

「ここはゲームの世界で経験値もあるんだから、レベルもあってもおかしくないだろ?」

「そっか、ここゲームの世界だったんだね。忘れてた」

能天気でいい奴だな

でも忘れていてもおかしくはないか

現実世界と違うとこなんてモンスター、がいるかいないかの差ぐらいだからな

トイレにも行く、腹も減る、怪我もする、寒くなったり暑くなったり眠くなったりもする


村の外に出ると昨日はエンカウントで戦闘が始まったが今日は、草を食べてるモンスターと戦ったりだった

どうやら昨日のは、チュートリアルのためのエンカウントだったらしい

由美は、片手剣を敵の攻撃をかわしてすぐ切りつけていたけど、両手剣だと重量がある分手数は劣ってしまう

その分、威力があるのが魅力だ

結局、1から5までレベルが上がって今日は宿に引き返した

そんな感じで1カ月がたった

そろそろ、この大陸のボスに勝負を挑もうとの話をしていた

はっきりいって、何となくそう思っただけだ

「うーん、でもまだ15だよ?それにここら辺の敵にまだ苦戦する時あるしもうちょっとあとでもいいのじゃなぁい?」

「それも一理あるな」

「それに私は勇気君と一緒に暮らしてるのも、楽しいし、もっとこの世界で暮らしてもいいと思うよ」

確かにここ最近ここでの暮らしがものすごく楽しいとよく言っている

実際俺もこの世界は楽しい

今すぐ現実世界に戻りたいかと聞かれると答えはNOだ

「ずっとは、ごめんだな」

「何で?」

少し由美をバカにしてみることにした

「由美が小さいままだろ?」

俺は由美の頭をなでながら小さいということが、最近多くなっている気がした

「じゃぁ・・・ダンジョンのボス倒しに行かない?」

「それもそうだな。最近じゃこの両手剣も自由にふれるようになってきたし」

チュートリアルでもらった武器は威力が低かったので俺たちは先週、今帰る中で一番攻撃力の高い、片手剣と両手剣を買ったばかりだ

買い物のときスマホみたいなのを商品にかざすと硬貨が減少し商品が自分のものになるという仕組みだ

武器は、最近買った俺たちの家に収納している

家といっても倉庫みたいな作りだ

最初由美は、もっとかわいいのがいい、と文句を言っていたが当然いい家ほど高くなるわけで俺たちにそんな家を買う金はない

一応家をワープの移動先にセットしている

ワープするには、ワープ石を使い登録している場所を指定すれば移動できる

正直ワープするのはあまりなれない

体が宙に浮いて、恐怖体験を味わうのだ

しかも由美は毎回泣いているからなだめるのがめんどくさい

俺だって泣きたい・・・由美をなだめるのに対して・・・

「よーし。じゃぁグメニの洞窟からいこー」

「どこなんだ?そこ」

初めて聞く場所だった

といってもこの大陸に俺はあまり詳しくない

移動するときは、由美に移動方向を任せている

「えーと推薦レベル10の洞窟だよ」

「ま、それならボスもそこまで強くないかもな」


準備を整え、洞窟の中に入った

洞窟の中は薄暗く、音はたまに聞こえるモンスターの泣き声ぐらいしかなかった

ところどころ、光が反射していて、水晶に似ている鉱石が大量にある

珍しいことに、由美は洞窟に入ってから身を縮め一言もしゃべっていない

モンスターがでたときも震えていて、このままボスと戦っても大丈夫なのか?と思うことが何度もあった

俺も由美も歩き疲れ広い場所でキャンプを張った

キャンプには、人間には安らぎの効果を与えるにおいだが、モンスターが苦手なにおいが付いている

キャンプの中は、ランプで照らされ久々に光を浴びた気分になった

しばらくすると由美が溜息とともに

「怖かった」

とつぶやいた

「暗いところ苦手なのか?」

うなずく

「なら森とかにしたらよかったんじゃないのか?」

「だって、ここの大陸のボスがいるところ洞窟だもん・・・だから、克服しようと思って」

「俺にできることがあれば言えよ?」

「うん・・・じゃぁ」

「なんだ?」

「暗いところではその・・・しがみついといていい?」

まさか女の子からそのように聞かれるとは思っていなかった

「そんなことで怖さが消えるものなのか?」

「勇気君だったら」

俺だったら?

