第14話 相変わらず、早々・・・
ついに、三学期になった。なってしまった。
いや、どうせあと三か月だ。三か月しかないんだ。覚悟を決めて過ごしていこうではないか!
みたいな感じに思ってた給食時間、その悲劇は起こってしまった。
「うわ、なんだこの物体は!」
「気持ち悪い!!」
「まるでメダカの死骸かよ!?」
その正体は、今日のおかず。白身魚を丸ごとお浸しに漬け込んだヤツだったんだけど、無数にお浸しのなかに埋め込まれてるもんだから、確かにメダカの死骸のようで気持ち悪い。
そこでクラスの皆はそれをテンコ盛りに盛った全員分の皿を大原先生の机に置き始めた。
「何するのよ!こんなに食べられないって。戻しなさいって!」
すると、一人の男子生徒が呆れたように言った。
「お前ら教師は俺たちの親が汗水たらして働いた金で食ってんだろ!?税金暮らしのくせに俺たちに指図するな!」
確かに正論も含まれてる。だからこそ大原先生はムカついたけど、でも押し黙ったんだ。
大原先生は仕方なくその例のお浸しに手を付けたが、でも流石に間に合わなかった。
「も、もうダメ・・・・ギブアップ・・・・」
「教師のくせに残すな!」
「な、なんで・・・」
「おい、食缶持ってけ!大原に戻させるな!!」
「よし!」
と、誰かが食缶を給食室に持って行ってしまった。こうなるとお浸しはどうにもならない。
結局、そのお浸しは、温食の入れ物に放り込まれ、スープに気持ち悪く浮かんでいた。
そして、昼休み・・・・
悪がきの数人が、ワイヤーのようなものを持ってきて大原先生に近寄った。
「おい、大原!そのまま振り返んなよ!」
「え・・・?」
その数人はクスクス笑って、ワイヤーを大原先生の首にまわした。
そして・・・・
「うわ!苦しい!!放して、放して!!」
「無理ぃ~」
大原先生の首を絞めたのだった。大原先生の首は赤く痣になっている。しかも、しばらく続けるから危険だ。
「も、もうやめなって!殺しちゃうぞ!?」
俺の言葉に、流石にやめた。大原先生は首を抑えて、泣いていた。
・・・いくらなんでも、これはまずい。
その後、その悪がきどもたちは教頭に呼ばれて散々説教されたらしい。でも、本人たちは教頭の怒った顔が受けると、真面目に受け取っていなかった。
まったく、三学期初日から早々・・・・・、相変わらずのパワーだ・・・・。
今回は短くて済みませんでしたっ!(^^;)
次回もよろしくお願いします☆