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第4話 第二次世界大戦 バルバロッサ作戦

4話目です。よろしくお願いします。

第4話 第二次世界大戦 バルバロッサ作戦


はじめに


 本話より数話は、第二次世界大戦における、ヨーロッパ戦線の推移のまとめとなります。

 作者よりも詳しい方が多いと思いますが、改めて稚拙ながら、簡易に記載しておきます。

 この大戦で、筆舌に尽くし難い多くの悲劇が起こりましたが、ルドルフとアドルフのダスラー兄弟も、巻き込まれていたのです。

 但し、彼らはナチス党員であったのだから、ある意味自業自得なのですが……。



 1939年9月1日にドイツ軍はポーランドに侵攻し、同月17日にソビエト連邦軍が同じくポーランドに侵攻する。

 この年の8月23日に締結された、独ソ不可侵条約による付随条約からの、両国の取り決めで、ポーランドは主にナチス・ドイツとソビエト連邦に因り、全土を分割占領される。


 イギリスとフランスは9月3日にナチス・ドイツに宣戦布告をするが、直接的な交戦は行なわれず、ヨーロッパはアドルフ・ヒトラーとヨシフ・スターリン(Iosif Vissarionovich Stalin、1878年生まれ)の両独裁者の侵略戦争に蹂躙される。


 それは北ヨーロッパにおいてであり、ナチス・ドイツは北欧のデンマーク、ノルウェーの占領。ソビエト連邦はバルト3国のエストニア、ラトビア、リトアニアを占領して行き、フィンランドとの交戦状態に入る。


 西ヨーロッパでは動きが少なかったが、遂に1940年5月からナチス・ドイツはベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)と北フランスの侵攻を開始し、ベネルクス3国を降伏させ、更に6月22日にはフランスを降伏させることに成功する。


 ナチス・ドイツにとって、脅威として残る西ヨーロッパの大国はイギリスだけだ。(ポルトガル、及び北欧のスウェーデンは両陣営相手に立ちまわった中立だが、スペインはかなりの枢軸国よりの中立)

 バトル・オブ・ブリテンと呼ばれる、ブリテン島上陸を目指す、ドイツ空軍とイギリス空軍の戦いは、同年7月から10月末まで行なわれるが、ドイツ空軍の被害は甚大で、上陸作戦は頓挫された。



 ヨーロッパの戦局は、南東と地中海を渡った北アフリカに移る。

 1940年10月。イタリアの独裁者、ベニート・ムッソリーニ(Benito Amilcare Andrea Mussolini、1883年生まれ)により、イタリア軍はギリシアに侵攻するも敗北。

 同年12月にイタリア軍はイタリア領リビアからエジプトに侵攻するも、イギリス・エジプト連合軍に敗北。


 この年の9月に所謂「日独伊三国同盟」が成立していたので、ヒトラーはエルヴィン・ロンメル中将(Erwin Johannes Eugen Rommel、1891年生まれ)を派遣して、北アフリカ戦線の立て直しを行なう。

 ロンメルとは、先のベルギー・北フランスでの対連合軍(イギリス、フランス、オランダ、ベルギー)との戦いで活躍した将軍である。


 ヨーロッパ南東部の戦いは続き、1941年3月にドイツ軍はブルガリアに進駐して、ブルガリアは「三国同盟」に加入。

 近辺のルーマニアやハンガリーも「三国同盟」に前年の秋に既に加入している。

 4月にはユーゴスラヴィア、ギリシアもドイツ軍が制圧に成功。


 このようにドイツが進駐した地域で「三国同盟」に加入した国々は、謂わばミニ・ヒトラー、ミニ・スターリン、ミニ・ムッソリーニのような、権威主義的な独裁者が政権を握っていた。



 1941年6月22日。

 ドイツ軍は「バルバロッサ作戦(Unternehmen Barbarossa)」を発動し、独ソ不可侵条約を破り、約170師団、約350万(内約50万がルーマニア、ハンガリー、フィンランド、イタリア、スロヴァキア、クロアチアの枢軸国軍と、義勇兵を送ったスペイン軍)もの大軍がソビエト連邦に侵攻を開始する。


 未だドイツはイギリスと北アフリカ方面も含めて対峙中なのに、なぜ二正面作戦を行なったのか?

