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第9話

「父上、彦五郎ただいま帰還いたしました。」

「彦五郎、京にての話を教えてくれ。座敷にて話そう。」

「はい!父上、母上の体調はどうなのですか?」

「麗しくない。典医によると後1ヶ月持つかどうかだ。」

「それは……」

「嘆いても仕方ない。京の話を聞かせてくれ。」

「はい、京に着いた翌日には上様に会いました。上様より、父上は尾張、三河の守護に任じられました。」

「ほう。我々の支配が認められたか。それは良いことだ。」

「はい!上様は我々に好意的な様子でした。」

「それは良いことだな。色々頼みやすくなる。」

「それでその後、帝より従五位下権左近衛少将並びに美濃守に任命されました。その翌日には帝に謁見致しました。そこで美濃の平定を命じられました。」

「なっ帝が?」

「はい。」

「それなら早急に美濃を平定せねばな。後これからは今川彦五郎ではなく今川美濃守と名乗る方がいい。帝から直接いただいた本物の官職を持っている方が上に見られる。僭称とは格が違う。」

「わかりました。」

「で、彦五郎。美濃を攻めるが良い。其方に任せる。兵士は与えよう。」

「ありがとうございます。作戦を練ってみます。」

「うむ。彦五郎ならきっと取れるだろう。」

「父上の期待に沿うように励みます。」

「太守様、若殿、奥方様が、」

「彦五郎行くぞ。」

「はい!」

僕と父上は母上の元に走った。

「母上!」

「定」

「失礼、母上大丈夫ですか?」

「兄上、静かになさられよ。急に顔を出すとは一体何事ですか。」

「定、大丈夫か?」

「彦五郎、父上をよく支えなさい。あなた、あなたに会えて私は幸せでした。」

「母上!某は京にて帝と公方様に会い、権左近衛少将と美濃守に任じられました。」

「彦五郎おめでとう。最後に会えて嬉しかったわ。これからも頑張って」

「母上!」

「奥方様、ご永眠かと存じます。」

「定ー」

僕は男でありながら泣いてしまった。それぐらい母上の死は悲しい出来事だった。父上も悲しんでいた。

母上の死から1週間後、家臣団を集めて母上の葬儀が行われて母上には定恵院の名が与えられた。僕等の心には大きな傷が残った。僕はその苦しみから逃れるために美濃攻めの準備を進めていた。まずは坪内家と川並衆に寝返るように交渉していた。寝返るというよりは中立ではなくこちらにつくということだが。父上より美濃をとった暁には僕が差配していいとのことだったので恵那郡の一部、木曽川流域の尾張側を正式に領地として与えることにした。そしたらその水軍も活かせるし、領地を望む彼らは味方につくだろうと判断した。坪内家に対しては、味方についた場合は領地の安堵と働きによっての加増だ。そして着々と美濃を攻める準備は整って行った。また僕は父上に許可を得て何人かの鍛治師を雇って、銃の複製をさせた。そしたら見事にしてみて、その効力は買ったものと同じだった。そのため、銃の増産を命じておいた。また僕は今、弾丸を作らせる準備も行なっているところだ。僕は鉛の入手をするために動き始めていた。確か火縄銃の弾丸は鉛からつくられる。







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アッサリ風味な話運びで情緒も風情のへったくれも無い感じが鼻につく 大根役者が簡素な台本読み上げているような錯覚すらする
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