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第18話

「若殿、帝との謁見は如何でしたか?」

「大和、伊勢、伊賀の平定を命じられた。帝としては我々にすぐに京に来れるようにしてほしいみたいだ。今後の予定は?」

「今日、近衛殿のところで蹴鞠をなさられた後の予定はございませぬ。明日は三好殿との会談で公家衆とはとりあえず会う予定はありませぬ。恐らく今日の蹴鞠にて、交流を深めることができるでしょうし。」

「了解した。明後日朝一番に京を出立して駿府へ帰る。急ぐぞ。」

「はっ」

「帰ったら7カ国の平定だ。」

「はっ、伊勢には調略をかけずに一気に攻める。北畠を滅ぼす。伊賀と大和には調略をかけ始めろ。特に伊賀だ。忍びは味方につけたい。侍と同等に扱うように。」

「ははっ、若殿の思想を真似て、今川では忍びを公に見下すものは太守様により処断されていますのでおらぬかと。忍びはとても有用で頼りになります。彼等の陰での活躍があってこその我等ですから。」

「そうだ。よし近衛殿の元に着替えていく。直垂を用意せよ。」

「はっ」

僕はすぐに着替えると近衛家の屋敷に行って蹴鞠を楽しんだ。この中で武家は僕だけだったが若い貴族らと話せて有意義だったし蹴鞠の腕を見せつけて、田舎者ではないと分からせられたのでよかった。



そして遂に三好長慶に会う時が来た。

「遅れてすみません。三好修理大夫殿、今川権左近衛中将でござる。」

「いえいえ、忙しいでしょうから。三好修理大夫と申す。今川権左近衛中将殿よろしく頼む。しかし今川殿は美濃守であったと記憶しているのだが?」

「先日帝より美濃守も兼任した上で少将から中将に昇進いたしました。現在は従四位下です。三好修理大夫殿と同格です。」

「そうだったのですか。すみません。」

「いえ、本当に最近なので。」

「唐名で今川羽林殿とお呼びしても?」

「いいですよ」

「ありがとうございます。」

「三好修理大夫殿、某と会いたいとのことですが何故?」

「今川羽林殿が気になったのです。齢13で元服し、初陣にて尾張をおとし勢いを落とさず北条、斎藤を滅ぼしたお方が。」

「左様ですか。して何の話をされるおつもりですか?」

「今川羽林殿、細川晴元には味方しないでください。そのお願いをしに参りました。某は細川晴元と戦っている。上様がどちらに付かれるかはわからぬが、貴方がついた方につくでしょう。上様は前に謁見した際に貴方を大変褒めておいでだった。上様が敵に回ってほしくはない。それだけです。」

「某に頼んでも父上が最終決定者です。しかし某の意向としては、京の争いには入らぬつもりです。我々は近々、伊勢、伊賀、大和へ攻め入ります。帝よりの勅命です。そこに手出しをされさえしなければ、今の所敵にまわる事はないでしょう。しかし帝や義兄上の命でしたら違いますが。」

「わかりました。そこには巻き込まぬようにいたします。今川家に入られては負けますので。」

「よろしくお願いします。」

「堅苦しい話はこれぐらいにして何か食べませんか。食事を用意しています。」

「わかりました。しかし三好修理大夫殿を疑う訳ではありませんが、一応毒味させていただきます。」

僕と三好修理大夫は簡単な会談をしてから食事を食べながら話してから解散した。



その翌日、僕等は馬を走らせて駿府に途中で何泊かしながら戻った。いろいろ報告する必要があるためだ。




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