よくわからなかったが実験することにした

「まだキャンプの中だって」

「いいじゃん」

歩きにくいのは黙っておき、キャンプの外に出る

右腕が痛くなるのがわかった

「怖くない怖くない」

暗示をかけている

すこしすると、由美の震えが収まってきた

「どうだ?」

「う、うん。まだ少し怖いけど、勇気君にしがみついていると落ち着く」

「由美・・・それ好きな奴にいってあげたら喜ぶんじゃないか?」

一瞬由美の顔がものすごく怖く見えた。気のせいだろう

「そんなの・・・・」

誰かの名前を言っていたようだがあまりにも小さかったため聞き取れなかった

「もう寝る!」

腕を離し怒った足取りでキャンプに入って行った

「怖くないのか?」

聞こえていないのか、返事は帰ってこなかった

さっきまで震えていたのに嘘みたいだった

次の日、由美はもう大丈夫と言っていた

その言葉どおり震えることはなく、いつもの調子で会話していた

「着いたみたい」

目の前にある扉はいびつな絵が描かれていた

「あけるぞ」

うなずくのを確認して扉を押す

中は体育館ほどの空間だった

中に入ろうとしたとき

「おーい待ってくれ―」

突然後ろからかけられた知らない声に体を硬直させる

この世界で、知らない人に声をかけられるのは初めてだ

「俺をパーティに入れてくれ」

突然そう発言してきた

「勇気君知り合い?」

「いや俺は知らん」

その男を見ると年頃は俺たちと同じくらいだろう

武器は、ハンマー

「で、あんたは誰?」

俺はボスがいる部屋からボスがでてこないのかと、心配しながら男に話しかけている

「俺はレイブン」

「レイブン?外人?」

そこで俺は思い出した

これはオンラインのゲーム

俺と由美は現実世界で一応知り合いだから本名で呼んでいるがこの男は全くの赤の他人だ

「わるい・・・俺の名前は・・・カイだ」

ずいぶん長いことオンラインネームを使っていなかったので思い出すのに少しかかった

「私はソモ」

「カイにソモか。よろしくな」

よろしくといわんばかりに握手を求めて両手を差し出してきた

「ちょっと待て、いつパーティに入れるって言った」

「いいんじゃない?1人でも多いほうが戦略も増えるし」

由美もそういう

それはそうだけど、由美と2人の時間が邪魔されるみたいで・・・って俺は何考えてるんだ?たしかに最近由美のこと考える時間が・・・・・・忘れてくれ

「あー、わかったよ。その代わり俺たちはお互いのことを本名で呼び合ってるんだ。だからあんたも本名教えてくれ」

普通オンラインゲームで個人情報を聞かれたらそのプレイヤーを避ける

俺はそれを狙ったが

「俺は赤松上谷」

「私は、草野由美でこっちは、秋葉勇気君」

俺は、びっくりしていた

勝手に人の本名教えた由美に対してもそうだが知らない相手に名前を教えた上谷にも驚いている

「そんなに驚くかないでくれよ。名前知られたって死んだりしないぞ」

豪快な笑いをしている

俺はこの男を受け入れられる自信はわかなかった

「その前に上谷のレベルはなんだ?」

「俺は13だ」

15の俺たちに対して上谷のレベルは13経験値が入るとき補正されて上谷のほうが俺たちより少なくなる

「よーし。3人でガンバロー。ね、勇気君」

「ああ」

ボスの部屋に入ると蒸気が部屋全体を覆った

霧が晴れるとそこに・・・





久しぶりの投稿です

初めての方は初めまして

もしお久しぶりの方がいれば今回も足を運んでくださってありがとうございます

さて、今回は戦闘シーンもなく、オンラインネーム レイブン リアルネーム 赤松上谷 が登場しました

ですが注意です

皆さんはオンラインゲーム・ネット上では決して本名を出さないでください

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