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41 僕を愛した美少女たちへ

【更科優】



 こうして僕らの肝試しは終わった。とても綺麗とは言い難い終幕だった三泊四日の海水浴旅行の、あの太陽と海の眩しさも、今ではもはや僕の頭のなかで蜃気楼のように揺らめくばかりの、おぼろげなものとなっている。なぜだろう? 

 旧校舎にのしかかる夜が明け、水平線から黎明の光が昇る時刻に、僕はズミから告白された。いろいろの文句と一緒に、彼女は精一杯の勇気を振り絞って僕に想いを伝えてくれたので、受け入れることにした。そうしなければならないと思ったのだ。やはり、僕はズミを友達だと思っており、彼女を異性として見たことはあまりなかった。だからといってそれを理由に彼女の告白を断るのは、道理に反すると直感したのだ。道理? 一体なにの――? 

 物事には、そうなるべき道筋があり、いかにも納得できる因果関係によってすべては紡がれている。すなわち、僕らは人生という長大な私小説のなかに生きており、登場人物が相応に納得できる理屈を持って僕の前に現れた時、僕という登場人物の一人は、決してそれに対しておざなりではいけない。このような妥当性の積み重ねによって、僕は四人の美少女と関係を持ったのだ。シェイクスピアがどっかで、この世は舞台でみんな役者だとか言っていただろう、あれであり、なにか一つ大きな山を乗り越えたっぽいズミによる告白を断るのは、妥当ではない、だから僕は付き合った。そういうことの連続である。道理というのは物語の道理であり、僕の現実は物語である。僕の人生は虚構のようなものなのだ。このことについても言いたいことが山ほどあるのだが、ひとまずここでは語らない。

 そういう物語の道理で現実の破綻した穴を埋めた。僕はズミと付き合い、また一つ他者へと近づいた。この海に来て、僕は「自分探し」を始め、アイデンティティの問題に頭を悩ませていた。そこに中学以来のエルとの向上心と、ノワキという少女の運び込んできた未来への兆し、そして金髪美少女さざれによる失敗と内省という三つの路が与えられ、僕はそれのおかげでまた少しだけ前へ進むことができたのだ、という具合である。虚しいだけだ。

 虚構とは、虚構である。それを突き詰めた先には、虚しさだけが広がっている。ゆえに、ぼくの記憶はおぼろげだ。いつもなんにも、本当は覚えていない。むろんこのことに気づいていなかったわけではない。気づいていながら、僕はこの路を歩まねばならなかったのだ。こんな馬鹿な話はあるだろうか?


 すべてはこの「顔」の罪であり、つまり僕の罪であり、だから、僕である。


 いま僕は、せめてこの虚構、彼女たちとの素晴らしき美しき日々をめいっぱい愛そうと思う。

 源エーデルワイス、不知森野分、御簾納さざれ、八月一日九――……


 僕は、君たちを愛しているよ。



   ☽




















 ――それから何ごともないまま、一年と約半年が過ぎた。












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