 

 一つは、ヒトラーを初めドイツ軍首脳部の一部は、ソ連軍(赤軍)を甘く見ていたからである。

 先の「冬戦争」と呼ばれる、フィンランドとの戦いには勝利したが、苦戦し多大な犠牲を払った体たらく。

 開戦すれば、一蹴して破り、これでもって、イギリスとの講和を有利な条件で図る思惑だ。


 一つは、イデオロギー的。もっと言えばナチズムの根幹をなす理由から。

 反共国家のナチス・ドイツにとって、ソ連は絶対に斃さねばならない存在。

 そして、それ以上に「生存圏(Lebensraum、レーベンスラウム)」の獲得。

 具体的に言えば、穀倉地帯であり工業の盛んな、現在のウクライナを直接支配し、大ドイツ帝国を成立せしめる為。


 北方軍集団はレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)、中央軍集団はモスクワ、南方軍集団は主要目的地のウクライナとその首都キエフ(キーウ)の占領を目指した。



 準備不十分。完全な不意を突かれたソ連は大敗する。

 原因は色々あるが、スターリン個人に帰してもよいであろう。

 スターリンには様々な情報機関から、「ドイツの侵攻近し」の報を受けていたが、これを全て独ソ間の離間を企てるイギリスを初めとする、西側諸国の陰謀と信じ込んだ。

 また、赤軍の有能な将校の大半を大粛清で殺してしまったので、対ドイツ軍を指揮する将校は二線級の指揮官たち。


 開戦一カ月で、ドイツ軍は約500キロを進出する。

 レニングラードを攻囲し、キエフを9月に落とし、10月下旬にはモスクワ近郊まで迫り、ドイツ軍の偵察オートバイ部隊は、クレムリンまで数キロの地点まで達した。


 処が、この年は秋が直ぐに過ぎ去り、ロシアの極寒の冬が到来する。

 それ以上にドイツ軍首脳部とって驚愕だったのは、ソ連軍の規模と兵器の充実度だった。


 開戦前。ドイツ陸軍参謀本部は、ソ連軍師団を200と見積もっていたが、開戦後には360師団も擁している事が判明した。

 更に、ソ連軍の主力戦車のT-34やKW-1重戦車に対して、ドイツ軍の戦車は全く対抗出来ず、脅威にさらされる。


 ドイツ軍の進撃は止まり、押し戻され始めた。


 少し時を飛ばして、1942年6月4日。

 フィンランド軍最高司令官のカール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム( Carl Gustaf Emil Mannerheim、1867年生まれ)の75歳の誕生日を祝うため、フィンランドへ側近と共に来たヒトラーは、マンネルヘイムとの会談で、次のように語っている。


「若し、開戦前に誰かが『ソ連は35000輌もの軍事車両を保持している』、と私に報告していたら、『そんなバカな話があるか! 信じられん!』、と私は言っただろう。だが今や彼らは35000輌もの軍事車両を投入して来たのだ……」


第4話 第二次世界大戦 バルバロッサ作戦 了

ひっとらぁおじさんとすたぁりんおじさんが壮大にやらかしました、の回でした。


最後のひっとらぁおじさんの会話はフィンランド側でひそかに録音されていました。

映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』で、おじさん役のブルーノ・ガンツさん(1941年~2019年没)が、それを聞いておじさんの役作りの参考にしたそうです。


モスクワの戦い(タイフーン作戦)をスルーしました。

ソ連軍はドイツ軍の足止めに、モスクワ近郊のダム破壊をして洪水を起こしたのですが、まさか80年以上たって、ウクライナとロシアの紛争で、水力発電ダム破壊の洪水が起こるとは……。(どっちがやったか不明、あるいは単純な事故なのも不気味です)


そういえば去年の秋の歴史でも「バルバロッサ」を出していました。

こちらは実際のフリードリヒ・バルバロッサ王が出ている話なので、お時間があればご一読お願いします。(宣伝)


Sabatonの「Defence Of Moscow」を置いておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=9TjXanLjpTU



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【短編、その他】

【春夏秋冬の公式企画集】

【大海の騎兵隊(本編と外伝)】

【江戸怪奇譚集】
― 新着の感想 ―
[一言] バルバロッサが赤ひげで、ギリシア人の言うバルバロスは、蛮族。英語のバーバリアンは、野蛮人。そのせいで、なんか、この作戦の名前、野蛮なイメージがあるんですよね。 あんまり興味がなくて、ここら…
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