37 皐月の日記帳・1冊目・3冊目・5冊目
2020ねん2月17日
おねえちゃんがにっきちょうをくれた。もじのれんしゅうをするんだわっていって、さつきにくれた。これからまい日かきます。
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2022年6月3日
姉さんがインターネットで大えん上しました。なれないツイッターを使って、む理をしました。反せいしてほしいです。姉さんは、ちゃんとしてればすごいかわいいから、なにもしなくていいのになと思いました。
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2023年6月5日
姉さんが家に友達を連れてきました。ノワ姉でも、さざれお姉さまでもありません。男の人です。さらしなすぐる(漢字聞きそびれちゃいました)さんです。さらしなさんは、とてもかっこいい人でした。イケメンです。テレビのはいゆうさんより、ずっときれいです。姉さんはああいう人が好きなんでしょうか。姉さんは美に対して特別なこだわりがあると思っていたのに、ただのメンクイだったことが分かってしまい、少しショックです。でも、さらしなさんは外見だけでなくせいかくもとてもいい人で、さらしなさんと話している姉さんはいつになく楽しそうだったので、やっぱりうれしいです。
さらしなさんは、わたしと姉さんを仲のいい姉妹だと言ってくれました。知らない人から見て、わたしはちゃんと、十六夜皐月みたいです。姉さんの妹に見えるそうです。それがすごくうれしくて、わたしは思わず泣いてしまいそうでした。ありがとう、さらしなさん、お姉ちゃん。
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2023年6月14日
なにか姉さんに色々あったみたいなんですが、文章にまとめるのがむずかしいので、わたしと姉さんの会話を小説みたいにしてみます。多分その方が分かりやすいと思うので。
わたしが部屋で本を読んでいたら、帰ってきた姉さんが泣きながら(鳴きながら?)言いました。
「わんわんわんわん! スグルにカノジョがいたんだわ、サツキ!!」
「はぁ……」
そりゃああれだけカッコよかったらいても不思議じゃないと思ったので、わたしの反のうはたんぱくでした。
「大変だわ! わんわんっ」
「えっと、なんで泣いてるんですか? 姉さんはさらしなさんが好きだったんですか?」
「好き……じゃ、ない?」
「どうしてぎ問形なんですか」
「きらいなわけないわ? じゃあ、ふ通……? うーん……?」
姉さんはめずらしく考えるようなそぶりを見せました。しばらくして、わたしに聞きます。
「サツキ、好きってなんなんだわ?」
「10さいの妹に聞くことですかっ」
「だ、だってお姉ちゃんも初めてなんだもん……」
「友達の好きじゃないんですか?」
「それだったらノワとかさざれに対するそれと同じ気持ちになるはずだわ? でも、でも……くぅ~ん」
高校生でこれって、ふ通なんでしょうか? じゅんすいすぎはしないかと、わたしは少し姉さんが心配です。
「スグル、もうわたしと会わないって言ってたわ……? どうしようサツキぃ……」
「姉さんといっしょにいるところをカノジョさんに見られたくないんじゃないですか? でもそういう場合、たいていは建前ですから、あまり気にしなくてもいいんじゃないかと……」
「ホント? スグル、またわたしと会ってくれるんだわ?」
「それはさらしなさん次第なのでなんとも言えませんが」
「ががーん!」(←実さいに口に出して言っていました。)
「ですが、いくらカノジョができたからって、友達をないがしろにするような人ではないのでは……って、それはわたしより、姉さんの方がよく理かいしているはずでしょう? どうなんですか?」
それがどうやら、姉さんには有こうなアドバイスだったらしく。
「そうだわ! これはわたしとスグルの問題! わたしがスグルをどう思ってるか分からない――なら本人と関係していくなかで、それを見つけていけばいいだけなんだわ! 自と他の関係の話なのに、わたし一人で考えようとしてたんだわ! スグルがどれだけいやがったって、わたしは折れないんだわ! すべては美のため、わたしがわたしであるためなんだわ! ――ありがとうサツキ! やっぱり自まんの妹なんだわ!」
「おおげさですよ」
すみません。本当は最後のわたしのセリフ、もっと照れていたと思います。そういうセリフを書くのがなんだかはずかしかったんです。姉さんは急にほめてくるので心ぞうに悪いのです。
とにかく、なんだか姉さんとさらしなさんは大変みたいです。姉さんのことだから、さらしなさんを無自覚におこらせたりするかもしれません。それでけんかになって、さらしなさんが姉さんをきらいにならないか心配です。さらしなさんの話をする姉さんは本当に楽しそうなので、できればわたしは、さらしなさんには姉さんの友達でいてほしいです。
どうか、みんなみんな、仲良くなれますように。わたしとお姉ちゃんが、かつてそうなれたみたいに。
これにて一章終了です、ありがとうございました!
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