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第71話

昨日は投稿できなくてすみません。まあ色々ありまして。許してください。

義兄上が入場してきた。その次に、関白様の妹君が参られた。そしてお二人が揃われると媒酌人の三条内大臣様ご夫妻が進まれて、義兄上、奥方様共に酒を酌み交わされた。これで結婚の儀式みたいのは終わり、これからはただの宴だ。大変だろうな。全員から順番に、お祝いの挨拶と祝福する品が届けられるのだから。今川家は伊賀で生産されて、その希少性の高さから、かなりの値段がつけられている陶器を献上する。しかし将軍家の婚姻はとても規模が大きい。僕等から順番に決まった口頭とお祝いの品を渡して、それだけに1刻ほどかかった。婚姻の義は畏っていて僕にはきつい。しかし主役が1番疲れるんだろうな。僕は内心義兄上に同情した。それが全て終わると料理が運ばれてきた。とても豪華なものだ。前食べた朝ご飯とは比べ物にならないほどだ。

そして義兄上が口を開いた。

「今日は余の婚姻を祝うために集まってくれて感謝致す。今日はお祝いだ。皆楽しめ」

「はっ」

楽しめと言われても作法が汚いとダメだし、緊張感は漂うのだが、少し饒舌になってくるし、なんか踊り始める参列者もいたり、和歌を歌ったりと、少し緊張感が軟化していた。食事自体で何刻も保つはずがなく、途中からは酒のみがある、無礼講みたいになっている。僕は酒自体が苦手な上、その匂いもあまり好きではなかったのできつかったし、ほんの少ししか飲まなかった。ただ義兄上はそれを知っているためか、給仕は水を途中から入れてくれるようになり、助かっていた。宴会が終わったのは亥の刻だった。とても長くて僕はクタクタになっていた。よく義兄上は耐えられるよ。まああのダラダラ長い評定に毎回出席していると耐性がつくのかもしれないが。


婚姻の儀式みたいのと祝いが終わって屋敷に帰った僕はクタクタだった。父上は余裕の表情だったのでびっくりした。よくあんなのを耐えられる。

「父上、父上はこのようなことで疲れないとはすごいですね。」

「余も疲れているが顔に出ないだけだ。自分も一度経験しているしな。」

「すごいですね。」

「彦五郎にも良い経験であったであろう。それにしても疲れが顔に出ている。顔に出ないように頑張れ。」

「はい!頑張ります。」

「いずれ自分も経験するのだ。ここまで大規模ではないかもしれないが、かなり豪華になるであろう。20カ国を治める今川家の嫡男の婚姻ゆえな。諸大名からの注目度も高いだろうし。今日も余を差し置いて、上様の意向により、家臣筆頭だったであろう。その若さということはそれだけ注目される。其方もこのようなことに対する忍耐をつけよ。いずれもっと出席することになろう。」

「はっ、励みます。」

「今日はもう疲れただろう。休めよ。」

「ありがとうございます。」

僕は部屋に戻って布団に寝っ転がるとすぐに寝てしまった。それだけ疲れていたのだ。







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